2024年東大文系数学(第4問)入試問題の解答(答案例)・解説
2024年 東京大学数学 文系第4問
2024年で一番難しかった問題
最近の東大文系の傾向ですが、場合の数・確率が難しいです。
過去には簡単な問題も出題されていたのに、最近は軒並み難しいと思います。この問題も、初見で問題文を読んだ時のインパクトはなかなか大きいですね。
色々試してみよう!
まずこの問題の特徴は「小問に分けられていない」ことですね。
(1)、(2)とあれば、「(1)だけでも取ろう」という意欲もわきますが、小問がないと俄然、難しく見えてしまいます。
しかし、そんなのは実は本質的な問題ではありません。
逆手にとって、小問に分けてしまえばよいのです。
確率漸化式の問題を思い出してください。(1)ではP1を求めよとか、P2を求めよなど、小さな具体的な数字の答えを求めさせることが多いですよね。
これと同じで、nを小さくしてしまえばよい。
この問題は正n角形に関する確率を求める問題ですが、自分で勝手に「n=5」など決めてしまって、自作の(1)を設置してしまえばよいのです。n角形は難しいですが、正5角形なら簡単。正5角形で法則がつかめないなら、正7角形、正9角形と少しだけnを増やせばよいです。
こうやって、「自作の(1)」を設けられるかが、一つ目の分岐点だと思いますよ。
というか、作問者も、そういう作業を想定して出題していると思います。
nを小さくして、試行回数を増やせ!
試すにしても方向性が必要でしょうから、アドバイスしましょう
「nを小さくして、試行回数を増やせ!」です。
今回の問題は、正5角形だとちょっと小さすぎて、全部点Oを含んでしまうので、最低でも正7角形か正9角形くらいほしいですね。
多少イビツでも良いので、テキトーに書いてしまいましょう。
そして、点Oを含むように書いてみたり、含まないように書いてみたり・・・と繰り返します。
どんなに数学がデキル人でもこの作業はすると思います。というか、こういう作業を臆することなく出来る人が「デキル」人です。
すると、点Oを含まないように四角形を作るには、正n角形の片側半分しか使わないようにすればよいことに気づくでしょう。
「お、もしかして、片側で作ればよいのか?」という仮説が立ったら、さらに試行回数を増やしてチェック。
nの値も1つ増やしてみたり、減らしてみたりしてチェック。
こうして、自分が立てた仮説が正しいことを確認したら、イザ答案へ、という流れです。
解法暗記は万能じゃないぞ!
さて、文系の受験生の中には、こうした「試しながら法則を発見する」という作業をあまりしたことがない人が多いです。だから、出題されます。
2015年くらいまで頻繁に出されていた確率漸化式なんかも「法則発見型」の問題です。
数学の先生たちの間では「解法暗記」を批判することがあります。
解法を覚えて、それを類題に適用させることで、数学の得点を稼ぐという勉強法です。
確かにそれをすれば、典型的な問題や、過去に見たことがある問題は解けるようになります。しかし、「法則発見型」の問題は解けません。
東大では、過去に解いたことがある問題も出ますが、解いたことがない問題もでます。
解いたことがない問題でも、あれこれ試行していくうちに、解くための糸口が見つかっていくのです。
私は、解法暗記はかなり強力な勉強法だと思っていますが、万能だと言ったことは一度もありません。あくまで通過点だと思ってください。
数学で隣の受験生に差を付けたいなら、こういう「法則発見型」の問題に取り組むのが、一番早いような気もしています。
では、あとは解答をご覧ください。
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