2022年東大文系数学(第4問)入試問題の解答(答案例)・解説

2022年 東京大学 数学 文系第4問

2022(4)文数 問題 入力

複雑な設定

こんなん問題文を読み解くだけで疲れる!
理解してしまえばシンプルな設定なんですが、理解するまで苦労します。

超簡単に説明しましょう。
「コインで裏が出たらくるっと120度回転させる。表が出たら長さ1だけ直進する。」
これだけです。僕は、頭の中で、ミニカーをクルクル回転させたり、直進させたりするイメージでとらえました。たったこれだけのことなんですが、数学で表現すると、問題文のように複雑になってしまいます。(憎し)
※問題文をそのまま読み取ると、表が出た時に裏の回数を読み取って直進するように書いてありますが、裏が出ても別にどこにも移動しないので、裏が出た時点で120度回転させておいてもOKです。

これだけ簡潔に理解できれば、だいぶ簡単なんですが、ここまでが難しい。
しかも、これを説明するのには、(1)を解きながら具体的にコインの出方によって実験するしかないというのが苦しいところ。

どうでしょうか?ご理解いただけましたでしょうか?

(1)実験しよう!

要約すると、5回コインを投げて、ミニカーが原点に戻ってくればよいです。

ということは、全部裏が出ることで、原点でクルクルするだけの場合か、「表裏表裏表」と出て、0度方向、120度方向、240度方向に1回ずつ進むかの2択です。

それぞれ計算して和を取ればOK。設定が理解できれば簡単です。

なお、(1)は複雑な問題文を簡潔に理解して、移動の仕方を捉えるために、実験させる設問です。問題文の意味が分からなければ、コインを頭の中で投げてみてどういう動きをするか考えてみるしかありません!

(2)突然の重複組み合わせに気づけるか?

本丸の(2)。
90回表、8回裏を出し、ミニカーが原点に戻って来る確率を求めよとな。
裏が8回だから、クルクル120度回転させる回数も8回です。ということは、回転方向でいうと、2回転半くらいですね。

裏と裏の間に表が挟まって直進するため、何回目の裏と裏の間に表があるかを数えなければなりません。
イメージ図でいうと、こんな感じ。(〇が表で、×が裏)

A1とA2とA3が0度方向に進む場所で、B1とB2とB3が120度方向、C1とC2とC3が240度方向に進む場所です。

裏(×)の場所はある程度移動しても良いのですが、大事なのはA1とA2とA3の合計数。
原点に戻って来なければならないので、0度方向と120度方向と240度方向に、それぞれ30回ずつ直進しなければなりません。
ということは、A1とA2とA3の場所にある表の合計数が30個。同様に、Bの場所もCの場所も合計30個ずつです。

こいつを重複組み合わせで計算して終わりです。

2022(4)文数 解説

まとめ

この問題の難しいところは、まずは設定を解釈、理解するところ。複雑なので何度も実験して確かめましょう。
そして、98個の順列です。〇と×がこんなにたくさん登場する場合の数は、初めてだった方も多いことでしょう。重複組み合わせが突然登場するところも不慣れかもしれません。

よ~~~く、ゆ~~くり試せば理解できるのでしょうが、シンプルに捉えるまで時間がかかるし、難問でした。良いところ(1)だけ解いて終わりという受験生が多かったようです。

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