2024年東大英語(第3問 リスニング)入試問題の解答(答案例)・解説

【2024年東大英語3リスニング総括】

先ずは、こちらの表をご覧ください。

2021年度入試の合格者のうち、英語で高得点を奪取された方の大問別得点一覧(推定)です。
配点が驚きですよね。客観式問題に推定でおよそ70点近く割り当てられています。
その半分にあたる30点が配されているのが第3問ですから、リスニングの成否は合否に直結するとも言えます。

リスニングの設問総数は例年15問(1問2点と予想されています)となっており、平均的な東大受験生は18点前後をうろうろしているように思えます
それに対して、111点合格者や105点合格者はキッチリ26点(13問)正解を叩き出していますね。
リスニング力は一旦身につけば、点数のブレが生じにくくなる特性があります。
その領域に達するまでには、敬天塾の映像授業でご紹介している訓練法を実施しても成果が出るまでに2ヶ月程度はかかりますので、今すぐ対策を始めましょう。

映像授業【東大英語 リスニング】

さて、ここで世にも珍しい、設問別の分析考察シートをご案内したいと思います。

2024リスニング分析シート

いかがでしたでしょうか。難易度順に設問が並んでいるわけではないことや、
難易度が高いとされるpartでも易問は必ず存在していること、
各設問で求められているチカラが異なっていることなどをビジュアルに理解できたと思います。

ここで、2023リスニングの分析シートと見比べてみてください。

左が2023年、右が2024年の分析シートです。
難化していることが一目瞭然です。
難化の理由にはいくつかありますが、顕著なのが設問文や選択肢の中にあるキーワードが放送英文の中では尽く別の表現で言い換えられている点が特筆に値します。

なかには、1Aの英文要約のように要旨だけを選択肢に載せているケースもあります。
1Aの過去問解説でも申し上げましたが、書かれている英文からキーワードを繋ぎ合わせるだけの稚拙な方法論は近年の東大英語では通用しなくなってきています。
本文全体の趣旨を踏まえ、要するにどういうことなのか?と言い換えられるチカラが、1Aのみならず、このリスニングでも強く求められるようになってきています。
このように2024年度のリスニングは前年比で難度の高い設問の割合が増えたわけですが、東大側がバランスを図った跡もみられました。

一つは、放送英文がわりと身近な題材ばかりだったということです。
特に地理選択の人にとっては、Part Aのスエズ運河でコンテナ船が座礁し世界の物流に大きな打撃を与えたことは教科書にも載っている基礎知識ですし、Part Bの物流の問題点は2024問題として日本でも連日のように報道されていた典型論点でもあります。

もちろん、ニュースを見聞きしていたり、BBCの6minutesシリーズなど敬天塾の映像授業でもご紹介している訓練ツールで耳トレを日々実践されてきた方には馴染み深いテーマばかりでしたから、地理選択の方でなくても、結論の方向性は明瞭だったと思います。
ただ、受験生にとって馴染み深い論点だということは東大教授もご存知です。
だからこそ、設問文だけ読んで「常識力」で解こうとすると袋小路にハマるような選択肢が例年よりも激増しているのです。

テーマが明瞭な分、設問をいやらしくしているのが2024リスニングの特徴でした。
なお、Part Cにつきましては、言語学のスペシャリストである東大英語部会の教授が好きそうなお題でした。
東大過去問を深く探究されている方であれば、言語関連の問題がリスニングに限らず頻出なのはよくご存知のはずです。
英作文であれば、2010年2Aや2020年2Aあたりが有名どころでしょうか。

もう一つは、part Bが昨年に引き続き、エコーがかかったような不明瞭な音声だったのですが、これはどの教室でもみられたことですので、音源そのものを意図的に聞き取りづらくしているということです。
ただ、そことのバランスを図るべく、男性と女性の話者の会話形式にして、設問では誰の発言かを明示することで聴き取るべき箇所がわかりやすくなっているほか(5問中4問)、易問の割合もpartAよりは多くしている点、バランスを図ろうとした形跡がみられました。
設問(14)(15)で易問が連続してきていますが、(11)〜(13)で心折れてしまったとしても、最後まで諦めなかった受験生にはご褒美を与えている点は、昨年と同様でした。

リスニングの下読みの工夫については、映像授業でもいくつかの手法をご紹介しますが、ここで注意喚起したいことは、「下読み時に設問文や選択肢でチェックしたキーワードだけを拾い聴きしても6〜7問程度しか正解できない」という事実です。
東大側としては、ある程度は得点させてあげたいという配慮から、キーワード拾い聴きで取れる問題を6〜7問用意してくれているとも解釈できます。
ただ、やはり、入試問題作成部会の教授陣としては、ちゃんと本文全体を聴き取ってくれた受験生が報われるような設問構成にしたいのでしょう。
今年度は全体的に大きく表現を言い換えている問題が大半を占めている点、きちんと本文を理解しながら聴き取ることができる猛者にとっては「実力」が点数に反映されやすい良問だとも言えそうですが、その反面、フレーズ拾い聞き作戦で突っ込んだ東大受験生にとっては東大リスニング史上最難関に感じた問題セットだったかもしれません。

