【読解をしよう!⑪】区切る勉強から脱却して、まとめる勉強へ移行しよう!
さて、久しぶりの読解シリーズ。
前回のこちらの記事の続きから行きましょう。
文章構造の4レベル
前回のおさらいです。
文章構造には4レベルあります。
レベル1:文字(letter)が組み合わさって、単語(word)になる
レベル2:単語(word)が組み合わさって、文(sentence)になる
レベル3:文(sentence)が組み合わさって、段落(paragraph)になる
レベル4:段落(paragraph)が組み合わさって、文章(article)になる
前回はレベル1の話をしました。
簡単に言えば、「単語帳でやっておけ」の世界。要するに、暗記を強要される部分です。
その割に、覚え方も教えてもらえないし、どうなったら仕事が完成かもわからない。別に単語テストで点数が取れても、長文中で使えるとは限りませんからね。
ま、詳しくは前回をご覧くださいませ。
英語の授業=レベル2
では、今日はレベル2の話です。
単語と単語を繋げると文が出来るのですが、実は皆さんが受けている英語の授業って、ほとんど全部、このレベルの解説だって気付きました?
文法問題なんて、まさにこの話ですよね。
SVOとか、SVOCのルールは、単語の並べ方の話です。
この文章では、that が省略できるけど、こっちの文章の時には省略できないとか。要するに文章中のルールをひたすら覚えていることになります。
なんのこっちゃない、これだけの話です。
単語一つ一つの意味をひたすら覚えて、単語と単語の組み合わせでどういう意味になるのか覚えれば、英語の勉強は終わりです。
と言っても、その並べ方のルールを把握して、処理する力を身に付けるのが大変なんですけどね。
ほとんどの受験生は、このレベルを身に付け終わる前に大学受験を迎えてしまい、レベル3はほとんど身に付けられない。
だから、先生になっても中々教えられないし、そして教えられない受験生が再生産される・・・。というサイクルになっています。
組み合わせでマルッと覚えるようにしよう!
では、このレベルの習得のポイントは何かというと、
単語と単語の組み合わせのパターンを覚える
しかし、英語に触れて言うと、次第に read the book というフレーズが何度も登場します。
そして、次第に read と the と book を区切らずに、「read the book」を丸ごと一つだと思って、意味が取れるようになっているはずです(無意識でこのレベルに来ていると思います。)
ピコ太郎が「I have a pen.」と歌っていましたが、ほとんどの日本人が「I have a pen.」を、
Iとhaveとaとpenに区切って意味を理解していないと思います。
I have a pen. くらいだったら、丸ごと意味が取れる人が多いはず。
これが、英文が読めるようになったということであって、英語の勉強そのものでもあります。
区切らなければ分からなかったものが、丸ごと一つに見えてきて意味が取れるようになる、のを目指してください。
ポイントは、
次第に出来るようになるのではなく、意図的に狙って勉強することです。スピードが何倍も違います。
熟語は大事!
単語と単語の組み合わせを、区切らずに丸ごと分かるようになるのがポイントなので、必然的に熟語の暗記が大切だということになります。
熟語の暗記は大切ですか?と質問されることがありますが、答えはYes!
というか、熟語が分からなければ、全て単語を一つ一つに区切って覚えていかなければなりませんから、非効率ですし読むスピードも上がらない。
例えるなら、全ての単語の知識が「熟語化」されるのが目標です。
それに、ナンでもカンでも、単語に区切れば良いわけではありません。
区切ると意味がわからないものがたくさんあるからです。というか、熟語帳に載ってるものってそういうのばっかり。
take はとると言う意味で、place は場所という意味ですが、take place で「発生する、起こる」という意味です。
想像で補うには、意味がかけ離れすぎていますから、やはり「take place」で一語として覚えた方が良い。
ということで、丸ごと一つと見なして、頭に放り込む方が「使える英語」になります。
使い方と一緒に覚える
これも受験業界で良く言われることですが、単語は使い方を覚えなければいけません。
これも上で書いた、「くっつけて覚える」話と一緒です。
例えば、be interested in ~の in は、なぜinなのか。
文法的な説明をすると、分野を表すinの使い方があって、
Please speak in Japanese.
などの、言語の前に付くinと同じだそうです。
と、理由を教えてもらえば納得しますが、限られた試験時間の中でイチイチ思い出す時間はないですし、覚えていればなんの疑問も持たず意味が取れます。
ということで、やはり覚えてしまうのが最強なわけです。
同じように、provide が出てきたら、ちょっと先の方のwith やfor を探さなければいけないですし、If を見たら、カンマと助動詞の過去形を探すわけです。
他の単語と組み合わせて文章が出来ているので、当然の発想です。
古文“熟語”を覚えよう!
上では英語の話をしましたが、古文では異常なことです。
なぜなら、古文単語帳は売ってますが、古文熟語帳は売っていないからです。
売ってないから、先生も教える発想にならないし、生徒も覚える発想にならない、というのが実情のような気がしますが。
古文の勉強は、単語を覚えて、文法を勉強すれば読解だ、という流れで進むのが一般的なようですが、古文単語の勉強でも、「熟語を覚えよう」と意識してみると語彙力がさらにアップします。
中には、古文単語帳の中に熟語コーナーが設けてあるものもありますが、古文でもやっとそういう教材が登場したかと嬉しくなりました。
古文で、他の単語(というか、文字?)と対応させて覚えるものと言えば、係り結びが代表例でしょう。