2016年東大地理(第2問)入試問題の解答(答案例)・解説

農業に関する出題で、設問Aの植物油に関する出題はあまり見ない問題でしたね。設問Bの自給率に関する問題は頻出ですので確実に点を取りたいところです。

設問A

設問(1)(2)

連動している設問なので、(1)と(2)を同時にやってしまいましょう!

主要な植物油の生産量などを表した図や表に表されている植物油の名称を答える問題です。マイナーな統計データまで覚えてなきゃいけない問題だけでなく、折れ線グラフと表のデータと雨温図を組み合わせて解かなければならないという、めちゃくちゃ凝った作りをしていて、難しいのもそうですが、複雑です。
図2−1(植物油の生産量の推移)を見て「あ、これはごま油のグラフだ!」などと特定できる人はいないでしょう(笑)ということで、優先すべきは表2ー1(植物油の原料となる農産物の生産国)と図2-2(首都の雨温図)です。この2つを中心に解いていきます。

Aと(a)の特定

まずAの作物を見てみましょう。
図2-1では劇的な伸びを見せていて、表2-1ではインドネシアのシェアが世界の約半分、(a)の国も35%ほどあり、この2国で世界のほとんどを占めていることが分かります。
続いて、図2-2を見て(a)国の首都の雨温図を確認すると、明らかなAf気候を示しています。つまり、インドネシア同様、熱帯地域の国だということが分かります。
これに当てはまる作物を選択肢から探してみましょう。

大豆やトウモロコシはアメリカやブラジル、中国など面積が大きい国で栽培されている傾向が強いので除外(中国の大豆に関しては後述)。
オリーブもスペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海性気候なので除外。菜種の原産地は北欧やシベリアとされていて寒冷地なのでこれも除外。ごま油はミャンマー、インド、中国の順で生産量が多いのでやはり除外。悩むとしたら、ココヤシ油とパーム油でしょうか。どちらも熱帯で栽培されています。
ここから先、自信を持って当てるには、さらに細かい知識が必要でしょう。ココヤシ油(コプラ油)はフィリピンが世界最大の生産国で世界シェア約35%ほど、続いてインドネシア、インド、ベトナムと続きます。つまりインドネシアが世界シェア半分を占めるAは、ココヤシ油ではなくパーム油です。
ただし、ここまで細かい統計データを正確に覚えている人は少ないでしょうから、実際には(ココヤシが図2-1のAみたいに生産量が多くて激増しているとは考えづらいから、パーム油かな)などと推測を経て当てるのが現実的でしょうか。
なお余談になりますが、いくら「地理は思考系の科目だ」と言われようと、細かく正確な知識を持っている人が強いというのは間違いないです。

さて、続いて(a)の国を当ててしまいましょう。
与えられた情報は、パーム油の世界第2位生産国でシェアは35%ほど。そして、気候はAfです。これを選択肢から選ぶと、フィリピンかマレーシアが候補となるでしょう。ここから先は、やはり知識です。パーム油を生産しているのはマレーシアですので、(a)はマレーシアです。

さて、オマケの解説です。
パーム油は油やしを原料に作られ、マーガリンや石ケン、バイオマス燃料などにも利用されます。必ずしも食用ではありませんね。
さて、これらの油を並べて共通点を見出してみると、経済発展に比例して使用料が増えそうだということに至ります。途上国が経済発展をして、生活が豊かになっていくと、食事は西洋化・多様化して油を多く使う食事内容に変化しますから、マーガリンの使用量も増えるでしょう。石ケンも生活水準が高いほど使われます。
バイオマス燃料に限らず、燃料というのは発電に使われます。発電量はGDPとかなり相関が強いです。ということで、パーム油は世界の経済発展と一緒に増加しているだろうということが良そうされるので、図2-1のグラフのように伸びていてもおかしくなさそうだなと思ってください。