さて、ここで形式面について、少し触れたいと思います。
2024年度東大リスニングの概略についてざっくりご説明すると、設問総数15問と選択肢の数が5つであるという点は2023年度入試と変わりありませんでした。
問題構成は(A)(B)(C)の3つのパートに分かれ、それぞれが独立した放送内容でした。
放送英文の概略は次の通りです。

(A) 2021年にスエズ運河で起きた座礁事事故によって世界の物流に与えた負の影響

(B) ネット通販における無料お急ぎ配達の弊害の話を軸に、物流や地球環境に与える問題点について対談

(C) パプア・ニューギニアにおける言語の多様性についての講義

気になる点としては、今年度も昨年度に引き続き、いずれのパートでも補注が付されたことでしょうか。
また、「あてはまらないもの(NOT問題)」を選ぶ設問が1つに減ったことは特筆に値すると思います。

加えて、パートBの放送英文が多くの教室で不明瞭な音質だったらしく、聴き取りが非常に難しかったという声が多く寄せられました。
昨年度もパートBで同様の報告が相次いだので、東大英語部会が意図的に曇った音源を用いていることが証明されました。
訛りについては、イギリス英語や、どこの国の訛りかわからないようなアクセントの話者がいたという報告がいくつか上がってきています。

東大模試や東大対策の教材とは異なり、一語一語を丁寧に読み上げてくれる感じではなく、普通の会話のようにナチュラルな感じで発音されていたという意見が受験生から多く上がってきています。

なお、設問ごとの詳細な解説は後掲いたしますので、ぜひご参照ください。

【東大リスニングの出題形式】

東大リスニングの出題形式について見ていくとしましょう。

(放送時間)30分程度
(放送開始)2月26日午後2時45分〜(変更可能性あり。必ず受験要項や問題冊子の注意事項で確認を!)
(設問総数)15問←A・B・Cの3つのパートに分かれており、各パートに5問ずつ割り当てられています。
(予想配点)2点×15問=30点
(選択肢数)5つ ←2018年入試より各設問の選択肢数が5つに増量した。
(解答方式)マークシート

(放送英文語数&出題テーマ)

(各パートの関係性・放送内容)

2021年まではパートAとパートBが内容的に関連していましたが、2022年からはすべてのパートが独立した内容となりました。
出題テーマは、文系理系に偏りなく出題されています。
ただ、これはリスニング問題に限った話ではありませんので、東大英語対策には様々な内容の文章に触れて教養力を上げることも大切です。

(2024年入試の変更点と試験会場での心構え)

2023年度入試の出題形式を踏襲しています。
ただ、2023年度と同様にパートBの放送音源が悪く、多くの試験教室で上手く聞き取れなかったという声が寄せられました。
パートAとパートCは難なく聴けた教室でも起きていますので、スピーカーなど放送設備が問題ではなく、音源そのものに問題があったように思われます。
ただ、易問も散りばめられていましたので、うまく聴き取れないからと言って、その場で絶望するのではなく、「与えられた設問情報を駆使して、1点でも多くもぎ取ってやる!」と自分を鼓舞する姿勢が合格を引き寄せたのだと思います。

【高得点合格者の工夫一例】

ここで、高得点合格者がリスニングに際して、どのような工夫をしているのか幾つか具体例を挙げます。

  • 下読みは、5分〜7分かけて行っている(長い人では10分)
  • 下読みをするのは、リスニング開始直前の14時35分〜14時45分の間が多い。ただし、2023年度101点合格者はまったく別の時間帯に下読みをしている。
    (編集部注)101点合格者によるリスニングの攻略法徹底解説はこちら
  • 下読みに際して、選択肢まで読み込むかは人による。ただし、選択肢間に共通したキーワードがある場合は、丸で囲むなどして一目瞭然化している人が多い。
  • リスニング開始の直前に、長い文章を読解せねばならない大問(1Bや5)を敬遠する人が多い。理由として、リスニング前に読み終わらなかった場合、リスニング終了後にさっき読んだ内容が記憶から吹っ飛んでしまう可能性があるため。それゆえに、大問別の解法戦略が重要。詳しくは映像授業と知恵の館記事にて。
  • イヤホンでリスニング音声を聞くのではなく、スピーカーの上にタオルをかぶせ、少し離れた高いところから音声を流す練習を普段からやっていた。←音質の悪い試験教室に当たってしまうケースを想定して
  • 過去問や模試の問題を解いて終わりではなく、しっかりと敗因分析をしている←当たり前のことのように思えて意外とできていない人が多い。

【強力な復習用ツールのご紹介】

英語は世界の様々な地域で話されています。
そのため、各地域特有のアクセントや発音が生まれます。
アメリカ英語やイギリス英語ばかりを善とする時代が終わりつつあるのです。
そうした潮流を受け、近年、TOEICやIELTSといった英語資格試験においても、世界各地の発音でリスニング問題が作られています。
東大リスニングも例外ではなく、インド訛りが登場した年もありました。

ですが、東大対策の英語教材に、こうした訛り訓練用の音源は市販ではあまりありません。
そこで、強力な復習用ツールをご紹介したいと思います。
詳細は2023過去問実況中継解説にてご案内しております。

東大英語 第3問(リスニング)制覇の極意(2023年実況中継)

