2021年東大英語(第1問B文挿入(段落整序))入試問題の解答・解説

   東大英語の陣頭を飾る英文要約とともに第1問の双璧をなす1B文挿入は、得意不得意が大きく分かれる大問の一つだと言われています。
その理由には幾つか考えられますが、1Bに対するアプローチが確立できていないことが大きいのではないかと感じています。
この点、「1Bにはセンスがいる」「パズルのように解けばいい」等とアドバイスをされる合格者の方も巷には多くいらっしゃいますが、気にしないでください。

東大教授がなぜ1Bを要約と同じ第1問に配置しているのか、なぜ文挿入の問題を出題するのかようになったのか、それらの意図に気付き、正しい訓練を施せば必ず点数は取れるようになります
人間に解ける問題であれば、あなたにも必ず解けますし、解けるように出来ています。
この際に大切なことは、必ず東大過去問を用いて訓練することです。
模試は設問数と出題形式だけを似せたものに過ぎません。
コピーは決してオリジナルには勝てません。
なお、2022年〜2023年の東大過去問について、敬天塾では詳細な思考プロセスを実況中継という形でご紹介してきました。
日本一詳しく東大英語の極意を解説したつもりです。ぜひエッセンスを貪欲に学ばれてください。
※こちらのページの最後にリンクを用意しています。

本稿で扱う2021年度につきましては、要点解説ということでライバル達に差をつけられるポイントに絞って解説をいたします。
汎用性の高い解法や、東大英語を絶対的得意科目にするための訓練プログラムをお知りになられたい方は、敬天塾の映像授業と過去問実況中継解説をぜひご活用ください。

 

それでは、2021年度1A英文要約の要点解説を始めたいと思います。

(所感)

難易度の高いセットが出された2020年度入試の反動でしょうか、今年度の1Bはかなりシンプルに解けたことでしょう。
紛らわしい選択肢が少なかった印象です。
ひょっとして難化した1A英文要約とのバランスを図ったのかもしれません。
願わくば、全問正解を狙いたいところです。

ただ、このように難化やら易化やらと評したところで、実際に試験会場で確実に取れるとは限りません。
なぜなら、東大英語では学力だけが試されてるわけではないからです。どの順番で8種類もの大問を捌いていくのか、各大問にどれくらいの時間資源を投下するのか、緊張やアクシデントで英文内容が頭に入ってこなかったらどうするのか等を事前にしっかりとシミュレーションし、想定されるリスクに備えができた人が本番で高確率で成功を収めています

また、居心地の良い環境で、緊張感もなく、ぬくぬくと問題を解いている人と、一世一代の勝負をかけて居心地の悪い環境で激しい緊張状態のなか120分という時間制限を前に8種類もの大問を解かなければならない受験生とを同列に論じることなど出来はしません。
私は制限時間を30分短い90分とすることで、なるべく受験生に同じく時間に焦る感覚のなか毎年問題を解くように心がけてはいますが、それでもやはり自分が受験生だった頃と同じ背水の陣の気持ちでやっているかというとNOだと思います。
そうしたこともあり、難易度について安易な論評は極力控えたいところですが、所感は書かなければ皆さんに講評を伝えづらいのお許しください。

(要点解説)

まず、東大側が作成した選択肢から見ていくとしましょう。

a)beyond digesting information, machines have also been able to create novel images

b)but this is an age of harmony between humanities and technologies

c)it’s only natural to ask what the future of art in such an A.I.-dominated society will be

d)smart machines can only help, not hurt, human creativity

e)the machine would not contribute to human creativity

f)the problem is whether art will overcome the limit of photography

g)while some artists embraced the technology, others saw them as alien devices that required expertise to operate

h)with time, the art we create evolves, and technology plays a crucial role in that process

以上、8つの選択肢が与えられ、本文中の空所が5つですから、3つがダミーだということになります。
ちなみに、2022年はダミーが1つ、2023年はダミーが2つでした。
年度によってダミーの数が異なっています。

