2023年 東大文系数学 第1問の解説

2023年文系数学第1問

 

スムーズな問題

難化、難化・・・と難化が続いていた文系数学に、やっと簡単な問題が登場しました。
ハッキリ言いましょう。見た瞬間、解答の最後の方まで予測がついてしまう問題です。

2次方程式の解がαとβと与えられていますが、こういう時は解と係数の関係を立てるのがベター。解の公式でαとβの正体を求めることは、ほとんどしません。ちなみにこの時、αとβの基本対称式が作れますが、右辺にkが残ることを確認しておきます。(つまり、αもβもα+βもαβもkの式になります)

そして、αとβの対称式がありますから、代入しやすい形に変形して基本対象式を代入すれば、kの式が残ります。あとは、k>2の範囲を確認して最小値を求めればOK。

最小値の求め方も色々ありますが、東大文系の過去問に限れば、グラフが書ければグラフで処理。書けなければ相加相乗を使って処理することがほとんどです。今回、与式が分数の形ですから、最後も分数が残るかもなぁと想定しましょう。すると相加相乗まで使う可能性も考慮して、いざ計算。

あとは、流れに従って身を預けるように進めば答えが出ます。では、解答です。

2023(1)文数 解説

これは、満点を取りたい問題。

さて、こういう簡単な問題が出た時には「敵は計算ミス」です。
解けるかどうかではなく、ミスするかどうかが一番の争点になります。簡単な問題ほど差がつくと言われますが、それは心理的な側面も大きいことでしょう。
多くの受験生が、東大数学には恐怖心を抱いています。自分なんかに解けるだろうかと不安でいっぱい。
そんな時に、こういう簡単な問題が登場すると「うわ!もしかして解けるかも!」と心が浮付いてしまって、油断するわけですね。

そこで「敵は計算ミス」の意識を持てると、かなり違うことでしょう。合言葉にしてみて下さい。

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2023年 東大文系数学 第1問の解説” に対して2件のコメントがあります。

  1. 381EC より:

    最後は 微分すれば確実にできるので、受験生心理としては微分を選びたいと感じました。

    1. 平井 より:

      分数関数の微分は現行過程においては数Ⅲで履修する内容であることを考慮して、相加相乗や「=y」と置いた上での逆像法のみ解説記事に書いています。
      (数Ⅲを履修したなどの理由で)微分を使いこなせる方であれば、微分も有力候補であることは間違いないと思いますので、おっしゃることはよくわかります。

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