東大生は冠模試をどう使う?【地方出身東大生の受験日記・その5】

A判定とったことなくても受かる!

僕の友達の東大生のOくんは、非常に頭がよく、入試でも合格者平均点を余裕で超える点数を取っています。
そんなOくんがある日、僕に衝撃的な事実を教えてくれました。

「実は僕、東大冠模試でA判定とったことないんだよね…」

前回の受験日記その4では、冠模試以外の模試について取り上げましたが、今回はいよいよ東大の冠模試の活用法について紹介したいと思います!

そもそも冠模試とは、ある特定の大学の名を冠した模試のことを指します。東大の場合は河合塾の東大オープン模試、駿台予備校の東大実戦模試などが代表的ですね。
こうした模試は、前回紹介したような模試とは異なり、実際の入試と同様の出題形式の問題が出されます。
冠模試の受験者は、実際にその大学を受験する人がほとんどなので、順位や偏差値も他の模試に比べると信頼度が高いとされています。

めんどくさ〜い!地方高校と冠模試

そんな冠模試ですが、僕の通っていた地方高校では、オープン模試と実戦模試をそれぞれ夏と秋に1回ずつ、計4回受験しました。
会場は当然高校の教室
僕の学年の東大志望者は文理合わせて8人のみだったので、全員1つの教室で受験します。

受験結果は、高校の先生から一人一人手渡しされます。
ただ渡すだけなら別に良いのですが…地方高校は結果を渡すだけでは終わりません。
前回の受験日記を読んでいただいた方ならお分かりですね。

そう、地方高校で模試の結果が返ってきたら面談が行われます

僕の学校では結果の紙が渡されると同時に、「反省用紙」なるものが渡されます。
模試を受けた感触や全体結果に対する反省点を書くだけでなく、一つ一つの科目についての反省点や、結果を受けてこれからどういう風に勉強していくかということまで細かくこの反省用紙に書くよう指示されます。
これがまあめんどくさい
この反省用紙は、面談の時に先生に見せるものなので、適当に書いていると怒られてしまいます
これを書くだけでものすごい時間がかかってしまいます。

そして面談ですが、まず担任の先生と冠模試の結果について話します。

先生「今回は数学があんまり出来てないね。反省用紙には数学の過去問を解くって書いてるけど、もっと具体的に書けないかな?いつまでに何年分解くとか…」

先生「あと国語も良くないね…。第4問の点数がほとんど取れてないね。あ、でも世界史は出来ているからこの調子でがんばるように。」

このように、成績表を見たら分かるようなことしか言われません…
それだけではなく、次に進路指導の先生にも同じような話をされます。
これもまた厄介です。

先生「今回はB判定か…ちょっと気が緩んでるんじゃないか?東大に現役で受かろうと思うんだったらA判定は取れるようにしておかないと。それか、これくらいの学力があるんだったら東大じゃなくても旧帝大で余裕で受かるようなところに変えた方がいいんじゃないか?」

こんな感じの話を延々とされます。
判定が少しでも悪かったら、すぐに志望校のレベルを落とさせようとしてきます

面談は個人面談だけではありません。
三者面談の時にも模試の成績を親に見せて延々と話してきます。

うちの高校の先生方はとにかく、冠模試をものすごーーーーく重視していたのです。

高校の面談や反省用紙記入は、僕にとってかなり負担でした。
そこで僕はある日、平井先生に相談してみました。
すると、平井先生はこう言いました。

「いやいや、冠模試なんて、参考程度で大丈夫だよ!」

ま、また高校の先生と真逆のこと言ってる…!!

冠模試は参考程度でいい!?

なぜ冠模試をそこまで重く捉える必要がないと言えるのでしょうか?
そこには2つ理由があります。
1つは、冠模試であっても、実際の入試とは異なる点がかなりあるからです。
例えば日本史。
実際の入試の日本史では要約力が重視される傾向にありますが、冠模試では知識の方が重視されます
日本史のような科目では、出された問題に対してどれだけ多くキーワードを書けたかを見る方が採点しやすいためです。
そのため、自分の覚えきれていない知識を確認するのには冠模試はもってこいですが、実際の入試の点数とは必ずしも対応しないのです。

また、当然のことながら冠模試の採点官と、東大入試の採点官は異なります。
2019年度の入試から、東大側から一部の入試問題の出題意図や、回答(世界史の第3問など)の公開が行われるようになったものの、具体的な採点基準は明かされていません。
特に国語や世界史の大論述といった、答えが1通りに定まらないものに関しては、何が正解なのかは東大の教授たちにしか分かりません。
だから冠模試の点数が悪くても、一概に自分の実力不足とは言い切れないのです。
(もちろん、実力不足の場合も結構ありますが…)

そしてもう1つの理由は、僕が入学してからわかったことですが、冒頭で紹介したOくんのように、冠模試の判定が悪かったけど東大に合格している人が結構いるからです。
東大に入ってから友達と話をすると、「最高でもC判定しかとったことない!」みたいな人が意外といます。
むしろ僕の周りでは、オープンも実戦も全部A判定だった、という人の方が少数派です。
冠模試で判定が悪くても、合格する可能性は十分にあるし、実際に合格している人は結構いるんです。
結果が悪くとも諦めず、自分と自分の戦略を信じて勉強を続けることが重要なのです。

東大合格のための冠模試活用法!

では最後に、冠模試の活用法について紹介します!
冠模試を研究するポイントは2つ。

①採点基準は当てにしない!
②でも、解けなかった問題は実力アップのために徹底的に復習すること!

それでは、各教科をどうやって復習すればよいのでしょうか?
僕の場合は、国語と英語に関しては、間違えた部分を解答・解説を見ながら確認しました。
冠模試の解答・解説には古文や漢文、英語などの細かい文法事項が書いてあるので、それらを全て覚えるようにしていました。
また、数学に関しては、正誤に関わらず問題を全て改めて解き直すようにしていました。
数学の勉強法についてはいずれまた別の回でも紹介する予定ですが、問題の解き方をしっかり復習して覚えることが、数学の力を上げるポイントです。
そして、日本史世界史は、解答・解説に書いてあるポイントをチェックし、自分でも検討した上で、減点された問題についてはもう一度解答を書いてみるようにしていました。
書くべきポイントを押さえた上で改めて回答を作ってみることが、歴史系科目の上達につながります。

このように、自分なりに反省点を見つけて復習していけば、「わざわざ反省用紙に書いてそれを先生に見せて面談」、というプロセスは必要ないんですよね…
高校の先生はよかれと思ってやっているのでしょうが、それが受験生の貴重な時間を削ってしまっているのです。

この、「先生は良かれと思っていることが生徒の時間を削っている」というのが実は地方高校あるあるだったりします。
次回の受験日記ではこの「地方高校生あるある」をもっと紹介していきたいと思います!

次回へ続く…


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)