Bと(b)(c)の特定

続いて、Bの作物に注目しましょう。
Aのパーム油に続いて生産量が激増していて、搾油量1位と4位はわかりませんが、アメリカとブラジルが2位と3位。原料の生産量はアメリカが1位でブラジルが2位、(c)が3位となっていて、(b)の国が統計から外れています。言い換えれば、(b)の国は原料の作物をそこまで作っていないけれど、油はもの凄く生産している。このギャップは「輸入量が多い」という補助線によって解決します。

次に、(b)と(c)の国の首都の雨温図を見てみると、(b)は北半球のDw気候で、(c)は南半球のCfa気候とわかります。
(b)は、夏に気温が高く雨がまあまあ降り、冬は気温が低く氷点下まで下がり降水はほとんどありません。厳密には、最寒月気温がマイナス3℃未満かどうかは微妙なところですので、Cwと迷うかもしれませんね。
(c)は、夏の方が寒く冬の方が暖かいので、瞬間的に南半球だと見抜きましょう。あとは、最寒月気温がマイナス3℃以上は明らかで、最暖月気温が22度を超えているのでCfaだと判断できます。

(b)と(c)のどちらからアプローチしてもよいですが、南半球の国がカギになることが多いですので、正攻法は(c)からでしょうか。(2)の選択肢の中で、南半球の国は、アルゼンチンとオーストラリアしかありません。そしてなんと、キャンベラもブエノスアイレスもCfa気候です。これでは判断できません。ただし、何らかの植物油の統計でオーストラリアが上位に食い込んでくることはないだろうということで、(c)をアルゼンチンだと判断することはできますね。

一方、(b)へアプローチしてみましょう。
首都がDw(もしくは、限りなく寒いCw)で、Bの油の搾油量世界第1位の国です。しかも国内生産量は大分低く、大部分を輸入に頼っています。統計を見れば、アメリカやブラジルの生産が多く、おそらくこの2国からかなり輸入しているのでしょう。
ここまでヒントがそろうと、Bは大豆で、(b)は中国だとわかるのではないでしょうか。なお、Dw気候はユーラシア大陸東部にしか見られないことを知っていると、もっと簡単に(b)が中国だと決められます。

2000年以降、中国国内の食用油の需要の急増に伴い、アメリカやブラジル、アルゼンチンの大豆生産量も急増し、世界の大豆輸出入の大部分を占めるようになりました。この統計データを知っていて、(c)をアルゼンチンだと特定することもできますね。
例えば、農水省のこちらの資料でも説明されています。抜粋した画像を貼っておきます。

 

Cの特定

では、最後にCと(d)を特定しましょう。

(b)が中国だと判明しているので、表2-1から、作物Cの搾油量は、1位中国、2位ドイツ、3位カナダ。生産量は1位カナダ、2位中国、3位インドです。
特に目立つのはカナダでしょうか。ドイツや中国を含めてもよいですが、寒い国でも育つ作物のようです。
これを選択肢から検討すると、菜種油が該当しそうです。先ほども少し触れましたが、菜種は原産地が北欧やシベリアだと考えられており、寒いところで育ちますから、これで当てられるでしょう。(他は、もう少し暖かいところで育つものばかりです)

原産地を知らない場合はやや厳しいですが、こんなアプローチもできます。
菜種栽培の目的は油の採取です。もちろん、植物由来の油なのでバイオ燃料だということになります。
トウモロコシやサトウキビなど、植物の糖やでんぷんを発酵させてつくるアルコールのことをバイオエタノールといいますが、これと似たようなエネルギーにバイオディーゼルがあります。これは菜種油・オリーブ油・パーム油などから作られ、ディーゼルエンジンを動かすのに使われるものです。バイオエタノールと違いはあるものの、化石燃料の代替手段として注目が高まっていて、生産量も増えています。ヨーロッパの場合は菜種油からバイオディーゼルを精製することが多いということで、Cが菜種だと特定するヒントになります。

また、インドの生産量が第3位であることに注目をしてもいいでしょう。1980年代から1990年代にかけてインドでは大豆や菜種などの油脂原料を政府の政策によって大幅に生産量を引き上げる“黄色い革命”が行われてきました。いずれにしろ、知識が最終的にモノを言うということは覚えておきましょう。

