2004年東大文系数学(第4問)・理系(第6問)入試問題の解答(答案例)・解説(対称性、偶奇、確率漸化式)
2004年確率の問題の解説
理系はこちら
(1)は全く同じ。 (2)は、文理で少し違います。 文理で求める色の並び方が少し違います。 そして、文系は奇数番だけの確率を求める問題、理系は偶奇の指定がありません。 だとしても、大きな違いはありません。設定もほとんど同じ。いつも通り、文系にはヒントが少し多め、理系は難易度が少し高めという違い程度です。
2012年とほとんど同じ問題
では、解説ですが、ぜひとも昨日の記事(2012年の問題)と見比べながらご覧くださいませ。 2012年の問題のポイントは ①対称性で複数の状態をまとめる ②偶奇で場合を分ける ③遷移図を描いて確率漸化式を立てる の3つでした。 これが全て登場するのが、今回の2004年の問題です。これは、もはや類題と言って良いレベル。非常に似ています。 一つずつ検証していきましょう。
対称性で複数の状態を一つにまとめる
まず面倒なので、白をW、黒をBと表記させてください。(WhiteとBlackです) そして操作によって、8つの状態に分かれます。 ①WWW ②BWW ③WBW ④WWB ⑤BBW ⑥BWB ⑦WBB ⑧BBB この8つです。 8つの状態があると考えると、8つの種類の遷移図と漸化式を立てることになるのですが、8つの漸化式は解く気になりません。 そこで、今回のポイント 「対称性を利用して複数の状態を一つにまとめる」を使います。(くどいですが、2012年と同様) よく考えると、 ②③④は、W2つ、B1つという点で同じ ⑤⑥⑦は、W1つ、B2つという点で同じです。 ということで、これで4つの状態にまでまとめられました。 A:「WWW」 B:「BWW」「WBW」「WWB」 C:「BBW」「BWB」「WBB」 D:「BBB」
偶奇の場合に分けて考える
次に、2つ目のポイント、「偶奇の場合に分けて考える」を使います。 先ほどわけたABCDの4つの状態のうち、 AとCは偶数回の操作後 BとDは奇数回の操作後 に発生する状態です。 文系の(2)の問題は、奇数回の操作後にBになる確率を求めればよいという問題ですから、 BとDの間で遷移図や漸化式を立てればよいことになります。
遷移図を描いて確率漸化式を立てる
最後に三つ目のポイントです。 確率漸化式の定番、遷移図を描く問題です。 先程、BとDにおいての関係性が見えましたので、この画像のように計算してください。
2003年東大数学 文系第4問 理系第6問 別解_000028もし、偶奇の関係性が見えなくても、ABCDの遷移図を描いて、4本の確率漸化式を立てても大丈夫です。
2003年東大数学 文系第4問 理系第6問 遷移図_000029
では、手書きの解答の全体をどうぞ。
2004年東大数学 文系第4問 理系第6問 その1_0000302004年東大数学 文系第4問 理系第6問 その2_000031
※別解として、樹形図などの方法も載せてあります。
まとめ
2012年の問題と同様に3つのポイント ①対称性で複数の状態をまとめる ②偶奇で場合を分ける ③遷移図を描いて確率漸化式を立てる がドハマりする問題だったのがお分かりでしょうか。 このタイプの問題が、東大確率の王道であり、最も汎用性の高い問題パターンです。 なんと、明日もほとんど類題と言える問題をアップします。 東大に受かりたければ、このパターンは必ず押さえるべきでしょう。 では、明日もお楽しみに。
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