訳はそれぞれ
A 花、咲かぬ時、(訳:花が咲かない時、)
B 花、咲きぬ。(訳:花が咲いた。)
となります。
「なぜそう訳すか」、つまり「どの助動詞だと見分けるか」は「識別」とも呼ばれます。
「識別」には2つのアプローチ方法があります。
「真上(直前)」と「真下(直後)」です。
【真上(直前)からのアプローチ~接続~】
真上の「咲か」と「咲き」の違いがポイント!
「咲く」という動詞は四段活用なので、
未然・連用・終止・連体・已然・命令は
か・き・く・く・け・け。
※ちなみに「咲か(ず)・咲き(たり)・咲く・咲く(時)・咲け(ども)・咲け(!)」という風に、古文で出てきがちな語尾を加えて声に出す習慣を身に着けることもオススメします!(無意識に識別できるようになる近道です)
よって、「咲か」は未然形で、「咲き」は連用形。
まず、「咲き」は未然形なので、
未然形に接続するグループの中で、「ぬ」を探してみてください!
<助動詞一覧表をチェック!>
※「接続」は一覧表の一番上に書かれていることが多いです。
「未然形接続」なら「る・らる・す・さす・しむ・ず・むむ・ず・まし・じ・まほし」です。
未然形に接続するグループの「ぬ」は、「打消」ですね!
だから、
A 花、咲かぬ時、(訳:花が咲かない時、)
となります。
次に「咲き」は連用形なので、
連用形に接続するグループの中で、「ぬ」を探してみてください!
<助動詞一覧表をチェック!>
連用形に接続するグループの「ぬ」は、「完了・強意」ですね!
だから、
B 花、咲きぬ。(訳:花が咲いた。)
となります。
【真下(直後)からのアプローチ~活用~】
A 花、咲かぬ時、
B 花、咲きぬ。
真下の「時(体言)」と「。(句点)」の違いがポイント!
<助動詞一覧表をチェック!>
「ぬ」は一覧表の中で、
打消しの助動詞「ず」の「連体形」と
完了・強意の助動詞「ぬ」の「終止形」のみ。
つまり、その「ぬ」自体が「連体形」か「終止形」かでも識別できる!
真下が「時(体言)」なら、「連体形」。
よって打消しだとわかる。
A 花、咲かぬ時、(訳:花が咲かない時、)
真下が「。(句点)」なら、「終止形」。
よって完了・強意だとわかる。
B 花、咲きぬ。(訳:花が咲いた。)
【どちらのアプローチを使うと良いか】
【真上(直前)からのアプローチ~接続~】
こちらでしか識別できない場合が多いです。
なお、助動詞の「接続」の覚え方はこちらをご覧ください。
【真下(直後)からのアプローチ~活用~】
一部、こちらで識別できます。
こちらで識別した方が早いです。
※特に「ぬ+体言」の「ぬ」は「打消し」、
「し+体」の「し」は「過去」というのは覚えておくと良いです。
なお、助動詞の「活用」の覚え方はこちらをご覧ください。