【東大リスニング対策の諸注意5か条】

リスニング力を上げるために、多くの東大受験生が四苦八苦しています。
いきなりBBCニュースを聴いて心折れたり、過去問に挑戦するもうまくいかずリスニングの才能がないと勝手に諦めたりと、多くの東大受験生にとってリスニングは鬼門となっているのです。
そこで、独りで勉強していると気付きにくい点について、2023過去問実況中継解説で概略をご説明しておりますので、ぜひ本稿に併せてご参照ください。

【スクリプトと音源の入手方法について】

本解説記事を読むにあたっては、事前にスクリプトをご入手いただけると幸いです。
産経新聞さんが入試問題と合わせて期間限定でスクリプトを公開されています。

https://nyushi.sankei.com/honshi/24/t01-11p.pdf

東大のホームページでも入試問題が公開されますが、英語については近年非公表になっています。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html

その他、6月ごろに青本や赤本の最新年度版が発売しますから、そこで入手されるか、夏の河合東大OPで例年オマケとして東大リスニングのCDとスクリプトがプレゼントされますので(今年も必ず配布されるとは言いきれませんので、念のためお問い合わせください)、そちらをご活用いただくのもアリです。

【2024東大リスニング 問題A 総論】

まずは、こちらをご覧ください。

まず、東大リスニングは難易度順に設問が並んでいるわけではありません。
実際、Part Aの初っ端の設問(6)は、第1段落の要旨を踏まえなければ答えられない問題でした。

その一方で、設問(7)や(9)はキーワードの拾い聴きでも、なんとか得点できた易問でした。
1問わからなかったからと言って意気消沈することのないように注意してください。
リスニングにおける極意は、常に意識を「次」に向けることにあります。
次の単語、次のフレーズ、次の文、次の設問といった具合にです。
1問を取りに行こうとして全問を取りこぼすことは絶対に犯してはならない禁忌です。
以下の表の赤丸箇所をご覧ください。

たとえ、各パートの最初の設問や放送英文の冒頭が難しかったとしても、そこで心折れるのではなく、取れる問題は必ずあるんだ!と強く信じて、最後まで放送の聞き取りに全集中することが大事なのです。
なぜなら、赤丸箇所で示したように後半に易問(サービス問題)が用意されていることも多いからです。
諦めるのは0.1秒でできます。
2回目の放送が終わるまで、いや、午後4時の試験終了の鐘が鳴り終わるまで、決して諦めないようにしましょう。

次に、各設問の選択肢群ですが、今年度のパートAに関しては、選択肢のつくりが昨年より遥かにパワーアップしています。
これまで高得点合格者の中には、東大の選択肢のつくりは甘いから選択肢を読むだけで正解を炙り出せると仰る猛者もいました。
そうした声を東大側が憂慮したのかはわかりませんが、自分の知っている常識だけで答えを絞り込もうとすると痛い目に遭う確率が本年度は大いに高まりました。
そうした意味で、このパートAで早くも心が折れた受験生も多かったかもしれません。

放送内容については、既に申し上げた通り、2021年に連日のように報道されたスエズ運河の座礁事故についてです。
馴染みのある話題でしたので、東大受験生のなかには「この話は知ってる!こりゃ、幸先いいぞ」と高揚感に包まれた方もいたやもしれません。
ですが、そこは、さすが東大です。
そうした受験生の出鼻をくじくKINGの問題をいきなり初っ端で登場させました。
スクリプトをご覧いただければ分かるように、どこかの部分を拾い聞きすれば解ける問題ではありませんでした。
第1段落の要旨を理解する必要があります。
要は、何を言おうとしているのか端的に説明できるチカラが求められています。
まるで、1A英文要約のようですね。

それでは、総論はこれくらいにして、個別の設問について見ていくとしましょう。

【2024東大リスニング 問題A 各論】

設問(6)<ゲキ難>

The situation in March 2021 is described as “the perfect mix of absurd and frightening.” What do you think the speaker meant by this?

 

a) Although funny in a sense, the fragility of global trade was also revealed.

b) It was ridiculous that a single ship could destroy one section of the canal.

c) Modern container ships are so large they make everything else look tiny.

d) Online comments were split between jokes and messages of distress.

e) The incident reminds us of how things can go unexpectedly wrong.

【プチ解説】

設問文に” the perfect mix of absurd and frightening “というキーワードを探せとヒントが与えられていますから、基本的にこの音が流れてくるのを待つのがセオリーなわけですが、本問に関しては、このキーワードが流れる「前」の内容も踏まえて選択肢を吟味検討せねばならない点、えげつなく難しい1問となっています。
各選択肢の文言についても、本文とは異なる表現に言い換えられており、単語の拾い聞きスタンスで臨もうとした受験生にとっては悪夢の1問だったことでしょう。
また、absurd(ばかげた・おかしな)と、frightening(おそろしいこと)の両方に言及された選択肢を選ばなくてはいけません。
選択肢b)を選んだ方は、この点において選択肢a)に劣っていることを考慮すべきでした。
とはいえ、選択肢a)のthe fragility of global trade was also revealedというのも、どストレートに本文の内容を語っているというよりは、なんとも婉曲的に表現したものですので、映像授業や過去問解説記事でも何度か注意喚起をして参りました「正解の選択肢は光らない」を体現した1問だったと言えましょう。
実際の試験会場では捨て問にすべき問題だと言えます。
ここで冷静さを失って総崩れすることのないようにしてください。
それから、fragilityabsurdfrighteningridiculousの意味がわからなかったという受験生がそこそこいたようですが、frighteningはまだしも、absurdridiculousは知っておくべき単語ですし、fragilityを知らずとも形容詞のfragileは共通テストレベルの単語ですから十分に推測はできたはずです。
単語知識はリスニング以前の話ですので、貪欲に吸収するよう努めましょう。

設問(7)<易>

According to the speaker, how did the “Ever Given” become stuck?