(d)の特定

最後に、(d)を特定しましょう。

ひまわり油の搾油量第1位、生産量も第1位で、雨温図を見るとDf気候とわかります。
最寒月気温が(これも、ギリギリではありますが)マイナス3℃を下回り、最暖月気温が10℃を上回ります。降水量は年間通じてありますので、Dfで決定で良いでしょう。
残っている国が、ウクライナ、オーストラリア、フィリピン、フランス、メキシコですから、これは即答でウクライナでしょう。Df気候は1つしかありませんでした。

最後に、知識を補足しておきましょう。
ひまわりはロシアやウクライナなどの肥沃なチェルノーゼム地帯で栽培されます。この背景として、ひまわりは正教会で禁止されなかったというのがあるそうです。
正教会には断食の習慣があるのですが、その期間内は油脂を食すことが禁止されていました。「これはダメ、あれもダメ」と禁止されていた油脂の品目が決まっていたらしいのですが、ひまわりはロシアに伝わったばかりだったことから、禁止の品目に含まれていなかったそうです。そこで、ロシアではひまわりを栽培するようになり、今に至ります。ひまわりと言ったら夏のイメージがありますから、寒いロシアとは結び付かないかもしれませんが、この機会に覚えておきましょう。

他の作物について

さて、ほかの作物に関しても少しずつふれます。

オリーブといったら、地中海性気候。主要な生産国はスペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海近辺の諸国が挙げられます。用途はもちろん食用が一番に思いつくでしょうが、化粧品など他の用途もあるようです。

ココヤシは熱帯地域の作物で、用途はマーガリンや石ケン、ろうそくなど日用品に使われます。生産国は上位からフィリピン、インドネシア、インド、ベトナム、メキシコです。

ごま油の生産上位はミャンマー、インド、中国などの国です。用途は主に食用です。

トウモロコシ油は地理において重要ですね。トウモロコシの生産量上位はアメリカ合衆国、中国、ブラジル、アルゼンチン、インドと続きます。食用はもちろん、バイオ燃料としても需要が急増しています。トウモロコシを油にする前は、家畜の飼料用としても重要です。

設問(3)

人口増加率をはるかに上回る勢いで植物油の世界的な需要が伸びている要因を2つ述べる問題です。

これは先程も述べたようなバイオエタノールやバイオディーゼルといったバイオ燃料の生産が伸びているということはすぐに思いついて欲しいところです。もうひとつは少し考えづらいですが、人口増加の著しい発展途上国や新興国が経済成長を遂げ、生活水準が向上したことで植物油を使用した料理や、石鹸、シャンプーなどの利用が増えるということが考えられます。

設問(4)

Aのパーム油の原料となる油やしの生産拡大によってもたらされる環境問題について答える問題です。

Aがパーム油だと分かればよくある典型問題としてパパっと答えらる問題でした。
油やしはグラフから分かるように1980年代から急激に生産量が増加しています。この急激な生産量増加には新たな油やし農園が必要となり、新しい農園造成には土地が必要なので熱帯林が伐採されるわけです(天然ゴムのプランテーションからの転換も含む)。
また、熱帯林の伐採が進めば二酸化炭素を吸収する植物の量が減り地球温暖化を助長することは考えやすいです。さらに熱帯林の伐採によって植生が減少するだけでなくそこに住んでいた動物も住む場所を失って生態系が変化せざるをえません。このような変化によって種の減少や絶滅が起こり生物多様性が失われるのです。

答案比較

設問(3)

Aさん
中国などの発展途上国での急速な経済発展に伴う食用としての需要の増大、又はバイオ燃料として使うために需要が増えたから。

Bさん
新興国の生活水準水準向上による食生活の変化から食用油の需要が増加したことと、環境問題を背景にバイオ燃料の需要が増加したこと。

Aさんは中国を発展途上国として挙げていますが、具体的な国名を述べる必要もありませんし、中国を発展途上国に含めるのは厳しいのではないでしょうか。なにせ、中国は世界第二位の経済大国です。一人当たりGDPが低いとは言え、途上国とはしない方が良いでしょう。
また「食用」とだけ書くよりも食用油と書いた方が良かったです。「又は」はひらがなで書いた方が良いうえに、答案の構成としても前半の部分を受けて発展途上国の経済発展に伴いバイオ燃料の需要が増えたように見えてしまうので「また、」で文を繋げる方が良いです。

