2001年 東大国語 文科第3問(漢文)『蘇小小墓』『李賀詩解』解答(答案例)

はじめに

漢詩とその漢詩を漢文で解説している文章です。

Aの漢詩とBの解説を「対」と思って、比べて読み解きましょう。

答案例とプチアドバイス

(一)「幽蘭露、如啼眼」という二句を、「眼」は誰の眼か明らかにして、平易な現代語に訳せ。【1行】

答案例:蘇小小の墓でひそかに咲く蘭に降りた露は涙が溢れる蘇小小の目のようだ。

プチアドバイス:「奥深くほのかな蘭の露は」だと言葉足らずです。
「奥深く」は「奥深い場所で(=蘇小小の墓で)」、
「ほのかな」は「ほのかに咲く」。
※「ほのかな所=ぼんやりとして見える場所」とも解釈しできます。

 

(二)「煙花不堪剪」とあるが、何のために「剪」るのかを明らかにして、平易な現代語に訳せ。【1.5行】

答案例:恋人に変わらぬ愛情を誓うために夕もやの中の花を摘もうとしても、死んだ今、蘇小小は自ら摘むことはできない。

プチアドバイス:注記をしっかり見ましょう!
また、Bの資料の「生時ハ」「今ハ」「已(すで)に」に注目を!

 

(三)「草如菌、松如蓋」という二句から、曾益は墓地のどんなありさまを読み取っているか。簡潔に述べよ。【1.5行】

答案例:訪れる人もいないまま年月が経って草木が生い茂り、墓は蘇小小の乗る車のように思われるということ。

プチアドバイス:設問文の「曾益は」を読み飛ばしている方は、注意!
「時ニ則チ」は「年月の長さ」と「放置されてきた」の両方を入れたいですね。

 

(四)「奚以髣髴其珮、則有水鳴於左右而為珮」とあるが、「其」が何を指すかを明らかにして、平易な現代語に訳せ。【1.5行】

答案例:何によって蘇小小が腰に付けた玉飾りが思い浮かぶか、墓近くの川の流れる音が、玉飾りの触れ合う音を思わせる。

プチアドバイス:「珮」の注記二文目(触れ合って美しい音がする)を解答に生かしたいです。

 

(五)「冷翠燭、労光彩」は、蘇小小のどんなありさまを暗示しているか。簡潔に述べよ。【2行】

答案例:死後も鬼火となって変わらぬ愛情を誓った相手を探しているけれども、徒労になっており悲しんでいる様子。

プチアドバイス:蘇小小の死後の魂であることを指摘しましょう。

 

(六)Aの詩は、三言の句を多用している。この形式はこの詩の中で、どのような効果を上げているか。簡潔に述べよ。【2行】

答案例:展開が早いことでや切迫した悲しみを表し、第三・四句以外の空白が寂しさ・静けさを表している。

プチアドバイス:「リズムによる心地良さ・軽やか・軽快」といった表現は、悲しい話なので、そぐわなくてNGです。

【さらに深く学びたい方のために】

敬天塾では、さらに深く学びたい方、本格的に東大対策をしたい方のために、映像授業や、補足資料などをご購入いただけます。
ご興味頂いたかたは、以下のリンクからどうぞご利用下さい。

映像授業コース(旧オープン授業)【東大古文・漢文】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)