 

a) Extremely strong winds blew the ship out of control.

b) There was a build-up of sand in that part of the canal.

c) The sand completely blocked up the ship’s engine.

d) The ship became wedged when changing lanes during a storm.

e) The ship was travelling too fast, given the weather conditions.

【プチ解説】

まず、” Ever Given “というキーワードを探せとご丁寧に設問文で指示してくださっていますので、基本的にはこの音が流れるのを待つべきです。
すると、第2段落の冒頭でEver Givenという音が初めて流れ、その少し後にkeep control overnight in the face of violent windsと来ています。

なお、解説資料の便宜上、スクリプトの段落番号に準拠して解説はしていますが、リスニングを聴いている時には当然、ここからが第●段落なんだなと分かるわけではありません。
ゲリラ豪雨のように降り注ぐ音のシャワーの中からEver Givenというキーワードを聞き取らなければならないわけですから、相当な耳スタミナが求められます
ぜひ、20分なり30分なり「聴き続ける」訓練も早いうちから始めましょう。
最初は平易な語彙の文章を長い時間聴くことをオススメいたします。
学校の長文教科書にくっついているCDでも構いませんし、今はyoutubeにも色々なリスニング教材が転がっていますので是非ご活用ください。
オススメについては映像授業の中でご紹介しております。
さて、本問の解説に戻りますと、この設問(7)は是が非でも取りたい1問です。
wind(風)について言及された選択肢はa)しかありませんので。
violent windsstrong windsと言い換えられてはいますが、この程度なら難なく理解できたと思います。
ちなみに、少し離れて第6段落の最後でも、改めてfierce side-on windsと来ていますね。

設問(8)<難>

 According to the speaker, the “Ever Given” was carrying

 

a) a model dinosaur and an entire adventure golf course.

b) goods worth 75 million dollars.

c) mainly fruits and vegetables.

d) over 20000 containers.

e) thirty replica Eiffel Towers.

【プチ解説】

この設問は選択肢もシンプルですし、選択肢の語句がそのまま言い換えなしで放送されていますから一見して簡単なようにも思えます。
ですが、私は「難」評価をしました。
それは、キーワードの拾い聞きで攻めると、ほぼ全部が放送されているので、大混乱に陥る可能性があるためです。
もっとも、常識的に考えることで選択肢を絞った方もいるとは思うのですが・・

たとえば、

選択肢a)であれば、本文ではIt also held a 10 metre model of a dinosaur nicknamed Dino destined for an adventure golf courseとありますね。
ゴルフコースに設置するための巨大な恐竜人形とあります。
alsoforをしっかり聞き取れていたら、選択肢a)を選ぶことはなかったことでしょう。
そもそも、ゴルフコースを船で運ぶって意味がよくわかりませんよね(笑)

選択肢b)は本文では775と言っているのに、選択肢では75となっています。
数字の聴き取りが不得手な方は早いうちに訓練をしましょう。
後述するPart Cの設問(17)でも改めて申し上げます。

選択肢d)であれば、本文絵は、capable of carrying 20,000 containersと言っています。
あくまで、capable(積載が可能だということです)としか言っていません。

選択肢e)であれば、本文ではheavier than 30 Eiffel Towersと言っています。
エッフェル塔を30個運んでいるとは言っていません。

このように見てみると、難易度「並」としても良さそうなのですが、狭い放送範囲にキーワードがたくさん集中して流れてきてパニックを起こした受験生も多かったそうなので、ここでは一応難易度を「難」としました。
ただ、常識的に考えて選択肢を絞り込むことができた1問だとも言えるかもしれません。

設問(9)<並>

Why does the speaker describe the incident as “a disaster waiting to happen”?

 

a) Climate change has increased the water pressure in the canal.

b) Increasing global trade has put routes like this under stress.

c) It is not the first time that this sort of event has happened.

d) The canal was slowly damaged by excessive traffic.

e) Widened canals make ships hard to control.

【プチ解説】

設問(9)では、a disaster waiting to happenというキーワードを聴き取っておくれとヒントが示されています。
今年のpart Aでは5問中4問が、引用符(“    ■    ”)で放送キーワードが設問文で示されています。
さて、問題についてですが、第5段落でこのキーワードが登場します。
そして、そのすぐ後に、sheer volume of traffic putting global choke-points like the Suez Canal under increasing pressureとあります。
いやらしいことに、選択肢b)では、global choke pointsが「routes」とされ、lie the Suez Canalが「like this」、under increasing pressureがunder pressure絶妙に言い換えられています
もっとも、この程度の言い換えなら気づいて欲しいなという思いはあります。

設問(10)<並>

What does the speaker mention as one of the biggest problems arising from the blockage?

