2022年東大数学 文系第1問の解説

2022年東大数学 文系第1問の解説

2022(1)文数 問題 入力

円と放物線が登場!

2021年に(私に)衝撃を与えた、円と3次関数の組み合わせでしたが、今年は円と放物線が登場しました。
円と他曲線が絡むと、難易度がアップすることが多いのですが、これも例外ではなく難しい問題です。

普通、関数というとy=f(x)の形で表現されますよね(陽関数と言います)。
一方、円はx^2+y^2=1などのように表現されるため、陽関数でありません。f(x、y)=0の形で表現される陰関数といいます。(やろうと思えば陽関数で表現できますが、普通しません)

この2つを連立しようとすると、次数が上がったり、対称性が絡んだりして、どのように交わっているか(接しているか)が分かりづらくなります。また、円は接線を用いる解法や、ともすれば円周角の定理を用いる解法など、関数分野の解法にとどまらず、図形分野の解法に発展する可能性も含んでおり、これまた方針を検討するのが難しくなります。

さらに言うと、(2)では1つの放物線に対して、2つの円が接します。しかもその2円は円と放物線を連立したときの2解に対応して登場します。これも珍しい設定と言えると思います。

さらに、やってみると計算が結構激しいというオマケ付き。受験生の得点は極めて低かったことでしょう。

(1)一見よくある問題だが・・・

(1)は「bをaで表し」と「aの値はすべての実数をとりうることを示せ」の2つに分かれます。

このうち、前半は簡単♪
というか、この年の問題は難しすぎて、この(1)くらいしかまともに点数がなかった人も多かったと思われます
放物線Cが原点で垂直に交わる接線を持つという条件を求めると、自然にbとaの関係式が出てきて終わり。

ただし、求める方法が2通りあります。
1つは原点を通る直線の傾きをmとして計算を進める方法(解法1)。もう1つは、放物線上の接点をtとおく方法(解法2)です。
まあ、結論から言うと、どちらの方針でも解けるし、計算量もそれほど差がないのでどちらでも良いのですが、初見で解くときにはどちらにしようか迷うもの。とりあえず「エイヤッ」で選んで、そのまま進むしかないものの、もしかしたらもう片方の解法の方が良かったかなという気持ちのまま解くことになり、不気味です。

後半の「aの値はすべての実数をとりうることを示せ」は、難しくはないけど、問われ方に戸惑う人もいるでしょう。文系の受験生だと、命題や条件の言葉の定義を十分に知らない人ばかりだと思うので、もっとわかりやすく整理して問題文に書いてくれないとわからないかもしれません。

解説すると、接線が2本存在する条件を求めると、b>0。これを用いて、問われていることを書きなおしましょう。

b=(a^2+1)/4 に対して、全ての実数aでb>0となることを示せ。

くらいまで書けばわかるでしょうか。

bはaに2次関数です。よってグラフを描けば一目瞭然。つまるところ、グラフ書けば終わりなんですが、ここまで条件を言い換えられるかが難しいところでした。

ということで、前半も後半もどこかでよく見る問題ではあるものの、ちょっとずつヒネリが効いているので、得点率は低かったことと思います。

では、1度手書きの解説をご覧ください。

2022(1)文数 解説

(2)円と放物線が接する条件を、さあどう攻める!?

(1)で、解法1と解法2のどちらを選ぶかで、細かい計算方法は分岐します。(大きな方針は同じ)

まず、図を描いて、状況を整理するのですが、それだけでも結構面倒。(意外と、ココで躓いた人も多いのでは?)
1つの放物線に対して、軸の左側と右側で別の円が接していて、どちらの円の中心も軸上にあるとのこと。これ、正確に書けたらすごいです。曲線の円を描くと大変なので、中心と接点を結んでおけば十分でしょう。

さて、ここからが問題。

円と放物線が接している条件をどう立式するかです。

連立して判別式0

一番簡単に思いつくのは、連立して判別式0でしょうか。(手書きの解説の解法6)
放物線の式は与えられているので、円の方程式を立てて連立することになります。円の中心が軸を通るので、中心のy座標と半径を自分でおくことになりますが、このまま連立すると、yとrとkが出てきて、始め計算していて混乱してしまいました。

普通は「円と放物線が接する!」でおしまいのところ、今回は接するような円が2つあるということで、解が2個出てくるはずです。
しかし、円は対称性があるため、xの解とyの解の個数がズレてしまいます。この辺りを正確に把握しようとしているうちに、よくわからなくなってしまったのですが、この気持ち誰かに届きますか?

手書きの解説では、解法6のところに整理して書いてあるので、よくご覧くださいませ。

他の方針は何がある?

さて、このように代数的(方程式を利用して)解くのに困ったら、図形的に攻めてみましょう。

この問題は、直角がたくさん出てきます。
(1)でも接線が直交しましたし、円が放物線に接するので、中心を結ぶ線分と接線は直交します。つまり、直行条件をうまく利用すれば解けるのではないか。

ここで、直行条件を思い出しましょう。
①(傾き)×(傾き)=ー1
②ベクトルの内積0
③法線ベクトル
④ax+by=nと、cx+dy=mが直交する条件は、ac+bd=0

の3つが代表例。
馴染みがあるのは上の2つかもしれませんね。2つ出れば上出来ですが、4つともも把握しておきましょう。

この「①傾きの積がー1」を使ったものを、解法3-2と解法4-2
「③法線ベクトル」を使ったものを解放5に書いておいたので、ご覧ください。

そして、今度はさらに図形的に攻めます。つまり、相似の利用です。
直交がたくさん登場することに加え、半径の比が1:2。これは、相似と相性が良さそうです。

ということで、相似を使った解法は、3-1と4-1に書いてあります。

通し番号の付け方を間違えてしまったので、ひたすら読みづらいですが、ごめんなさい。

では、方針が建ったところで、手書きの解説をご覧ください。

2022(1)文数 解説

まとめ

方針が立ったとしても、どの三角形で相似にするか、どこの傾きで立式するかなど、まだまだハードルが高く、1つ1つの判断力が問われる難問でした。

解説は書き上げましたが、これもかなり大変でした。
計算が少なく、簡潔に答えがでる解法を探るのに、あれこれ計算して試しましたが、結局どれもこれも面倒な計算。しかし、条件を整理して丁寧に計算すると答えが出るという、絶妙な難易度設定に脱帽です。

東大はどうして、複雑そうな設定の問題を出題しながら、入試としてちょうど良いくらいの計算量や難易度に落ち着かせられるのでしょうか。本当にすごいと思います。

合格水準に達するなら、恐らく10点取れれば十分すぎるくらい。5点しかなくても合格した人は多数だったと思います。

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