2024年 東大文系数学 第3問の解説

2024年 東大数学 文系第3問の解説

座標上で角度を扱う問題のアプローチについて

構成がイビツな問題。
(1)から順に難しくなるのではなく、(1)から簡単になる問題。
(1)が一番難しいので、初手でつまづくと0点。解けちゃうと20点という「バクチ」みたいな問題です。

テーマとしては、「座標上で角度を扱うタイプの問題」。
東大では、ずーーーーーっとチョロチョロ出続けている、最頻出のタイプです。

まず重要なのは、このタイプの問題では、使える技術が限定されるということです。

最もよく使うのが①tanですが、場合によっては③の図形的な処理をしてからの方が良い場合も。
②のベクトルは①tanでの処理が面倒な場合の代替手段(90°を含むとか、角の大小や正負の場合分けが面倒)で良いかなと思います。
④複素数平面は数Ⅲ(新課程では数C)ですが、座標と角度が絡む問題に対しては抜群の強さを発揮するので、文系でも勉強しておくと良いですよ。

今回は、補助線を引いて、2Θの角を作っておくと便利でしたが、そうでなくても解けます。
①~④のどれかが書いてある解説が多いと思いますが、私の信条であらゆる別解を検討して、比較した方が良いというのがありますので、全部やりました。

ご覧ください。

2024(3)文数 解説

解法1 tanの加法定理

解法1-1はtanの加法定理です。
これが一番スタンダードかなと思いますが、角の設定を気を付けましょう。

今回は点の場所がそれぞれ決まっているので、Θとαとβの大小が定まります。よって場合分けが不要で簡単でした。
といっても、tanβとかtanαの計算もそれなりに気を付けなきゃいけないので、割と神経使います。

もしこの問題で、αとかβの設定、大小などで間違えている人は、東大入試に通用するレベルではないので、もう少し解きなれておいた方が良いかもしれませんね。

解法1-2は、2Θを作ってウマく計算したものです。これがベストアンサーですね。

解法2 ベクトルの内積

ベクトルの内積はを使うメリットは、角度の大小を気にしなくても良いというところです。内積計算で登場するcosΘの角度部分(Θ)の定義は「2つのベクトルの間の角」です。どっちのベクトルが上にあっても下にあっても、内積の値は変わりません。
一方、tanΘの場合は、「x軸正方向から図った角」を使います。反時計回りをしたらプラス、時計回りをしたらマイナスですし、2直線のどっちが上にあるか下にあるかも気にしなければなりません。

一方、ベクトルの内積は√ が登場するので2乗することになりやすく、計算量が増えます。tanも分数が出たりと面倒ではありますが、やはり2乗して次数が上がってしまうインパクトは絶大なので、計算量ではtanに軍配が上がります。

このようなメリットとデメリットを考慮した上で、解法を検討すると良いと思います。

今回は、角度の大小や正負が切り替わるわけでもないため、ベクトルを優先的に使うメリットがないうえに、計算量だけが増加してしまうということで、ベクトルの解法では挫折しました。もしかしたら途中の計算の工夫なんかで解けるのかもしれませんが、工夫しなきゃいけない時点で、tanに負けてます。

解法3 図形的な考察や処理

この問題では、あまり効果的ではありませんでしたが、一応やってみました。
解法1-2の補助線も、図形的な処理ではありますが、もう一つとして、二等辺三角形をつくるものですね。

二等辺三角形の処理は、大抵が「2辺が等しい」か「2角が等しい」を使います。
「2辺が等しい」を使う場合は、ベクトルと同様2乗が出るので、計算量が増加。
「2角が等しい」は、さっきから言っているように、角度を扱うので、tanやベクトルなど解法の幅が出ますね。もしかすると、劇的に良い解法が生まれる可能性から、全部ダメの可能性まであります。

さて、今回ですが、角度で攻めても良かったんですが、単純な「2辺が等しい」を載せています。計算の工夫も必要で、あまりお勧めではありませんが、一応解けました。

解法4 複素数平面

文系の方には馴染みがないかもしれませんが、ものすごく有能な技術です。
もし余力があれば、ぜひ身に着けたい解法です。

特に得意なのは、回転運動です。というか、複素数平面を使わないと、座標上で点を回転させるのが面倒くさくて仕方ないです。
(あとは、以前、数Cでならっていた行列も使えますが)

今回は、辺の長さが同じになるところがなく、ただの回転だけじゃなくて、伸び縮みまで考慮しなきゃいけないということで、あまりメリットを活かせませんでした。
でも、変な計算の工夫もなく、ストレートに解けたので、まずまずの選択肢かもしれません。

新課程の皆さんは、数ⅡBCの共テで、複素数平面を選択することもできます。確率分布を選んでも良いですが、せっかくだから東大2次でも有用な複素数平面を選んでみてはいかがですか?

(2)(3)ただ計算するだけ

(2)(3)は簡単です。あまり解説することもないような問題です。

(2)ではqに代入して3次方程式を解いて終わり。

(3)では2次不等式に帰着して終わりです。

「だったら、(1)でもう少し誘導やヒントを出してあげてよ」と思う問題でした。

2024(3)文数 解説

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