2018年夏 河合 東大オープン 理系数学 第1問の解説

では、今日からは、先週行われた河合の東大オープンの理系の問題の解説に入りましょう。
いつも通り、問題から。

所見の感想、どうでしょうか?
xとyの関数が与えられていて、x+y=tとおき、最大値を求めよと。

これは、文字変数を減らす工夫の問題ですね。

変数を減らす方法
もともとの問題はxとyの2変数関数です。
しかし、上手い変形をすることにより、変数の数が減らせて、問題の設定が簡単になることがあります。

例えば、過去に東大でも、同趣旨の問題が出題されています。

<1995年 文理共通問題>

この過去問題は、xかyで両辺を割って、x/yかy/xを新たな文字tで置くと、変数が2つから1つに減って、見通しが良くなる問題です。(次数が同じ式ということで、同次式といいます。)

今回の河合塾の問題は、これをさらに応用させた問題。
x+yと、xyが混在するのですが、x+y=tとおき、xyの最大値をtで表すと、式全体からxとyが消滅し、tだけが残る。
すなわち、tの関数として考えられるというものです。
詳しくは、最後に載せてある手書きの解答をご覧くださいませ。

(1)和と積といえば?
では、具体的に問題の解説に入りましょう。
自然対数の底eの指数にx+yが見えて、これをtとおくのは誰でもわかります。
問題は、logの方。
logx+logyは、このまま計算するとxとyの積が登場してしまいます。
しかしtはxとyの和。
こういう場合どうするでしょうか?

ヒントとなるのは、「最大値を求めよ」というもの。

和と積と最大値、ときて連想したいのは相加相乗平均の関係。
相加平均は、2つの数字を足して2で割ったもの、相乗平均は2つの数字を駆けて平方根を取ります。
要するに、和と積が登場する不等式。

だから和と積と最大(最小)と来たら反応しなければなりません。

別解多数

しかし、この問題。
あまりに基本問題すぎて、別解が多数存在します

例えば、数Ⅰの2次関数の範囲では、y=t-xと変形し、xy=x(t-x)をして、2次関数に持ち込む方法が紹介されています。
また、yを固定し、xだけを変数と見て微分し、グラフを書いても出来る。

と、別解が多数なので、せめて3パターンくらいは、頭に入れておきたいところです。

いずれにしても、xyの最大値を求めると、(1)は終了。
問題文にはいろいろ書いてありますが、結局は基本の最大最小問題にすぎず、難易度は控えめです。

1変数になったので、素直に微分

では、続いて(2)
とは言っても、(1)を終えた時点で、tだけの1変数関数になってますから、tで微分すればよいだけの話。
普通の微分の問題を解けばOk。
2回微分する必要はありますが、特に難しいところはなく、最後までいけるでしょう。

強いて言えば、t=2で最大をとるのを見破るのが難しいでしょうか。
式の形を見ながら、「あ、2を代入すれば、いけるんじゃないか?」と気づかなきゃいけないわけで、方程式を解くと出てくる値ではありません。

ということで、この問題の解説は以上。
東大模試とはいっても、微積分は難易度が低めの問題が紛れていることが多いので、ねらい目です。

これは、東大合格を狙うならば、満点を取りたい問題。
誘導に乗ってたら解けちゃった、という人も、変数の減らし方など幅を広げて復習をしましょう。

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