Bさんは2つのことを述べているのだと分かりやすくて良い答案でしたね。バイオ燃料の需要の増加の理由として環境問題を述べられているのは良いのですが、環境問題というだけよりも環境保護や地球温暖化対策などと具体的に書いた方が良かったでしょう。

設問(4)

Aさん
農園開発のために熱帯林が過剰に伐採されることで生物多様性が失われ、二酸化炭素吸収量の減少が地球温暖化につながる。

Bさん
増産のために森林が伐採されることで生物多様性が失われる他、光合成による二酸化炭素の吸収量が減り地球温暖化につながる。

両者とも要素は含まれているものの、二酸化炭素吸収量の減少が熱帯林の過剰伐採によるものだということが少し分かりづらいので、答案構成に注意しましょう。

Aさんは二酸化炭素吸収量の前に「また」を入れて「また二酸化炭素吸収量が減り、」とつなげると分かりやすいです。

Bさんは「他」はひらがなにした方が良いことに加えて、構成としても最初の「伐採されることてで」の部分を「伐採され、」と読点で区切るとよりわかりやすかったでしょう。

設問B

設問(1)

表2-2に示された農産物の自給率から中国、アメリカ合衆国、タイのいずれが当てはまるか答える問題です。基礎的な知識が問われる問題ですので冷静に確実に解きましょう。

この問題は小麦と米の生産量だけで判断できます。
まず小麦が0%という異常な値を取る(ロ)は、冷涼少雨の機構環境を好む小麦の栽培に適さない熱帯気候に属すタイが当てはまると考えられます。
つぎに米の自給率がタイを超えて非常に多い(イ)は、温暖湿潤な気候環境や灌漑設備が備わった地域で大量に生産するわりにコメを主食せずにほとんどを輸出しているアメリカが当てはまります。また、アメリカが世界的な小麦輸出国であることを知っていれば簡単に答えられました。
中国は世界最大の米生産国ではありますが、国内人口が多く食料需要を満たすために国内消費が主となり輸出量は多くはありません。表に示された数値が生産量ではなく自給率であることに気をつけましょう。

米と小麦以外の作物について触れると、砂糖やイモ類がタイで非常に多いこと、果実類もタイで多いことが特徴だと思いますが、これをヒントに当てられる人は多いないでしょう。米と小麦から当てるのが正攻法だと思います。

設問(2)

トルコで農産物の自給率が高く自給率が100%を上回る農産物が多い、つまり多くの農産物が輸出されている状況の背景となるトルコの農業の特徴について自然環境と社会条件から答える問題です。

まずはトルコの自然環境から考えましょう。やや内陸はBS気候が広がっていますが、沿岸は夏季に乾燥するCs気候が広がっています。この気候を活かすことで地中海諸国はオリーブ、ブドウ、コルクがしなどを栽培することができ、果実類の自給率の高さにつながります。

また、ヨーロッパ南部は温暖な気候で、野菜栽培も盛んです。野菜栽培は労働集約的な農業であるため、安価な労働力を得られるトルコでは発展しやすくなり、野菜類の自給率の高さにつながります。他にも、冬季は湿潤であるため、冬作物である小麦の栽培が可能で、自給率も 122%と高くなっています。

つぎに、社会条件についてですが、さきほど述べた安価な労働力はその1つに数えても良いでしょう。または、近接するEUとの間に関税同盟が結ばれていることも挙げられます。他にも経済成長著しい中東諸国へも近く、市場が多いことが輸出に有利に働いていることが思いつければ答案が書けます。

設問(3)

