センター数学の時間短縮の7箇条!
目次
センター数学で、時間を短縮する方法!
昨日の続きです。
昨日は、そもそもの時間の使い方の話。
解ける問題だからといって、すぐに飛びついてはいけない!という話でした。
今日は、具体的に時間を短縮する話です。
下の図をご覧ください。
これは、僕が2年くらい前に、東大受験にチャレンジしていた頃のものです。
1月に入り、センター試験直前。
Z会出版のセンターパックを解いたものですね。
時間短縮のポイントをいくつか解説します。
①図は適当に!
見てお分かりの通り、この問題は数学Ⅰの三角比の問題です。
しかし、面白いのは問題の設定。
三角形の辺の長さが、始めに与えられていません。
ということで、僕は問題用紙の上の方に、適当に図を描いています。
図を丁寧に描いた方が良いのは当たり前。
しかし、丁寧に何度も書き直して数分もロスしてしまうのは、無駄でしかありません。
図を丁寧に描くのは、解ける確率を上げるためですから、
「適当に描いて、解けなくなったら丁寧に描きなおす」ので良いでしょう。
必ず丁寧に描けば良いというわけではありません。
②図は曲線から描き、点や直線は後回し
図をキレイに書くコツは、曲線から描くことです。
3点を通る円を描くと、ひん曲がった円になってしまいますが、円を描いた後に3点を取るのは簡単です。
接線を引いてから、せっする放物線を描くよりも、放物線を描いてから直線を引く方が簡単です。
問題文を読むと、直線のあとに曲線が登場しているような場合でも、曲線を先に書き、後で点や直線を描いた方がキレイになります。
①で「図は適当に」と書きましたが、別に汚くて良いと言っているわけではありません。
時間も短くして、ある程度妥当な図を描くことがポイントです。
ちなみに、僕の答案を見ても分かる通り、あとで円を何度か書き直してますね。
後で曲線を描くのは難しいわけです。
また、解けているから良いのですが、解けなくなったら別の場所に図を描きなおすでしょうね。
解けているうちは、それよりキレイな図を描く必要はありません。
③計算スペースと、保存スペースを分ける
センター数学では、計算量が多くなり、紙が真っ黒になるまで計算式が残ってしまうこともしばしば。
どこに何を書いたか、分からなくなってしまいます。
ちょっと脱線しますが、人生80年のうち、かなりの割合が「何かを探している時間」だそうです。
睡眠、食事、仕事などの時間が多くなるのは予想出来ますが、「探し物」の時間が多いとは意外な結果。
しかし考えてみれば、仕事中も「探し物」の時間は多いものです。
「あのファイルどこにいったっけな?」
「あの書類どこだっけ?」
と、ハマると数時間抜け出せなくなります。
勉強中でも、教科書や参考書を探す時間が結構多いはず。
また、忘れかけている知識を、頭の中から探し出す時間も結構多いと思います。
センター数学でも同様。
ABの長さはいくつだっけ?
anの一般項は、どこに書いたっけ?
など、探し出すのに手間がかかるのは、非常に時間がもったいない。
ということで、私は個人的に「問題用紙の上数cmは、保存用スペース」と決めています。
上の数cmには、計算は一切行わない。
その代わり、誘導に乗りながら求めた値を、まとめて書いておく「閲覧用」のスペースにしています。
逆に、それ以外の部分は計算用。
ある程度ゴチャゴチャしても気にしない。ドンドン計算します。
これで、無駄な「探し物」の時間が短縮できます。
④途中式を省く
これは、微妙な力加減が必要なので、注意!
僕の答案を見て下さい。
途中式がたくさん省略されているのが、お判りでしょうか?
三角関数の公式、正弦定理、余弦定理、面積公式などを、途中で使っているのですが、いきなり数値を代入して記述しています。
学校では「途中式をちゃんと書きなさい」と指導されると思いますが、実はレベルの低い指導です。
ほとんどの生徒が、途中式をちゃんと書かずに、ミスを連発するから、1対多の授業ではどうしても「途中式をちゃんと書きなさい」となります。
しかし、ミスなく計算出来るようになったら、次は時間短縮の訓練をするのがポイントです。
その際、途中式を書きすぎないのが、一つの手段になります。
当然、ミスを誘発する危険性があるので、注意力とのバランスが大事なのですが、ミスせずスピーディに計算出来る方法を身に付けると良いでしょう。
⑤楽な計算方法は、ドンドン使う
公式とは何でしょうか?
①問題が登場
②考える
③答えが出る
の3STEPがあったとしたら、②をすっ飛ばして、考えずにいきなり答えを出すものが「公式」です。
だから、当然使えるようにしておいて困る事はない。
三角比の単元だと、ヘロンの公式が有名です。
しかし、計算が遅い生徒ほど、新しい公式を覚えるのを嫌がるような気がします。
確かにたくさん覚えるのは大変ですが、早く正確に計算出来るので、出来れば覚えたい所。
こんど発売される本にも書いたのですが、今までの方法にしがみついて、新しい方法に手を出せない人は二流です。
常に、過去の自分を超える努力をしましょう。
⑥書くスピードはゆっくりで良い
時間を短縮しようとすると、文字を書くスピードを上げる生徒がいますが、これは大体失敗します。
文字を早くかくと、字が汚くなります。
また、焦ります。
人間の心理というのは面白いもので、心と体は表裏一体です。
悲しくなる(心)と、涙が出る(体)ように、心が体を決定することがありますが、逆もあり得るのです。
楽しそうな動きをしている人は、心も楽しくなる。
悲しそうな動きをしている人は、心も悲しくなる。
心が弱っていると、病気しやすくなる。
病は気から、というのは本当の用です。
文字を焦って書くと、心も焦ります。焦るとミスが増えます。
だから、出来ればいつもと同じスピードで解くほうが良いでしょう。
⑦手を止める時間をゼロにする
では、ゆっくり書く代わりに削れる時間は何かというと、考える時間です。
昨日の記事でも書きましたが、センター試験では「時間をかけずに解ける問題」を優先するのが最大のポイントです。
時間をかけて解ける問題は罠。
つまり、手を止めて「どうやって解くんだろう」と考える時間を、ゼロにするということです。
だから、センター試験では、ずっと手が動きつづけているはずです。
手を止めて考える時間は、なるべく取らない。
手を動かし続けている限り、文字をゆっくり書いていても、かなり時間短縮されるでしょう。
以上、センター数学の時間短縮の7箇条でした。
簡単なポイントばかりですが、効果的なものばかり。
ぜひ、試してみて下さい。
そして、さらに計算スピードを上げたい方は、来週木曜発売の拙著の第4章でも、書いています。
計算スピードを上げるための基礎を、しっかり書いていますので、どうぞご覧くださいませ。
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