「進学振り分け」って何だ?現役東大生が解説します!【地方出身東大生の受験日記・特別編】

9月も後半を迎え、大学生の夏休みも終わりを迎えようとしています。
そんな中、9月16日に、東京大学の二年生は人生の分岐点を迎えました

そう、進学振り分けです。

僕自身、進学振り分けをようやく終え、なんとか自分の志望している学科に配属されることが決まりました!
東大生としての一大イベントが終わり、ホッとしています。

というわけで、今回の地方出身東大生の受験日記は番外編
東京大学に特有の制度「進学振り分け」について解説していきます!

進学振り分けって何?

進学振り分け、通称「進振り」は、大学二年生の夏に行われます。
簡単に説明すると、「どの学部・学科に配属されるかを決めるイベント」です。

そもそも東大は、受験するときに「学部」単位での受験を行なっていません。
入試では、文科一・二・三類、理科一・二・三類のどこに入るかが決まります。

そして、2年生の夏に、自分の入りたい学部の志望を提出します。

全員の志望が提出されたのち、「成績の良い人から順番に」、各学部の枠が埋められていきます
これが進学振り分けです。

この進学振り分け、人によっては「東大入試よりも断然キツい」という人もいます。
それもそのはず。
成績順で志望が通る進学振り分けでは、当然ながら、「東大に入ってからの成績」が悪ければ、志望通りの学部に進学できない可能性があるからです。

「進振り」は東大入試より断然キツい!

進学振り分けで基準とされるのは、入学してから、2年生の前期までに取得した授業の「平均点」です。
進振りで成功したい東大生たちは、できるだけ高い平均点が取れるように、入学してからもずっと高得点を狙って勉強します。

ここでは詳しく解説しませんが、東大には「優3割規定」というものがあり、「優」すなわち80点以上の点数を取れる人数は、その授業の受講者全体の3割のみ、と定められている授業がほとんどです。

つまり、どれだけ良い点をとっても、他の人も良い点であったら、相対的に低い点になる可能性があるということです。
高得点を狙うためには、その授業をとっている人の上位3割に入らなければならないのです。

当然ながら、東大の授業を受けているのはみんな東大生。
日本一難しい東大入試に合格した人々です。

その頭がいい人たちの中で、上位3割の成績をとるというのは、正直、東大受験よりも圧倒的に難しいのです。

進振りって何のためにあるの?

「なんでわざわざ進振りするの?」

「最初から学部単位で受験させれば良くない?」

こう思う人も多いでしょう。
実際、東大生の中にもこういう考えの人はいます。笑

ですが、個人的には、この「進振り」という制度があるおかげで、自分たちの進路を自信を持って選択することができると思っています。

東大では、入学してから進振りまでの1年と半年の間、必修科目以外は自分の好きな授業を履修することができます

理系でも文系の授業を履修できるし、文系でも理系の授業を履修できます

僕も実際、文系ですが、農学部や医学部の教授の授業を履修したりしていました。

東大以外の大学は、受験を経験する高校生の段階で進路が決まります。

しかし、東大では、受験を終えた後も、大学で様々な分野の授業を受けた段階で、改めて進路を決めることができます。

「自分は文系として東大に入ったけど、実際に東大で理系の授業を受けてみたら、やっぱり自分は理系の勉強をしたいと思ったので、理系の学部に進もう!」

というようなことができるのが、進振りの強みです。

実際に僕の友達にも、文科三類から工学部に内定した人や、理科二類から経済学部に内定した人がいます

しっかり考えた上で自分の将来を決められるのが、進振りの良い点ですね。
(もちろんしっかり考えている人ばかりではないのも事実ですが…)

進振りはどうやって行われるの?

進振りには、第一段階から第三段階まであります。
ほとんどの人は第二段階までに進学先が決定します。

今年の場合、第一段階は8/31、第二段階は9/16に発表がありました。

第一段階では、志望する学科1つだけを志望し、提出します。
科類ごとに定数が決まっており、成績が良い順に枠が埋まっていきます。

第一段階で枠内に入れなかった人は、第二段階に回されます。
第二段階では、志望する学科を複数選択して、志望順に並べて提出します。
これもまた成績順に枠が埋まり、学科に振り分けられます。
第一段階に比べ第二段階では枠数がかなり少なくなっているため、慎重に順位を付けて選択する必要があります。

第二段階でも入れなかった場合は、第三段階に移行し、枠が空いている学科に志望を出して振り分けられる、という感じになります。

こうして「内定」をもらった東大生たちは、二年生の後期にその学科の授業を受け、単位をきちんととることができれば、晴れてその学部・学科に配属されることになるのです!

いかがでしたか?
東大に入る前は、僕もなんとなくしか知らなかった進振りですが、いざ当事者になってみると、そのシステムやメリットがよく分かりました。

今後も、機会があれば、受験期の話だけでなく東大の内部の話もしていきたいと思っているので、ぜひともまた見てもらえると嬉しいです!

次回へ続く…

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