2021年東大入試 大総括!(全体の総括)
コロナ禍中、初の共通テストなど初めて尽くしだった東大入試でしたが、実際のところどうだったのでしょうか?
敬天塾独自の視点から総括しました。
目次
1-1 出願者総数激減! 文科二類 足切りなし!
まずは足切りに関して。
これまでも度々足切りがありませんでしたが、今年は1つだけ。文科二類だけ足切りがありませんでした。
しかし、内実は過去と全く違う様相。例えば、以下の点が考えられます。
①総出願数が減少!
総出願数が去年と比べ、文系では166人減少、理系では146人増加、全体では20人の減少しました。
しかし、そもそも去年が過年度の中でブッチギリの少ない出願数でしたから、今年の少なさはかなり目立ちます。
ここ10年程で最も多かった2012年と比べると、受験者が1割以上も減少しています。
受験者数減少が、足切りラインの低下につながっているのではないでしょうか。
②地元志向の受験生増。
出願数減少の一因として、緊急事態宣言の出ている東京を避ける受験生が多かったというものがあるようです。東京の大学を受験すると非難されることを恐れる地方の子も一定数いるとのことです。
③ 浪人回避の傾向が強い!
不安心理からか、一橋大学や北海道大学や千葉大学などに流れた受験生も多かったようです。
ネットの情報を調べまくって、足切りをとにかく避けようと考えると、自然に東大を避けたくなるかもしれません。
1-2 国語・数学で新傾向!英語・地歴が易化!
①古文漢文の難化。第4問では新傾向が出題
古文漢文がやや難しい問題が出題され、第4問では例年にない解釈問題が出題されました。(くわしくは後述)。
私(平井)も大きな衝撃を受けました。受験生にかなりの動揺が走ったと考えられます。
②数学では完答が難しい問題が多かった
数学では部分点が取りやすいものの、完答が難しい問題が多く出題されました。通過領域では新傾向の解法を求める問題が出題され、高得点を狙う受験生には厳しい問題だったと言えるでしょう。
一方で、部分点狙いの受験生にとっては有利に働いたと思われます。
③ 一方で、2日目の地歴は易化!!
過去問研究をしてきた受験生に大きなアドバンテージがあったでしょう。
④英語も全体的に易化
さらに2日目には英語まで易化!特に物語文と和訳と英作文は簡単でした。要約と正誤問題で時間をかけすぎないことが合格ポイントです。
⑤1日目を何とか耐えて、2日目で飛躍できると合格
結果として、1日目の国語と数学では足を引っ張らない程度に耐え忍び、2日目に落ち着いて力を発揮できる受験生が合格することと思います。
一方で、1日目が出来なかったと思い込み、精神的に崩れてしまった受験生は厳しい結果が待っているかもしれません。
こういうことを考えると、受験指導には精神的な訓練も取り入れるべきだと、改めて思います。
1-3 コロナ禍での学習遅れに配慮か!? 東大・京大・阪大など主要大学で地歴が易化! 浪人生は地歴で現役生に差をつけられない可能性?
①世界史、日本史、地理いずれも過去問に類似した問題が出た!
今年は、コロナウイルスにより日程が1つ多く設置されたので、東大側も入試問題を1つ多く作成する必要に迫られました。そこで過去問から問題のインスピレーションを得たくなるだろうという予想をしていましたが、見事的中!
特に、地歴で過去問に類似した問題が多く出題され、研究をしてきた人には容易なセットであったといえるでしょう。
②地歴の易化は、現役生への配慮か!?
一般的に、浪人生と現役生で差がつきやすいと言われている地歴が易化しました。これは、コロナウイルスにより指導要領の過程を十分に学習出来なかった現役生にやや有利にしようとしたのかもしれません。
③論述力が重要!
知識面で差がつきづらいのであれば、日本語力・論述力勝負となったのではないでしょうか。添削指導を受けた受験生が例年以上に有利だと考えられます!!