2021年東大地理(第三問)入試問題の研究

2021年東大地理第三問 A世界における女性と労働/B日本における女性と労働

講評

設問A

設問A 難易度 やや難

(1)は非常に簡単ですが、(2)のイスラエルの問題や(3)のフィリピンの問題はやや答えづらいかなという印象を持ちました。
イスラエルの女性の労働力率が高い理由なんかは、恐らく受験生が知識として知っているということはまずないでしょう。しかし、持っている知識から類推して答えさせる問題ということで、東大らしい問題です。
予備校の答案でも答えが割れているようなので、検討した方が良さそうです。

設問B 

設問B 難易度 やや易(地方生にはやや難?)

東大の好きな労働人口と労働従事者の割合の問題。このテーマは必ず学んだ方が良いでしょう。
(2)は日本全体の話題ですが、(3)と(4)は都心部の問題。東大では東京の受験生が有利になるような問題が、たびたび出題されます。
一方で、地方が有利な問題も出るのですが、割合としては都心が有利な印象。受験生は(今年は難しかったとおもいますが、)一度東京の街並みをみておくと良いのではないかと、思っています。

(4)の高度成長期以降の人口移動の問題もたびたび見る印象。過去問のタッチと少し違いますが、参考になる問題でした。

当日解いた所感

難易度 やや簡単

テーマ設定が、女性の労働率についてということで、ちょっとびっくりしました。

いつか出るんじゃないかとは思っていましたが(小問では何回か出題されたことはあります)、ここまでガッツリ出してくるとは。

一方で、世間での関心が高まっている女性の労働格差問題を、このような形で取り上げるのは、いかにも東大らしいとも言えます。

設問Aと設問Bで、世界全体の話か、日本の話かが分かれています。


設問Aで取り上げられたのは、女性についての話題では超定番で出てくるスウェーデンと、トルコと日本。このテーマについては、北欧はあらかじめしっかりおさえておきましょう。

私的には、イスラエルの問題が面白かったですねー。
「イスラエルが周辺国より女性の労働率が高いのはなぜなのか?」というものなんですが、これは、文化的にも宗教的にも、非常に考察しがいのあるいい問題だと思います。

お時間ある方は、ぜひ考えてみてください!

設問Bは、日本国内の女性の業種割合について。

農林水産業やサービス業での割合の増減の理由などが問われていました。
また、高度経済成長期の合計特殊出生率の増減なども、出題されています。

女性についての話題を切り口にしながらも、日本社会全体に触れるような大局的な問題だったと思いますね。

再現答案と得点開示を分析して気づいたこと

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