日本史5月②1998、2001、2007、2014、2019、2020年

こんにちは、スタッフBです

1998、2001、2007、2014、2019、2020年の第1問を解いて、互いの答案を検討しました。 とある生徒の答案、それに対するコメント、問題全体へのコメントをまとめました。 

 

2019年

A

行事の作法や貴族の慣習に明るく、事務処理に優れていること。

文末が気になる。事務処理はどの時代でもいえることではないか。

 

B

上級貴族は、地位によって定められた行事の責任者を務めたが、高位であっても作法を誤れば侮蔑されるほど先例は重要視された。権力者は重要事項を日記に記して後世に伝えることで、子孫が円滑な政務を行い、権威を保持できるよう取り計らった。

「地位によって定められた行事の責任者」は読みづらい。日記は子孫だけでなく自分にも必要である。

皇室や貴族は前年と同じことをするのが重要だった。先例を大事にする時代。

2020

A

紙の供給が不十分な中で公的文書に使用された木簡は、習字の練習に再利用され、手本には当時の教養であった儒教や漢詩が用いられた。

主語で「官人」を示すべき。「再利用」はとても良い。

木簡が用いられたことまで書く必要があるのか、という意見があった。

『千字文』と『論語』は書物の名前なので、二重カギカッコを必ずつけること。つけないのは、履歴書の写真欄にプリクラを貼るくらいの行い。

 

B

遣唐使が文化的資料を持ち帰ったことや文書で法典や公的文書を記録するようになったことで書の重要性は増大し、天皇家の中国書への傾倒もあって書は発展していった。国内での書の浸透、習熟は漢字や儒教を共有する東アジア文化圏形成に寄与した。

冒頭に「律令国家」と書くべき。

人民まで伝わったわけではないので貨幣経済のように「浸透」とするのではなく「拡大」くらいが良い。

「中国書への傾倒」はもう少し深く書くべきではないか。

 

2007

政府は、現物納と並行して銭納を認め穀や布の公定価格を決定、蓄銭叙位令を施行するなどして役人を中心に銭を普及させた。また、中央の役所では積極的に銭を決済に用い、地方での銭の流通も企図した。8世紀末、政府支出の増大によって銭が必要となったが、地方では豪族の蓄財や決済対応の遅れにより流通が阻害されていたため強制的に徴収して、政府事業の資金とした。

8世紀末に急に銭が必要となったり豪族が蓄財したりしたわけではないので、「8世紀末」は最後の「政府事業の資金とした」の前に記すと良い(素晴らしい指摘だとお思います)。

資料⑶の内容がない。

「役人を中心に銭を普及させた」のところ、役人に限定して良いのか。

「運客」とは何か。人のことなのか、義務のことなのか。複数の教科書を確認したところ、どちらの記述もある。

この時期、貨幣量が足りていないのでデフレである。

 

2014

A

天皇の決済を前提として、有力氏族出身の公卿によって審議された。

1行問題ならこのような答案でも良いが。

「決済」ではなく「決裁」の誤り。

 

B

摂関が権力を強める中にあっても、太政官の構成員である公卿は審議を行い、叙位や任官にも積極的に関与した。また、陣定では公卿の中でも下位の者から順に意見する形式を取り、審議された外交や地方行政などの重要事項は摂関や天皇へ奏上され、決裁を受けた。

蔵人頭に触れたい。

 

1998

A

奈良時代は地方の有力豪族層が郡司に、平安時代後期は開発領主層が郡司や郷司に任命され、在庁官人と呼ばれた。

 

B

奈良時代は地方豪族としての力を背景に、律令に規定された地方官として戸籍作成や徴税を行い中央集権的地方支配を支えた。平安時代後期には荘園・公領制の成立を背景に徴税請負人と化した国司により設置され、公領に関する行政実務を担った。

後半の文章に主語がない。

「公領に関する行政実務を担った」はもっと具体的にすべき。

性格の違いを書くべき。深く理解していないと書けない。

この問題のように細かいことを問われることを認識して、普段の勉学に活かすべき。

性格としては、奈良時代はルールを踏襲、平安時代は私的であることを書くと良い。

 

2001

奈良時代の調は、計帳を用いて戸単位で賦課される人頭税で国司や郡司が徴収を担った。平安時代になると調は土地税へと変化し、名を単位に田堵に賦課された。徴税請負人と化した国司は恣意的に税率を決定、質の問われない定額納入を利用して一部を横領し、代替物を納付した。

「質の問われない定額納入」が何を表現しているのかわかりづらい。

「質の問われない定額納入」はパワーワードで良い。

「土地税へと変化」は良い。

奈良時代に運脚が行われたことは書くべきである。

藤原元命の悪どさに関する問題。

徴税権はとても重要な権力。本来は他者に与えたくないが、平安時代は国司にその権限を与えた。

 

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