さて、これら8つの選択肢の日本語訳を示すとしましょう。あえて直訳調で訳しています。

a)情報を消化するにとどまらず、機械は画期的なイメージを創り出すことができるようにもなった

b)しかし、これは人文科学と科学技術とが調和をなす時代である

c)AIが社会に大きな影響を与える社会における芸術の未来がどのようなものになるのか尋ねるのは当然だ

d)スマートマシンは、人間の創造性を手助けするのであって、傷つけ損なわせるようなことはしない

e)その機械は人類の創造性に寄与することはないだろう

f)問題は芸術が写真の限界を超えられるかどうかにある

g)そのテクノロジーを嬉々として受け入れる芸術家がいた一方、それらを専門の操作知識が必要な未知の機械装置だと考える芸術家もいた

h)時が経つにつれ、私達が創造する芸術は発展し、その過程でテクノロジーが重要な役割を果たしている

いかがでしょうか。これだけ見ても、よくわからないかもしれませんが、選択肢b)の「しかし」や、選択肢がe)やf)の「その」という指示語などは、重要なヒントになることでしょう。

前置きが長くなりましたが、それでは、空所補充のプチ解説をご覧いただくとしましょう。

空所(1)のプチ解説

空所直前にboth challenges and benefitsとあります。
つまり、カメラには➕と➖のものがあると言っているわけです。
その直後に空所(1)が来て、そして、そのすぐ後ろで、カメラのせいで自分達の仕事が奪われるのではと➖のことを述べています。
次の第3段落の冒頭では、カメラの➕の話に言及されています。

このような流れを前にすれば、空所(1)にはカメラの持つ➕と➖の話、あるいは少なくとも➕の話は来て欲しいところです。
なぜなら、空所(1)の直後でSome felt this posed a threat to their jobs.(これが自分達の仕事に脅威をもたらすと感じている人もいた)という文が来ていますから、空所(1)で何かしら➕の話をしていて、それを➕だとは受け取れないという流れなら論理的にあり得るのではないかと思ったからです。
その上で、選択肢群をチェックして見ますと、空所直前のboth challenges and benefitsの両方に言及されているものは、選択肢g)のみだとわかります。実際に空所に入れても文脈を途切れさせることはないように思えます。
現時点では、g)を正解の候補だと考えて良いでしょう。

空所(2)のプチ解説

まずは、空所(2)を含む第4段落を精読です。
すると、段落の冒頭で、Art matters(芸術は重要である)と述べ、さらには段落の最後で、カメラというものが芸術を発展させるツールになっていることが述べられています。
つまり、新たな機器(a novel tool)の持つ肯定的な側面を強調した段落だとわかります。
その一角をなしているのが空所(2)なわけですから、当然、カメラやテクノロジーに対して肯定的な選択肢が来ないといけません。
ともなれば、選択肢a),d),h)あたりが候補にあがってくると思います。

a)情報を消化するにとどまらず、機械は画期的なイメージを創り出すことができるようにもなった

d)スマートマシンは、人間の創造性を手助けするのであって、傷つけ損なわせるようなことはしない

h)時が経つにつれ、私達が創造する芸術は発展し、その過程でテクノロジーが重要な役割を果たしている

さらに絞り込むために、空所前後を読み込むと、creativeやらHistoryやらといった言葉が出て来ています。
このため、創造性の話や時間の流れを意識できるような選択肢だといいなあと思うに至ります。
そうした点でいうと、選択肢h)が筆頭候補になるのではないでしょうか。
選択肢d)ですと、「スマートマシン」という言葉がこの段落でいきなり出てくるのは違和感があります。
選択肢a)ですと「情報を消化」というのが、この第4段落の内容にそぐわないように思えます。

