2024年 東大文系数学 第1問の解説

2024年 東大数学 文系第1問の解説

難しそうで、簡単そうで、難しかった

初見「うわ、放物線と円か!!!面倒くさそうだな。」と思いましたが、詳しく問題文を見ると「あれ?意外と簡単か?」となり、手を動かして解いてみると「めんどくせーーー」と、
印象が二転三転した珍しい問題でした。

詳しく見ていきましょう。

円と放物線が接する問題

2021年第1問、2022年第1問に続き、ほぼ同テーマの問題。円と他の関数が絡む問題(接するなど)は、ここ最近ブームです。
この問題は別解が発生しまくります。

大雑把に言うと
①関数そのものの式を使うか
②接線を使うか
という2択があります。

この問題では、主人公が円と放物線と2つありますから、円で①と②のどちらかを選び、放物線でも①と②で選ぶわけなので、4択。
これに、傾きを使うとか方向ベクトル(法線ベクトル)を使うとかを検討し始めると、膨大な別解になっていきます。

接線を用いだすと、悪手になりやすい!?

先に結論を言ってしまうと、接線の方程式を作って解法を検討し始めると、面倒になりやすいようです。
類題として、2021年第1問がありますので、比較してみてください。どちらの問題も、接線を持ち出すと計算量が増えます。
まだまだこのテーマは出題される可能性が高いですから、要注意です。

ベストアンサーに注目

ではベストアンサーはどうかというと、シンプルな解法です。

点Pを通る条件と、傾きを比較する条件を使うと、瞬間的に解けます。ポイントは次数でしょう。
2次曲線同士を連立すると、代入した時にどうしても次数が上がります。次数が上がると計算量が増えるうえに、複雑な計算が必要になるため、ゴールが遠くなってしまう印象です。

もう一つ、許容できるレベルの解法は、円と放物線の接線を両方求めて、一致させる(恒等式)というもの。これも代入が発生しないので、計算量が増えないまま答えが出ます。

このあたりの解法の分岐と、それぞれのメリットやデメリットは、実際に計算をしてみるとよくわかります。

下の方に、私の手書きの解答を張ってありますが、眺めるだけでなくて、ぜひ自分でやってみてください。

(2)かんたん♪

(2)は簡単です。東大ではアルアルの、面積計算。
そして、東大の面積計算は1/6公式だけで処理できる問題の場合は非常に多いです。

チャチャっと計算して終わりましょう。

(3)どうやって工夫する?

相加相乗→逆像法がスタンダードな考え

(3)も√3より大きいことを示すだけなので、「簡単、簡単♪20点もーらい」と思ったら、案外面倒ですね。
(2)で求めた面積Aの形が複雑で、これの最小値(値域)を求めようとしても、なかなかうまくいきません。

何しろAの計算結果を見ると、分母にsが入っています。分母に変数が入っているのは「分数関数」と呼ばれますが、分数関数の最大最小や値域の問題は文系受験生が苦手にする範囲の筆頭です。

ここで使える道具としては、相加相乗がまず第一候補。
東大では、相加相乗で処理させる問題も(1/6公式と同様)頻出です。

相加相乗が使えなかったら、右辺を「=k」とおいて実数解を持つ条件(逆像法)に持ち込むという方法があります。
逆像法はメジャーと言えばメジャーなんですが、教科書に載っているほどではなく、文系の受験生は知らない人が結構多いです。まあ、相加相乗で処理できることが多いので、しらなくても問題はないことが多いのですが、知らないと詰むことがあります。

ただし、今回の問題は、相加相乗で答えるとしても、一筋縄ではいきません。
まず、相加相乗が使える形に変形するところで軽いヒネリが加わった後、2文字の相加相乗ではなく、3文字の相加相乗に持ち込む必要があります。
私の記憶の限りだと、3文字の相加相乗を使わなければならない問題は出題されてません。(3文字の相加相乗でも解ける問題は1問思いつきましたが)
受験生も、あまり使ったことがない可能性もありますし、出題者の想定解なのかどうかは、やや怪しいと思います。

分数関数を避けることも可能

さて、基本的には相加相乗や逆像法の2つを中心に攻めるのですが、工夫によって分数関数を避けることもできます。

特に、今回の問題は分数以外にも、3/2乗があって、これも複雑。証明するのも√3より大きいことですから、「じゃあ、両辺2乗しちゃえばよくない?」
ということで、2乗してから引き算する不等式の証明方法に持ち込めます。

というか、この2乗して辺々引く証明法が、恐らくベストアンサーでしょう。思惑通り、√が消えて式が見やすくなります。

他には、tanで置換する方法もあります。
どちらも、非常に重要な工夫なので、必ず自分で発想できるようにしてください。

以上、大雑把な考え方やポイントは書きました。細かいところは手書きの解答で確認してください。
この問題の手書きの解答は、いろんな解法を思いついて順番を考えたり、面倒な計算を合わせたり、もちろん手書きで書く時間もながくかかるので、全部書き終えるまで8時間くらいかかっています。何卒じっくりと見てもらえると救われます。

2024(1)文数 解説

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