2014年 理系第6問の解説④ 解の配置、ファクシミリ、包絡線
2014年 理系第6問の解説
長々書いてきましたが、これで通過領域の問題の解説、最後です!
前回と前回の記事
2014年 東大文系数学第3問 理系第6問 通過領域の解法をノウハウにしよう!
で、通過領域に必要な解法の種類を、基本問題で解説しましたので、どうぞ先にご覧くださいませ。
定通過領域の問題にたどり着くまで。
昨日は文系第3問を扱いましたが、理系もほぼ同じ問題。(数字だけ変えてある)
文系の方が、場合分けが複雑な気がしますが、、、理系も十分に複雑。
とにもかくにも、解説していきましょう。
通過領域のフェイズに入るまでは、文系と全く同じ!
昨日とほとんど同じではありますが、ご覧くださいませ。
まず、y=√3xと、y=-√3xが見えますが、傾きが√3と来たら、60度の傾きになっているのを思い浮かべなければなりません。
すぐに反応しましょう。
計算用紙に、xy座標と、2本の直線を書き、60度を意識。
点Pと点Qのx座標をpとqかなんかで置いてみると、なんとOPが2p、OQが-2qとなり、
OP+OQ=6の縛りも、
2p-2q=6
⇔
p-q=3
という、単純な式で落ち着きます。
あら簡単。ここまでは、あまり不自然な発想はないかと思います。
ちなみに、pの定義域やqの定義域も、問題文を読めば
0≦p≦2、-2≦q≦0と簡単に求められます。
p-q=3から、pに統一するか、qに統一するかの2択がありますが、素直に正の数であるpに統一した方が良いでしょう。
よって、-2≦q≦0に代入して、
-2≦p-3≦0
⇔
1≦p≦3
よって、0≦p≦2 と、1≦p≦3の共通部分を求めて、1≦p≦2が定義域になります。
次に、直線PQを求めますが、これは簡単。
直線の方程式の公式を使えば簡単です。
そして、(s、t)を代入。
すると、sとtとpの関係式が求められます。
ここから、通過領域の問題のスタートです。
解の配置で解く!
では、まずは解の配置で解く解法です。
解の配置の方針は、パラメータが解を持つ条件を求めていくこと。
今回の問題は、最終的にst平面の図を描くことになるので、pがパラメータになります。
そこで「pがsの定義域に少なくとも1つ実数解を持つ条件」を求めるというのが方針です。
以下のようになります。
今回の問題は、通過領域の問題というだけでなく、sの範囲がややこしくて難しさが増しています。
先ほど求めた1≦p≦2という範囲と、s≦p≦s+3の共通部分が、何パターンかに分かれていて、sに関しても定義域がある。(0≦s≦2)
そして、さらに軸の位置でも場合を分けるという、ややこしさ。
まず滅多に見る事の出来ない面倒臭さです。
しかも解の配置では、場合分けが多くなることが多いので、非常に面倒な解法となってしまいました。
すだれ法(ファクシミリ論法)で解く!
次にすだれ法(ファクシミリ論法)を利用した解法です。
方針としては、sとtとpの関係式において、sで場合分けをし、tの値域を求めます。
もっと具体的にいうと、
(tの最小値)≦t≦(tの最大値)
という評価の式を作るのが目的です。
では解法をどうぞ(解の配置と似ています。)
これの方が、少し簡単でしょう。
少し計算量が減りましたし、使いこなせれば見通しが良いと思います。
包絡線で解く!
では、最後に包絡線を使った解法です。
皆さん、使いこなせますか?
使えれば、最も計算量が減って簡単ですが、中々難しいのかもしれません。
包絡線の方針は、
sとtとpの関係式と、それをpで微分した式を連立します。
すると、元々の式が常に接しているグラフが求められてしまうという、不思議な性質を利用したものですね。
では、手書きの解答をどうぞ。
今回の包絡線の解答は、「直線」ではなくて「線分」だというところが、少し特殊。
本当に設定がややこしくて、イヤになりますね。
でも、3パターンの解法のどれでも、同じ答えに辿り着きました。
ちなみに、理系は最後に対称性からDの図をy軸対象に折り返さないといけないという、オマケ付き。中々難しいでしょうね。
部分点は取り易いけど、満点を取るのはかなり厳しいタイプの問題でしょう。(つまり差がつかない)
私のスケジュールも少し落ち着いてきたので、今後入試まで、まだまだ解説をアップしていきます!頑張れ受験生!!
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