2022年(令和4年)東大地理を当日解いたので、所感を書いてみた。

敬天塾の塾長と講師が東大の二次試験当日(2022年の2月25日・26日)に入試問題を解いて、所感を記した記事です。他の科目については、こちらのページにリンクがございます。

【科目全体の所感】

総合難易度 やや難

去年から少し難化したと評価します。
昨年と比べると、記述量が増加、提示資料も非常に多く、選択問題や単語解答は減少しています。

問題傾向としては、「どこかで見たことのある典型問題」が減り、地理的な思考を求める問題が増加している印象で、いわゆる暗記だけの勉強や、答案例を読むだけ(考えない)の勉強が通用しないようになっています。

出題されたアメリカ地誌(2016第1問・2012第1問・2007第3問・2002第1問・1992第1問・1985第3問)、並びに南米地誌(2006第1問・1993第2問・1985第3問・1983第1問)が出題されたことは、改めて過去問研究の重要性を痛感させられます。

また、近年の東大は時事的な話題もよく取り上げるようになってきていますので、テーマが古い市販の地理問題集だけでは太刀打ちできなくなってきています。買い惜しまずに最新のものを入手することをオススメします。

第一問 

難易度 A:やや難 B:やや易

設問Aは、いま真っ只中の感染症にちなんだテーマ。
非常にコロナを意識した問題といえるでしょう。

人獣共通感染症がどういう地域で増えやすいか考察する問題ですが、考察させる分野も人の移動から地球温暖化の話まで多岐にわたります。非常に東大らしい問題です。
一つの問題に対して、多くの面から考察する力が求められていることがわかります。

感染症の問題の典型として、人の移動の増加や、食べ物としての家畜の流通増加、人と動物の接触増加のポイントは押さえておきたいところ。

 

設問Bのテーマは、水運でした。

18世紀後半から19世紀半ばと、20世紀後半の比較。
前者は、江戸時代からパクス・ブリタニカあたりの時代と、現代の水運の航路と航行量を比較させています。
水運と言ったら、漁獲量や特産物を覚えるというような単純な勉強が通じず、持っているすべての知識を組み合わせて解く問題になっています。
⑵の、水運経路が変わった背景を答えさせる問題は、世界史選択の人が有利だったのではないかな、と思います。

第二問

難易度 A:やや易 B:難

第2問は全体を通して地誌がテーマでした。

設問Aで南北アメリカ、設問Bでブラジルを取り上げています。

Aの南北アメリカは、よく出る典型的な地誌問題。
Bはブラジルの問題にあまり触れていなかった人にとっては難しかったのではないかな、と思います。特に、⑵のGDPについての問題は、自然環境、自由貿易、農業などのキーワードから経済発展について考察する、といういかにも東大らしい多方面からの考察が求められました。

一方、⑷は巨大都市が抱えるインフォーマルセクター等の典型問題が出題。

やはり、自分のとれる問題を見極めて得点をとっていく対策が必要です。細かいところまで勉強していた人と、していなかった人の差が出る問題でした。

第三問

難易度 A:標準 B:やや難

設問Aは、地形図の問題。
しかし例年地形図で出るような、「扇状地」「三角州」などの自然や地形の問題というより、人間社会による地図の変化をテーマにした出題でした。
等高線を眺めるとすぐわかるような問題ではなく、細かいところまで読み込み、思考力を働かせることを求めていると思います。スマートシティや高齢化社会など、内容的にはよくある内容も出題されています。

設問Bは、果樹の生産量の問題でした。

⑵で「東京都がブルーベリー収穫量第1位の理由」が聞かれていますが、まさに地理的な思考を問う問題と言えるでしょう。日本の特産物の順位を答える問題は、中学受験の経験者は有利でしょう。

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