空所(3)のプチ解説

まずは空所(3)を含む第6段落の精査です。
特に空所の直前と直後は丹念に読み込みましょう。
すると、空所の直後で、This question(この疑問)というフレーズに気付けます。この中身について、言及できている選択肢を探してみると、選択肢c)とf)あたりが候補に上がりそうです。
ですが、第6段落はAIの話にフォーカスをあてているにもかかわらず、選択肢f)は写真の話にしか言及できていません。この時点で、選択肢c)が筆頭候補になりそうです。

空所(4)のプチ解説

空所(4)は第10段落の冒頭を飾っています。第10段落ではAIに関して否定的な文言は書かれていないように思われます。
そして、空所(4)の直後にダッシュ記号(ー)があり、その後にthat viewers〜(人間が作った作品と見分けがつかない)とつづくゾーンが来ています。
that以下の文は完結していませんので、thatが関係代名詞だということがわかります。
そして、関係代名詞が修飾するはずの名詞がダッシュに挟まれたゾーンにはありません。
このことから、空所(4)に関係代名詞が修飾する先行詞が隠されていることに気付けます。
このような品詞から絞り込むスキルは、4A正誤問題や第5問物語文の空所補充でも、しばしば求められます。
基礎に戻る勇気=合格力だということを授業の中で口すっぱく申し上げておりますが、本問からも実感していただけたのではないでしょうか。
話を空所(4)に戻しますと、関係代名詞that以下が修飾できる名詞があり、かつ、AIに関して肯定的な内容の選択肢を探してみると、選択肢a)に絞られると思います。
ただ、試験会場で混乱したなら、いったん横に置いて、明確に分かる空所から攻める姿勢も大切です。

空所(5)のプチ解説

ラストは第14段落の最後に位置している空所(5)です。
That makes me confident that (5).とconfidentという➕イメージのワードに直後に空所(5)が来て、さらには、そのすぐ後ろでThe future of art looks promising.と肯定的な内容で締めくくられています。
第14段落の冒頭では、新たなテクノロジーに対して、疑念の目が向けられることにも言及がなされています。
このことから、空所(5)には➕と➖の側面を両方あげながらも➕のほうが優っているという文がくるか、もしくは➕の内容を強調した文がくる可能性が高いように推察できます。
その上で、選択肢群をチェックしてみると選択肢d),g),h)あたりが候補にあがるとおもいます。
ですが、選択肢g)とh)については、既に空所(1)と(2)で使用済みです。
一応、念のため、それぞれを空所(5)にも入れてチェックをしてみましたが、新たなテクノロジーを芸術家が受けれいるかどうかという話は第14段落のメインテーマではないはずですから選択肢g)は不適のように思えました。
that節の中にある空所(5)の冒頭にいきなり選択肢h)の「with time,」がくるのも若干違和感を覚えました。
ただ、選択肢d)も「これが正解だ!」とスッキリするような選択肢ではありませんから悩まれた受験生も多かったことでしょう。
これが、2022〜2023過去問実況中継解説でも注意喚起をした正解の選択肢は光らないと呼ばれる設問です。
私は初見で解いた時に、選択肢h)は空所(2)に入れたほうが文脈上スッキリすると考え、消去法で空所(5)に選択肢d)を入れました。

 

いかがでしたでしょうか。

以上より、

(1)g) (2) h)  (3) c)  (4) a) (5) d)

が正解となります。

なお、並べ替えについては

do little more than play with form

が正解となります。細かな解説は端折りますが、一点だけ補足をします。
A.I.can(   イ    )という文ですから、空所の冒頭にはnotや動詞の原形がくることが第一原則となります。
その点、選択肢をみるとplay, form, doが候補になります。
このように文構造や品詞から絞り込む思考は4Aや5でも求められている能力ですので、基礎の復習を徹底しましょう。

いかがでしたでしょうか。市販されている過去問集とかなり違った切り口に驚かられた方も多いと思います。2022年〜2023年度の過去問に関しては、より詳細な思考プロセスをご案内しておりますので、ぜひ併せてご参照ください。

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映像授業【東大英語 第1問B 文挿入(段落整序)】

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