2004年 東大国語 理科第3問(漢文)『東坡志林(とうばしりん)』解答(答案例)

はじめに

作者は「蘇軾(そしょく)」。「唐宋八大家」の一人。

答案例とプチアドバイス

(一)「医以意用薬」とあるが、
(ア)これはどういうことか。わかりやすく説明せよ。【1行】

答案例:医者が自分で考えて、病の原因と関連する物を材料にした薬を処方すること。

プチアドバイス:事例2つを抽象化して(共通点を考えて)、連想・着想・関連などの語を加えたいですね。

 

(イ)文中に挙げられている「医以意用薬」の例から一つを選び、簡潔に要約して述べよ。【1行】

答案例:汗を止めるのは、麻黄の根と古い竹の扇を粉末にした薬を服用する

プチアドバイス:設問文に「例を一つ選び」とありますね。文章が短い「汗を止める」例の方が、減点リスクも時間の消費リスクも減らせてオススメです。

 

(二)「初似児戯、然或有験、殆未易致詰也」を、何を「致詰」するかを明らかにして、平易な現代語に訳せ。【2行】

答案例:一見、子供の遊びのようであるけれども、しかし、ある時は効果がある。効能の有無を見極めることはおそらくいまでも容易ではない。

プチアドバイス:「初メハ」の訳で差がつく設問です。
「最初は~だが、」「初めは~だが」だとこの文脈に不適、言葉足らずです。

「一見」か「最初は〔初めは〕~と思われたが」と書きましょう。

 

(三)「公遂大笑」 とあるが、「公」はなぜ「大笑」したのか。 全文の趣旨をふまえて、簡潔に述べよ。【2行】

答案例:欧陽脩が連想による医師の処方を多少肯定したところ、蘇軾に巧みな喩えで論破され、自分の愚かさを笑い飛ばして照れ隠しようとしたから。

プチアドバイス:欧陽脩が「拡大解釈」したかのような解答にしてしまう受験生もいますが、「推此而広之」は蘇軾の行為です。

 

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