 

a) Although the blockage was fixed, sand in the canal remains a problem.

b) Attempts to solve the issue have caused delays in shipping worldwide.

c) Modern ships are so long that this kind of accident will occur regularly.

d) Shipping companies are now using smaller ships, reducing capacity.

e) The number of containers stuck on ships led to a shortage.

【プチ解説】

それでは、part Aの大トリを飾る設問(10)を見ていくとしましょう。
設問にあるone of the biggest problemsには、引用符(”    “)はついていませんが、最終段落でしっかりと読み上げられています。
そして、そのすぐ後に、caused by the Ever Given was holding up supply of shipping containers, which were already scarce; even now that’s still a pressing issueと来ています。
この部分を踏まえれば、scarceshortageと言い換えられているとは言え、選択肢e)をスムーズに選べたのではないかなと思います。

ただ、今年度は各選択肢のつくりが巧妙化していますので、過去問演習の際、雰囲気だけでふわっと選んで妙な自信を持った受験生にとっては地獄だったかもしれません。
選択肢a)〜選択肢c)あたりは、「常識力」なるものにばかり頼って、きちんと放送内容を聴き取ることを怠ろうものなら、不覚にも選んでしまったかもしれませんね。

 

(補足) 以上でパートAが終わり、次のパートB開始まで60秒があります。
この60秒で、再度パートBの設問文チェックをせねばなりません。
東大リスニング制覇の極意は、「次に意識を向ける・頭を切り替える」なのですから。

【2024東大リスニング 問題B 総論】

まずは、こちらをご覧ください。

2024年度東大リスニングの鬼門は、このパートBでしょう。
放送音源が不明瞭だったため、多くの受験生が激しく動揺したとのこと。
扱われている話題は物流の2024問題を意識したのか地理受験生にとってはメジャーな話題でしたし、頻繁に報道された問題でもありましたから馴染みのあるテーマだったことでしょう。
ですが、パートAに引き続き、設問文のキーワードや選択肢内の語句が本文ではかなり大きく言い換えられており、苦戦した受験生も多かったことでしょう。
特に、設問(12)はpartAの設問(6)に同じく段落の要旨を掴めないと解けない問題でしたから単語の拾い聴き作戦で乗り切ろうとした受験生にはショッキングな問題だったに違いありません。

なお、2024年度入試では、NOT問題(正しくない選択肢を選べ問題)がこのパートBからのみ1問出されました。
この手の問題では、
消去法で解くのも手ですが(2023年度の設問12番解説記事参照)、
一発で仕留めること(2023年度の設問15番解説記事参照)も肝要です。

さて、パートBは、会話文形式でネット通販における無料お急ぎ配達の弊害の話を軸に、物流や地球環境に与える問題点について議論しています。
会話部形式で注意すべきことは、男性と女性が交互に話すパターンなら発話者が明瞭で良いのですが、男性と男性同士の会話で両者の声が似ている場合、「今のは誰の発言?」となる場合があることです。
過去の東大入試や共通テストでもありましたので、なんとなく男性の声と考えるのではなく、声質にも注目し、文脈把握も怠らないようにしてください。

設問に関しては、(11)〜(13)まで3連続で難度の高い設問が来たのち、(14)〜(15)でサービス問題が2連続で登場しました。
前半でよくわからずとも、最後まで諦めずに聞き取り続けたなら、良いことがきっとあることの表れでもあります。
2023年度入試でも同様のことはありましたから、敬天塾の過去問解説記事で分析を深めた方にとっては既視感のある状況だったのではないでしょうか。
難問ではなく、取れる問題を落とさない、これが合格の極意なのです。

【2024東大リスニング 問題B 各論】

設問(11)<難>

According to Adisa, many things can cause a delivery to be missed, but what did she NOT mention?

 

a)  It can take a long time to search for a parking spot.

b) The incorrect product might be picked for delivery.

c) There could be a mistake handling the order.

d) There might be too many cars on the route.

e) The vehicle used to deliver could have an accident.

【プチ解説】

本年度唯一のNOT問題です。
ただ、今年は一味違います。
選択肢群のワードは、いずれも本文の表現を絶妙に言い換えられたものなのです。
なので、キーワード拾い聞きで対処しようとした受験生にとっては、とてつもなく負担の大きい1問となりました。

選択肢a)であれば、本文ではfind a place to parkとなっているところ、search for a parking spotと書き換えられ

選択肢b)であれば、select the right inventoryThe incorrect product might be picked for deliveryとされ

選択肢c)であれば、correct order processingが、a mistake handling the orderと言い換えられ、

選択肢d)であれば、traffic jamstoo many cars on the routeとなっていました。

もっとも、リスニングに長けた人であれば、こんなのは「易問」だと思われたやもしれません。
ただ、短いゾーンの中で選択肢とは異なる表現が次々に流れてくるので、処理が追いつかなかった受験生が相当数いたようにも思われます。
そうした意味で、処理量が多いという意味で「難」と評価しましたが、人によっては「易」だと感じたかもしれません。
また、消去法ではなく、そもそもaccidentsなんて言っていなかったという理由で、一発でe)を選べた人もいたようです。
ですので、とてつもなく難易度評価が難しい問題ではありました。

設問(12)<難>

What is the point of the funnel metaphor?

