★(マル秘)東大受験をするうえで、知っておきたい視点~採点基準~

マークの対策と、記述・論述対策は別物

東大文系受験を志す者なら、「東大入試は記述・論述問題ばかりだ」という点を出発点にしてください。

選択科目によって若干のブレはあるものの、英語の1b、3a~c、4a、5の一部が選択式(マーク式)の問題で、あとは択一式の問題はほとんどありません。およその計算で、英語の配点でいうと約半分、2次試験の配点の8割以上が記述式、論述式です。

私立大学の入試は、採点の「コスパ」が大事なので、マーク式ばかりなので、東大入試とは全く違います。
「どうせ、勉強することは同じでしょ」と思っている方は、今すぐ考えを改めることをおすすめします。

マーク式と記述・論述式は、別物です。例えるなら、野球と水泳。
スポーツという点では共通しますが、トレーニングメニューから、使う筋肉まで、何から何まで違います。
同様に、マーク式の試験対策と、記述・論述の試験対策も、異なるトレーニングメニューが必要です。私大対策ばかりして東大に落ちるというのは容易にわかりますが、逆に、東大対策ばかりして私大が全部落ちるということもアルアルです。偏差値だけでは測りえない世界が、そこにあります。

では、マークと記述・論述試験において、最も違う点である「採点基準」について、考察していきましょう。

最も大切なのは採点基準

マークの採点は簡単です。言っちゃ悪いですが、機械でできます。
しかし、記述・論述試験の採点基準は、機械では困難です。字が汚くても読み取らなければなりませんし、文章全体の骨格(主語・述語の対応が正しいか、など)、因果関係や並列関係が適切かなどは、人間の「手作業」でなくてはできません。

人間の手作業で行うとなると、どうしても「コスパ」を重視することになります。例えば、秘【個別の有料記事】「東大入試の国語」と「東大模試の国語」の記事でも紹介しましたが、東大模試は「ビジネス」にならざるを得ません。

しかし、東大入試は違います。
ビジネスだという観点がゼロではないと思いますが、それを上回る「プライド」があります。日本のトップ大学であるというプライドが、採算を度外視した「質」を担保しているのです。
東大入試私が以前、ある東大教授に話を伺ったところ、「東大は入試にものすごいプライドを持っている」とおっしゃっていました。
そのせいもあり、単純な加点方式なんかで採点をしないのでしょう。

では、東大ではどのような採点基準を行っているか、ですが、ブラックボックスの中です。

東大は模範解答や採点基準を公表していない

この原因の1つは、東大が模範解答や採点基準を公表していないということです。だから、一般の人は誰も東大の採点基準をしらないのです。

ここ数年、大学に模範解答を公表しろという風潮ができて、大学によっては公表したのですが、東大は公表しませんでした。平成31年3月ころに、文科省に言われてお役所の作文みたいな資料が公開されましたが、具体的な情報はあまりなかったと言えます。
(これは、今は非公開のようです)

東大としては、採点基準を公開すると、その採点に合わせた「悪い意味の受験対策」が横行してしまうことを懸念しているようです。受験は学問の入り口ではあるかもしれませんが、学問ではないということなのでしょうか。

いずれにしろ、単純な思考で取り組んではいけないのでしょう。

日本史の採点基準に注目せよ!

ちなみに、日本史だけは少しサービスしてくれました。
他科目と比べて具体的に問題の内容に触れる記述が多かったのです。残念ながら、現在は非公開なのですが、概要だけ書きましょう。

第4問です。

問題を要約すると、「サンフランシスコ講和条約の発効直後の機械工業の状況は、どのような事情で生じたのか?」というもの。 サンフランシスコ講和条約の発効は1952年ですから、その頃の経済で最も大きい影響を与えたのは普通に考えて「朝鮮戦争」です。

しかし「出題の意図」では「重点に置き方によっては朝鮮戦争に触れない解答もありえる」と明記されています。

これは、採点基準は1つではないし、重点の置き方は人それぞれ変えてよいということを言ってますから、一般的な採点基準より柔軟に対応していることが分かります。少なくとも、画一的な加点方式ではありません。

他科目でも同じかどうかは分かりませんが、可能性としては大きいと考えられるでしょう。

令和の「出題の意図」

その後、令和になっても東大が「出題の意図」を毎年発表するようになりました。
毎年、全科目の内容を見ていますが、初年度と比べて採点基準を垣間見れるような内容も出てきました。

これも、過去のものは非公開なのですが、直前の入試のものは見られるようですので、気になる方は東大のHPへ急ぎ探しに行き、ダウンロードしておくと良いでしょう。

なお、垣間見れるようになったとは言え、明るみに出たとは到底言えないようなレベルです。しかし、徐々に東大の採点基準が単純ではないぞ、ということが広まってきているように思います。

東大の採点基準はトップシークレット

さらに、先生側の事情もあります。

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