都会の高校生はずるい!!【地方出身東大生の受験日記・その1】

天才じゃないと東大に受からない!?

高校3年生の春。
青春時代の思い出の1コマは、進路指導室で起こりました。

僕が通っていたのは、とある岡山県の公立高校。電車は1時間に3本。学校から最寄り駅までは田んぼと住宅の間を自転車で15分ほど。
僕の所属するテニス部は運動部でも最大級の人数がいましたが、東大に行った先輩はいません。
アクセスも悪い、実績も少ない。
そんな中でも、もしかしたら自分も東大に行けるのではないかと、期待に胸を膨らませ東大を目指して頑張る僕に向かって、進路指導の先生が言いました。

「東大に行くんなら、何年も浪人せんとダメじゃ。あそこに行けるのは本当の天才ばっかりじゃ。志望校はもう少し考えてから決めたほうがええ。」

えっ…これから東大を目指して勉強する学生になんでそんな夢を壊すようなこと言うの…!?
東大に行くというのはごく一部の天才だけで、最初から浪人覚悟でないと受からない、だからお前には無理だ!

そう言われたように感じました。

天才じゃない東大生もたくさんいる

皆さんは「東大生」と聞くとどのような印象を持ちますか?
超がつくほどの天才?勉強できるヤバい人たち?
テレビなどで東大生を特集した番組でも、東大生は生まれながらの天才で一般人とは格が違う、東大に入るのはそんな天才たちだけ、といった描写をされることが多く、そのようなイメージを持つ人も多いと思います。

地方の高校でもこうしたイメージは深く定着しています。毎年自分たちの高校から輩出される東大生は数えるほどしかいないため、「東大に行く先輩=神」のような扱いを受けます。

確かに僕は東大に入ってから、いわゆる「天才」と呼ばれるような友達がたくさんできました。
入試でほぼ最高点に近い点数を取り、大学でも恐ろしく高い評定平均点を稼いでいる友達もいる。
英語はもちろん、中国語やフランス語など複数の言語を使いこなす友達もいる。
そんなに勉強している素振りを見せないのにテストで高得点を取る友達もいる。
自分がどれだけ頑張って勉強しても多分この人には追いつけないだろうな、と思える人がたくさんいる環境であることは間違いありません。

ただ、東大にいる人みんながみんなそうなのでしょうか?
東大に通っていると、「こいつなんで東大に入れたんだ?」って思えるような人が意外と結構います。
なんなら自分で「なんで俺が東大に入れたんか分からん」みたいなことを言っている人もいます。「自分より成績よかった友達が落ちたけど、自分は最低点と1点差くらいでギリギリ入れた」とのこと。
東大生がみんな頭いい天才ばかりなわけではなく、「なんか東大に入れた」みたいな人も意外といるのです

地方と都会の圧倒的な差

ではなぜうちの高校の進路指導の先生は冒頭のようなことを僕に言ってきたのでしょう?
答えは単純です。
地方の高校には「情報」がないからです。
先ほどのようなことは僕が東大に入っていろんな人と話す中で知ることが出来たことであって、受験期の僕はこんなこと知る由もありませんでした。

こうした情報をどうやって手に入れるか。
もっとも手っ取り早い方法は、実際に東大に通っている先輩に話を聞くことでしょう。

毎年多数の東大合格者を輩出する開成高校は、学年の約4人に1人が現役で東大に合格しています。麻布や桜蔭といった「御三家」と呼ばれる進学校でも、5~10人に1人は東大へ行きます。
同じ部活などで仲の良い先輩の中に、たくさん東大に合格する人がいるわけです。こんな環境なら、先輩に大学の様子や受験期のことも聞きやすい。受験に向けて様々な情報を手に入れられます。
進学校でなくても、都心部にはたくさんの有名な塾・予備校などがたくさんあります。中には現役東大生がスタッフとして生徒に接するところも多く、たくさんの情報を得られます。

実際に僕が東大に入ってから出来た友達にも、「先輩や塾のチューターの東大生から、受験の情報をもらっていた」という人は結構います。進学校や有名塾などに通う人にとってこれは当たり前のことといって差し支えないでしょう。

こうした現状に対して、僕が抱く感情はただ一つです。

「ずるい!!!!!!!!!!!」

東大受験を専門とする超有名塾に「鉄緑会」という塾があります。
本部は東京都ですが、大阪と京都にも校舎があります。
東京、大阪、京都です。岡山にはありません。

東大実戦模試を作成する駿台予備校。
東大オープン模試を作成する河合塾。
どちらも東大受験生を多く輩出する有名な予備校、塾です。
全国に多くの校舎があります。
中国地方では、広島にしか校舎がありません。
岡山にはありません。

東大についての情報を先輩や塾のチューターから聞く、そんな都会の人々には当たり前にできることが、我々岡山の田舎高校生には難しいのです。

地方には「情報」がない!

僕の通っていた高校はそんな岡山の中でも特に田舎な地域にあります。
東大合格の実績も少ないので、東大合格のノウハウもありません。
毎年何人かは東大合格者を輩出していますが、開成が4人に1人なのに比べれば、僕の代は60人に1人。比べ物にもなりません。
どの参考書を使えば良いのか、どうやって勉強すれば良いのか。河合塾と駿台と東進、どれを信用すれば良いのか。
東京ならすぐにわかることでも、田舎ではわからないので、手探りで勉強するしかないのです。
インターネットで情報が手に入るようになったとはいっても、重要で信頼できる情報は、まだまだ田舎では手に入れられないのです。

突然現れる、謎の人

そんな僕は、高校の時に出場した弁論大会でとある人物と出会います。
東大を目指していることを告げた僕に彼はこう言いました。

「ああ、余裕余裕!情報さえ正しく集めて望めば東大なんて余裕だよ!」

この人、うちの先生と真逆のこと言ってる…!?
彼の真意とは?そして地方民の僕はどうなるのか?

次回へ続く…

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