 

a) A good funnel allows material to pass through slowly.

b) A lack of preparation can cause a system to fail.

c) A sudden increase in deliveries can have a big effect.

d) There are more steps in the delivery process than we think.

e) The road system encourages efficient deliveries.

【プチ解説】

本問はpart Aの設問(6)と同様、段落の要旨をつかめないと解けない問題です。
また、意外に紛らわしい選択肢も隠されており、そうした意味でも難度の高い1問でした。
まず、設問文にあるthe funnel metaphorというカタマリがそのまま登場するわけではありません。
metaphorfunnelは別々の場所で読み上げられます。
funnelについては、注釈で「漏斗(ろうと)」とあります。

ただ、これだけでは良く分からない方が大半だと思います。
Adisa❸のゾーンでは、コメを漏斗に注ぎ込むというたとえをしています。

「たとえ(metaphor)」ということは、本来説明したい何かがあるはずです。
the roadway systemやmore trucks on more routesなどの表現を聞き取れたなら、交通量や物流の話をしているのではないかと推測できたかもしれません。
ただ、選択肢b)のように、ふわっとした理解だと選んでしまいそうな悩ましいものもあります。
ちなみに、a systemでは、何を指しているのかよくわかりませんね。
ちゃんと本文の内容を踏まえてくださいねと東大側は要求しているわけですが、受験生にとってはかなりキツかったと思います。
ちなみに、the funnel metaphorについては、以下のリンク先の図がわかりやすいです。

https://www.derekhuether.com/blog-details/2010/09/13/the-funnel-effect-and-my-kanban

設問(13)<難>

What does Patrick say about technology and transportation?

 

a) Discussions about transportation problems usually turn to technology.

b) Drones are often used to deliver goods.

c) It would be better if delivery could be autonomous.

d) Some people doubt that technology is the only solution.

e) Transportation problems can only be solved by a mixture of technologies.

【プチ解説】

本問の根拠は、Patrick❹にあります。
technology and transportationというカタマリのまま登場するわけではありませんが、近いところで両者に言及されています。
本問を解くヒントは、直後のAdisa❹にもありますが、あくまで問われているのはPatrickが述べていることです。
似通った単語が選択肢群に並んでいますので、焦っていると見間違えてしまうこともあるかもしれません。
Drones(ドローン)やautonomousは両方とも言及されています。
また、解決策になりうることは言及されていますが、選択肢d)やe)のようにonly(唯一)とまでは言っていません。
ちなみに、選択肢e)では、a mixture of technologiesとありますが、本文ではsolutionsとあるはずです。
このような消去法からa)を導くこともできたとは思うのですが、「正解の選択肢は光らない」を具現化したような書き方で、a)を選んで良いのか不安に思った受験生も少なくはないはずです。

設問(14)<易>

What does Patrick warn about ordering a product on the internet?

 

a) A site might offer quick delivery, but that cannot be guaranteed.

b) It is easy to mistake “same day” and “next day” delivery.

c) Sites that offer fast, free delivery usually have hidden costs.

d) Some sites will offer free delivery but actually charge you.

e) Websites often use visual tricks like flashing banners to lure you in.

【プチ解説】

本問も、設問文にあるようなordering a product on the internetがそのまんま放送されることはありませんでした。
patrick❺では、the internetに代わってwebsiteが使われています。
とはいえ、in reality, that free delivery isn’t really freeという表現や、その次の段落(Adisa❺)で、AdisaThere’s always a costと述べていることから、選択肢c)を選ぶことはできたように思えます。
そうした意味で、易問と評価しました。
値段に関しては選択肢d)でも触れられていますが、実は消費者に請求しているという内容は放送ではなされなかったはずです。
また、Some sitesに限定して話しているというのも違和感を覚えますし、無料配送は現在起こっている問題であって、未来形にしているのもおかしな話です。

設問(15)<易>

What does Adisa mention as a cost of cheap, fast delivery?

 

a) Delivery drivers are becoming over-worked.

b) Goods made quickly also break easily.

c) Products are often discarded soon after purchase.

d) The price of deliveries will eventually rise.

e) There is an extra burden on the planet.

【プチ解説】

それでは、Part Bの大トリを飾る設問(15)を見ていくとしましょう。
設問条件より、Adisaの発言内容を聞き取れば良いわけですが、他の設問に同じく、設問文にあるa cost of cheap, fast deliveryがそのまんま放送されるわけではありませんでした。
ただ、本問は放送の最後の方の内容を聞き取れば解ける問題で、かつ、It may be environmental impactsという平易な表現が放送されましたので、スムーズにe)を選択できたように思われます。
そうした意味で、「やや易」と評価してよい問題だと思いました。
設問(11)〜(13)で歯ごたえのある設問が並んでいた時は、どうしよう・・全滅するかもしれない・・と思われた受験生も多かったと思います。
ですが、最後まで諦めなければ、こうしてご褒美のボーナス問題が用意されているのが東大リスニングの特徴でもあります。

 