メキシコで特定の農業の自給率が極端に低かったり100%を超えていたりする状況の背景を社会経済的状況から答える問題です。

メキシコと社会経済的状況と言えばNAFTAをすぐに思いついて欲しいです。NAFTAはアメリカ合衆国、カナダ、メキシコの間に結ばれた自由貿易協定で、貿易における関税が撤廃されます。関税が撤廃されれば相手国よりも安価に生産できる産物が輸出されやすくなり、メキシコはアメリカよりも賃金水準が低いことから労働集約的な農産物の野菜類や果実類は輸出されやすく、逆に機械化の進むアメリカ合衆国は大規模な農業で穀物類を大量生産するので単価が安くなりメキシコに輸出されやすくなります。

自由貿易について

この問題は、メキシコを主題にした問題ではありますが、メキシコ特有の現象を答えるのではなく、「自由貿易」を行う国ならどこでも生じる現象を答える問題です。

自由貿易とは関税を撤廃して貿易を行うことですが、ポイントは自由貿易を行う両国ともに、国全体の経済発展が促されるという点です。
リカードの比較生産消費説というものが根底にあるので、より詳しい解説を知りたい方はググってみてください。

簡単にいうと、一つの国の中であらゆる作物を栽培して完全自給を目指すよりも、苦手な作物に投じる労働力を得意な作物への労働力に転換した方が、経済的に発展するというものです。しかも、自国だけじゃなくて相手国も経済的に有利になります。暖かい国は暖かいところで育つ作物だけ作る、寒いところは寒いところで育つ作物だけ作る、のような分業体制にして得意な作物に集中することで、全体の栽培量が増えることになり、取引量が増加するため、お互いが経済発展するわけですね。

ふつうは自給率が高い方が良いと思うでしょうが、実は経済的には不合理です。
苦手な作物の自給率を下げてしまい、得意な自給率を100%を超えるようにして輸出する方が、国全体としては得をします。これが自由経済の基本的な考え方です。

ただし、自給率が下がるということは、その作物に従事している農家は失業することになりますので、簡単な話ではありません。自国の産業を保護するのが関税だという考え方なので、関税が悪だというわけではないのです。関税をどのくらいに下げるかという采配は、政治的に決定されます。

答案比較

設問(2)

Aさん
沿岸部は地中海性気候に属して果実類や小麦を多く生産し、また隣接し関税同盟を結ぶEU市場への農作物の輸出が盛んである。

Bさん
中東諸国より湿潤な国土であることと、同じイスラム教を主とした地域であることから輸出用の作物が多く生産されている。

Aさんはまとまっていて良い答案です。ゼミ授業のなかでは「地中海性気候のため小麦の生産が盛んに行われている」という答案も見られましたが、地中海性気候だから必ず小麦の生産が多くなるわけではないことに注意しましょう。その点、農産物の生産と地中海性気候の因果関係を明記しない書き方は参考になるでしょう。中東諸国への近接性も書けたらより良かったと思います。

Bさんは中東諸国を中心に書いていて、これだとトルコの農業の特徴について答えよという問いに対して答えられていないようにも見え、得点が貰えない可能性もあります。今回のような問題ではどこかと比べるのではなくその地域の特徴について答えるように意識しましょう。

設問(3)

Aさん
メキシコはUSMCAによりアメリカとカナダとの間で国際分業を行っているため、メキシコで生産しやすい野菜の生産量が非常に多い。

Bさん
NAFTA施行以後、安価な穀物をアメリカから輸入し、安い労働力を活かして野菜や果物をアメリカへ輸出しているため。

AさんはUSMCAという用語が出てきたのは素晴らしいのですが、USMCAは2020年に発行された協定で今回は2016年の問題ですので答案として書くには適当ではありません。知識をひけらかすことより、平凡でも書くべきことを書く方が大事です。
国際分業は「農業の国際分業」と明示した方が分かりやすいでしょう。また、メキシコで野菜がなぜ生産しやすいのかも安価な労働力などの背景をしっかり書いた方が加点されやすくなると考えられます。

Bさんは上手くまとめていますね。ケチをつけるなら野菜や果物の輸出先は「アメリカ中心」になっていると限定しすぎず採点官の目に引っかかりにくいでしょう。

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