東大英語2016年第1問 東大史上最高難度!?

こんにちは!敬天塾スタッフXです!
今回の記事では、弊塾の英語授業において取り扱った、東大英語2016年第一問の解説やポイントについてまとめていきます。

2016年第一問の要約は、その年の多くの受験生を絶望させました。
東大英語の要約史上、最も難しかった問題だと言えるでしょう。
弊塾のO先生は「東大が本気出してきた!!!」と語っておられました。

ちなみに僕が2016年第一問の文章をざっと読んだ感想としては、
「え、これ結局何を言おうとしてるの?」でした。
話のテーマ自体がわかりにくいものである上に、途中で新しい概念がどんどん出てきて、途中からもう何度も何が書いてあるのかが追えなくなりかけました。

基本的に弊塾では、要約問題には最大でも13分くらいしかかけないようにしよう、と教えています。
しかしながら、2016年の問題は、じっくり読んでみてもどこを書けばいいのかがわかりそうでよくわからず、完璧に解こうとすれば13分をゆうに超えてしまいます

要約問題は東大の英語の中でも1番最初に出てくる問題です
「最初は要約から手をつける」という人も多く、要約がうまく解けるかどうかはその後の大問にも大きく影響します。
その大事な大事な一問目でここまでの難問を出されると、パニックになって後の問題が普段通り解けない…なんてことにもなりかねません。

今後自分が受験した時に、これくらいの難度の問題が出ても焦らず対応できるようにしておく、という意味で、2016年の第一問はしっかり研究しておくべき問題と言えます。

それでは早速、弊塾の生徒同士のディスカッションで出た意見をもとに、2016年第一問を解くポイントを考えていきましょう!

答案にどこまで盛り込むべき?

2016年第一問の難しいポイントは、「筆者が本当に伝えたい部分はどこか?」「どこまで言及するのか?」の判断です。

第一段落の最初に“imagined family”(仮想家族)という概念が紹介され、パッと見た感じだと「この概念が文全体のキーワードになるのかな?」と思ってしまいます。

読み進めていくと、二段落目ではさらに”imagined family”の話がなされています。さらに、”equal status”や“a strong bond among them”のように、”family”だけではなく”community”の話にも言及した上で、別の観点のワードが散りばめられています。

そして、第三段落では、先ほどまでとは一転、キーワードかと思われていた“imagined family”という単語が出てこず、代わりに“in-group”, “out-group”という新たな概念が現れます。そして主語が“human communities”や”people”となり、人類の歴史にも言及し始めます。

キーワードらしき単語が全ての段落で出てくるにもかかわらず、最終的な結論自体は第三段落(最終段落)の内容がほとんどです。
ですが、「最終段落の内容を中心に回答を作る!」という方針を立てたとしても、回答は100~120字
最終段落の内容をギュッとまとめてもせいぜい50~60字くらいなので、第一二段落の内容についても当然入れなくてはなりません。
そのため、他の段落についてどこまで言及すべきか?の判断が非常に難しくなっています。

今回の授業では、以下の3点を中心に議論を進めていきました。
それがこちら。

①第2段落冒頭で言及されている「平等」については答案に盛り込むべきか。盛り込む盛り込まないを、どのような判断則に基づいて考察したか

②第3段落で述べられている生存確率を上げる内容については答案に盛り込むべきか。盛り込む盛り込まないを、どのような判断則に基づいて考察したか

③第1段落について、親族間の言語や感情の共有があって、社会は発展したのか、それともその逆か。はたまた、明確に因果性を言及しない方が得策か。

皆さんもこの点について考えてみてください!

「平等」の概念について触れるべき?

さあ、まずは①について。
「平等」という概念、第一段落から読んでいると「突然出てきた」という感じが強いですよね。
それまで「仮想家族」について述べていたのに、第二段落に入って、「仮想家族」についての話題は続いているのに同時に話題転換されているような感じです。
論理展開においては、唐突に出てきたこの概念を説明するのも難しそうですし、その説明に割く文字数を考えても、正直あまり触れる必要性はないのかな、という意見が多く出ました。

「仮想家族」が「生存確率を上げる」という要素は必要?

次に、②について。
「生存確率を上げる」という内容自体は確かに第三段落の中で触れられていますが、これはどう考えるべきでしょう?

これに関しては、「文章全体を通した筆者の主張をもとに考えてみるべきではないか」という意見が出ました。
文章を通して、筆者はどちらかというとこの「仮想家族」という概念に反対しています。
現に最終段落の後半で、人類の歴史を紐解けば、「仮想家族」は排他的意識の要因になり、戦争などを引き起こすとまで言っています。

この筆者の主張から判断すると、「生存確率の上昇」は、マイナスであると主張したい「仮想家族」のメリットともとれる部分なので、筆者が特に主張したい部分とは異なるのではないか?ということが予想できます。

社会の発展と親族間の共有の因果関係は?

最後に、③について。
第一段落では、確かに親族間の言語や感情の共有と、社会の発展との因果関係がいまいちはっきりと書かれていません
そのため、「これに触れるかどうか」そして「因果関係がどうなっているのか」という点ははっきりさせておきたいような気もします。

生徒の意見で挙げられたのは、「よく分からないのだからわざわざ触れる必要はないのではないか?」というものでした。

この文章を要約しようとした時、軸になるのは間違いなく第三段落の内容です。
第一段落であやふやになっている部分にあえて切り込むのであれば、第三段落の要素を正しく把握して組み込んだほうが点数にはなりそうですよね。
ただ読むだけでさえかなり体力を使う問題ですから、英語という科目全体の配分を考えた時に、この内容に神経質になりすぎず、時間を短縮することの方が重要そうです。

おまけ:「範疇」って本番で書ける?

今回の答案では、文章中のsocial categoriesという表現を「社会的範疇」と訳してくれているものがいくつか見受けられました。
確かにcategoryは「範疇」と訳せますが…

「範疇」って、本番の答案で手書きで書けますか??

2018年の回答でも、「誤謬」という単語を使ってくれているものがありましたが、これも漢字でミスなく手書きで書けますか??

漢字ミスは意外と厳しく採点されると言われています。自信がない場合は、例えば「範疇」ではなく「分野」など、より自身のある回答が書けるように心がけましょう。

まとめ

この問題は、正直東大の第一問史上最難関レベルの問題です。
あまりうまく答えが出せなくても落ち込むことはありませんが、いざ自分が受験する際にこのレベルの問題が出ても対処できるようにしておくことは重要です。

とはいえ、「自分は英語が圧倒的に得意なんだ!」という人以外は、実際の入試ではこの大問に時間をかけすぎるのではなく、とりあえず第三段落の内容を中心にざっとまとめて、他の大問に時間を割くというのも戦略ですね。

要約について、しっかり授業で学びたい方は、こちらをご覧ください。
オープン授業【東大英語第1問A 英文要約】

オープン授業【東大英語第1問A 英文要約】

 

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