補足) 以上でパートBが終わり、次のパートC開始まで60秒があります。
このパートBでは音声が不明瞭で心理的に動揺した受験生が多くいました。リスニングを得点源とする受験生ほどショックが大きかったと思います。
ですが切り替えなくてはいけません。
憂いても点数は上がりません。
この60秒で、再度パートCの設問文チェックをせねばならないのです。
東大リスニング制覇の極意は、「次に意識を向ける・頭を切り替える」なのですから。

【2024東大リスニング 問題C 総論】

まずは、こちらをご覧ください。

パートCは、今年度の問題の中では例年のパターンに近い問題のつくりだったように思われます。
講義形式で話が進んでいくスタイルもそうですし、言語の多様性という東大英語の鉄板とも言うべき内容でしたので、過去問探究をしっかり行ってきた受験生にとっては故郷にでも戻ってきたかのような安心感はあったかもしれません(笑)

難易度の面でもこのパートCにはお得な問題が多く散りばめられていました。
パートAとパートBで精神をズタボロにされた受験生にしばしのオアシスを与えてくれてもいます。願わくば、ここで得点率を上げたいところです。
なお、リスニングでうまくいかずとも、決して戦意を喪失してはいけません。
残る45分で45点を稼ぎ出す姿勢が大切です。

上の図のように、東大英語の出題形式は8種類と多く、読解語数も5000wordsを超えています。
それゆえ、1つにこだわりすぎず、取れる問題をどんどん拾っていくくらいの気持ちで臨みましょう。
時間制約が厳しいということは、冷静さを失った場合、リカバリするだけの時間的なゆとりがないということなのです。
頭が真っ白になろうものなら、総崩れすることもあり得ます。
頭がいいから東大に受かるわけではありません。
終始冷静に対処できるから東大に合格できるのです。
ぜひ、合格の呼吸シリーズなど敬天塾の記事を通して、合格者の心構えも学ばれてください。

【2024東大リスニング 問題C 各論】

設問(16)<やや難>

How is Papua New Guinea linguistically diverse, according to the speaker?

 

a) Five percent of the world’s 850 languages are spoken there.

b) It has almost as many spoken languages as India.

c) It has the most languages per person compared to any other country.

d) It has the most languages relative to its small area.

e) More languages are spoken there than the rest of the world combined.

【プチ解説】

「いきなり難問?なにが故郷に帰ったかのような問題だよ。手痛い洗礼じゃないか!」と思われた方もいたでしょう。
このパートCは、パートBよりも明瞭な音源でしたし、扱われている題材も東大英語の中ではわりとメジャーなもので、かつ、易問が最も多く配されている問題であることに変わりはありません。
ただ、この設問(16)だけは、少し頭を使うんです。
まず設問文にあるPapua New Guineaという語が最初に放送されたのち、five percentやらbiological diverstiryやら850 languagesやら様々なワードが流れてきます。
どれも、いずれかの選択肢の中に書かれているものばかりです。
ですので、単語拾い聞きで解こうとした受験生は大混乱に陥ったことでしょう

その一方で、設問文にあるlinguistically diverseに注目した人は、その直後で、both in total and per personと流れていましたから、当てずっぽうで選択肢c)を選べた人はいたかもしれません。
とはいえ、per personってどういうことなんだろうか、選択肢c)ではcompared to any other countryとあるけれど、そんなこと言っていただろうか・・と悩んだ人は一定数いたかもしれません。
しっかりと、the most linguistically diverse place on earthまで聞き取れた方にはサービス問題だったとも言えるかもしれませんが、消去法で解こうとした受験生にはキツイ問題だったかもしれません。
それゆえに「やや難」と評価しました。

設問(17)<易>

 For how many years have Papuan languages been spoken in Papua New Guinea?

 

a) 850

b) 1800

c) 3500

d) 14000

e) 40000

【プチ解説】

こちらは、是が非でも取りたい1問です。
設問文のPapuan languageが初めて登場した直後で40,000という数字はハッキリと出てきますし、少し飛んで第3段落の最後あたりでもWith 40,000 years to evolveという表現が出てきています。
ただ、数字の拾い聞きだけを行なっていた受験生には3500やら850やら1800という数字も出てきますから、混乱したかもしれません。

なお、数量表現については盲点とする受験生も多いので、いくつかポイントを挙げます。

① 年号はどのように読まれるか

 750  seven fifty
1066 ten sixty-six
1492 fourteen ninety-two
1903 nineteen oh three / nineteen three
2008 two thousand and eight
2020 twenty twenty

② 時刻で注意すべき読まれ方

5:45 をfive fourth-fiveと読むのは中1でもわかりますが、a quarter to six (15分が6時に向かっている=6時15分前)

7:01 をa minute past seven (1分が7時ジャストから過ぎ去った) 10:30をhalf past ten (30分が10時ジャストから過ぎ去った)といった言い方もあるので要注意です。

③長文などで時々出てくる単位

1 inch は 約 2.54cm
1 foot=12 inches は約30cm
1 yard は約91cm
1 mile は 約 1.6km (約1600m)
1 pound = 16 ounces は約 0.45kg
1 ounce は 約28g
1 acre は 約 4000㎡
Celsius→https://hugkum.sho.jp/179221

④分数表現

3 one-third
1/5 one-fifth
2/3 two-thirds
4/5 four-fifths
7/10 seven-tenths
1/2 a half / one half
1/4 one- fourth または a quarter ( one quarter)
3/4 three-fourths または three quarters

⑤ その他

人口絡みではbillion、国家予算絡みではtrillionといった巨大な数量を表す単語も出てきますので、貪欲に知識を仕入れましょう!

設問(18)<易>

How did things change after independence from Australia in 1975?

 

a) English was declared one of the official languages.

b) German and English became more widespread.

c) New languages were discovered which are spoken by just a few dozen people.

d) The new independent government promoted linguistic variety.

e) The number of spoken languages dropped below 850.

【プチ解説】

これはサービス問題です。
設問で示されたキーワードと、解答根拠がindependence from Australia in 1975, Papua New Guinea adopted only three official languages, including Englishといった具合に、一気に放送されますので迷うことは少なかったように思えます。
近年の東大リスニングでは選択肢の語数が増加傾向にあります。
設問文もリスニング前に下読みするか否かは人により意見が異なりますが、どのタイミングで読むにせよ、短時間で読んで理解すべきことに変わりはありませんので、読解力の底上げもリスニングの点数アップには必須です。
やはり、速く読んで理解できない人が、速い音声を聴いて理解できるはずはないと言えるのです。

設問(19)<並>

What helps explain linguistic diversity in Papua New Guinea, according to the speaker?

 

a) Frequent interactions between villages.

b) Rich biological diversity.

c) The arrival of new settlers every 1000 years.

d) The difficulty moving from place to place.

e) The influence of linguist William Foley.

【プチ解説】

設問文にあるlinguistic diversityという言葉がそのままの形で登場する段落には解答根拠がありません。
第3段落の冒頭で、so many of these languages surviveという形で巧妙に言い換えられています。
そこに気づけたなら早かったと思いますが、第3段落で、かなり長い文章でパプアニューギニアの自然環境が言語の多様性に寄与したことを説明していましたし、選択肢も本年度のリスニング問題の中では短めな語数でしたから、正答率も高かったと思われます。

設問(20)<やや易>

 Which statement describes “Tok Pisin” in contemporary Papua New Guinea?

 

a) Because “Tok Pisin” is more expressive, other local languages are slowly disappearing.

b) Papuans have found “Tok Pisin” useful, but at the cost of linguistic diversity.

c) The spread of religion has recently boosted the popularity of “Tok Pisin.”

d) “Tok Pisin” is easier to learn because it contains elements of several languages.

e) Traders decided to create “Tok Pisin” to promote European languages.

【プチ解説】

そして、いよいよ最後の設問です。
Tok Pisinを読み上げるよ!、とわざわざ引用符(“    ”)をつけてくださっているので、虎視眈々とキーワードが出てくるのを待つことにします。
すると、第4段落〜第5段落にかけていくつも登場します。
少し長いゾーンが続きますが、最後の方でlinguistic diversityの話は出てきますから、その話に関係している選択肢はa)とb)に絞れそうです。
ただ、simple vocabulary makes it easy to learnの部分を選択肢b)のようにusefulと言い換えて良いのか悩んだ人はいたかもしれません。
それでもアンケートを取った受験生の正答率が高いのは、単にlinguistic diversityという言葉に飛びついたか、消去法で攻めたかのいずれかなのかもしれません。
似たような話で、英語の普及のせいで世界で多くの言語が失われているという話はよく知られているテーマですので、そうした知識に着想を得て、このTok Pisinという言語にも同様のことが言えるのではないかと判断した受験生はいたように思われます。
最終段落あたりの論旨自体は明快ですので、正答率が高かったのかもしれません。
こうしたことから、やや易と評価しました。

【最後に】

日本一(?)詳しく実況中継を書いたつもりですが、学びはありましたでしょうか。
私は受験生の時にリスニングでなかなか点数が取れず毎日毎晩悩んでいました。
リスニングが得意な人や先生達にアドバイスを求めても、「本質が分かっていれば自然と答えがわかる」というなんの役にも立たない助言ばかりで落ち込む毎日でした。

ですが、そこから諦めずに過去問探究や耳トレを進めるなかで、東大はなぜ設問文と選択肢をご丁寧に問題冊子に載せてくれているんだろうかと思い始めたのです。
英語資格試験の中には、設問文や選択肢をも放送で行い問題冊子には何も書かれていないこともあります。
これは、東大側からのメッセージなのではないかと思い始めたのです。
そもそも、大学が過去問を公開しているのは、受験対策のために「うまく活用してくれ」という想いが込められているからだと私は考えています。
単に解いて、何問正解した、何点だったといった情報はどうでもよく、現時点で解けない問題や時間内に解き終わらない科目をマスターするために何をすべきかを考えるヒントを過去問に求めるべきなのです。

一度出されたことのある問題は二度と出されないからやる価値はないと言う人がいますが、それは過去問の意義を捉えられていないのです。
過去問こそ、最強かつ最高のバイブルだということを強くお伝えし、本稿を終えたいと思います。
ぜひ、敬天塾の過去問解析講座で合格力を上げていってください。
皆様の東京大学合格を心からお祈り申し上げます。

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