2022年東大英語(第4問A 英文法正誤)入試問題の解答(答案例)・解説

【2022-4A所感】今年の4Aは一段と歯ごたえのある文章が出されましたが、実は意外にも・・

2022年度入試は、多くの大問で東大側が本気を出した年でありました。
共通テスト数学の超難化にはじまり、二次試験でも全教科えげつない問題が出題されましたので合格最低点が数十点落ちた伝説の年だとも言われています。

東大足切りライン考察に役立つデータ集

4Aも例外ではありません。
近年、抽象度の高い長文が出されるようになった4Aにあって、2022年度の問題は群を抜いてレベルが高かったと言えます。
ただ、それでもやはり高得点合格者は4Aでもきっちり点数を取ってきています。
その理由は、目の付け所が他の受験生と違うからです。
本稿を通じて、ぜひ、その極意をマスターしてください。併せて、2023年度4A実況中継解説を参照すると学びが大きいことでしょう。

(編集部注)2023年度4A実況中継解説は映像授業【東大英語 第4問A 英文法正誤】に入っています。

それでは、設問(21)〜(25)の5つの問題を前にして、高得点合格者達はどのような思考プロセスで解いていったのか実況中継風に解説していきたいと思います!

【設問別実況中継】設問の解説だけに終わらない! しっかり学んで4Aを得意にしよう!

設問(21)文意(語法)本年度の4A最難関の設問がいきなり!?

誤った選択肢は(c)

A government that generates a disaster like this may have (b)some chance of escaping public anger if the news of (c)it is to be effectively suppressed, so that it doesn’t have to face criticism of its policy failure.

本問は、2022年度4Aで最も難しい設問であった。
一読したときに、明らかな間違いが見つけられなかった一問である。

だが、下線(c)には「こんな構文あったっけ?」と強烈な違和感を覚えたことは間違いない。
まず、下線(c)を含んだ一文を精査してみるとしよう。

すると、この下線部(c)はif節の中に入っていることがわかる。
ifとbe to構文がセットで出てくるフレーズと言えば、教科書レベルでは「if it were to〜」で始まる、話者が実際に起こりえないと考える未来の想定で用いる構文くらいではないだろうか。
当然、if内が現実に起こりえない話をしているのだから、帰結節(if節に対する主節のこと)も現実的に起こりえないと話者が考える話が書かれているはずだ。

さて、話を下線部(c)に移すとしよう。
仮に[if it were to]構文を用いようとしているのなら、be to構文がwere toになっていないことにも違和感を覚える。
また、帰結節の主たる動詞ががmay haveとなっていることからもif it were to構文の話ではないと判断した。
となると、このto beはいったい何のためにあるのだろうかと疑問に思った。
モヤモヤした気持ちを抱えながら、敢えて視点を変えて他の下線部を確認することにした。

下線部(e)では意味深にbeが書かれていて、ここに食いついた受験生ももしかしたらいたかもしれない。
だが、demandやrequireやinsistやsuggestといった要求提案系の動詞のあとのthat節には、見えないshouldの効力が働き動詞が必ず原形になるということは教科書レベルの知識である。
TOEICなどでも頻出であり、天下の東大受験生がこんなところで引っ掛かってはいけない。

下線部(a)や(b)も特に下線部(c)で感じたような謎の違和感を覚えない。
消去法からみてもやはり、下線部(c)なのだ。
私が受験生なら、このモヤモヤした直感を信じて選択肢(c)を選んだことだろう。
もう少し詳しく説明するなら、このbe to構文を入れることでいったい何を表現できているのかが文脈上理解できなかったのである。
つまり余事記載と言え、削除をした。
こうした余事記載パターンは、余計な前置詞を付け足して自動詞/他動詞の判別が出来ているかを試す設問(たとえば、2021年設問(25)、2017年(21)など)で散見されるが、今回のようなbe to構文の余計な付け足しパターンは記憶の限り東大4Aでは初めてのことのように思われる。

なお、本文全体を熟読すべきかは人により判断が分かれるところではあるが、少なくとも下線を含む一文はちゃんと読むべきであろう。
殊に、2022年4Aの長文は、おそらくこの年の英語長文の中で最も読みづらい部類の文章だった。
このレベルの文章をすらすら読める受験生にとっては、1Bや4Bや5の長文は赤子の手をひねるくらい簡単に思われたであろう。

逆に、1Bや4Bや5の長文で苦戦したり共通テストの英語R程度の長文で手こずったりする受験生は4Aの長文すべてを読み込むよりも、下線部における目の付け所を学んでサクッと解答することを心がけた方が残り時間や他教科とのバランスを考えた時に現実的かもしれない。

以上、ざっと書いてみたが、この空所(21)は、2022年度の4Aの中では、最も気付きづらい選択肢であったため、本番で出くわした場合、一旦、別の選択肢を先に吟味する駆け引きも重要である。
冷静さを維持できた人が、東大英語で勝利できることを肝に銘じなければならない。
ちなみに、2023年4A(21)も難易度が高かった。
最初の設問に難問を投下して受験生の冷静な思考を奪おうとするのが、近年の東大英語部会の戦略なのかもしれない。
やはり、こうした時ほど、冷静に、取れる問題から、キッチリ得点していくことを心がけたい。時間制約の厳しい東大英語だからこそ、「1分で1点を稼ぐ」スタンスを貫かれたい。

設問(22)前置詞 ちょっといやらしい問題だけれども、意外に正答率は高い!

誤った選択肢は(e)

Though, incidentally, are not Mill’s exact words, but those of Walter Bagehot ー though Mill (e)had made→done the done most for the idea to be understood.

 

詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。

設問(23)名詞 これは瞬殺で正誤判断して欲しかった! 典型パターンです!

誤った選択肢は(b)

Public reasoning in pursuit of better decision-making (a)has been used not just in the post-Enlightenment Western world, but (b)in other societies and at other time→times, too.

 

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設問(24)動詞(語法) これもサービス問題! 見落としてはいけない1問です!

誤った選択肢は(d)

The idea that democracy is ‘government by discussion’ーand not just about votingー(d)remains as削除 extremely relevant today.

 

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設問(25)動詞(時制)

誤った選択肢は(a)

(a)I was→have been interested in this question since my schooldays when my grandfather Kshiu Mohan drew my attention to Emperor Ashoka’s rulings on public arguments, but Mill and Keynes offered me a new understanding about the role of public discussion in social choice.         

 

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いかがでしたでしょうか。
東大4Aは、コツをつかめば、ほんのちょっとの労力で3問は確実に正解できる「おいしい」問題です。
今年度の問題で言えば、(23)(24)(25)は瞬時に気づいて欲しかった設問でした。

ぜひ、過去問探究や敬天塾の映像授業などを通じて、ノウハウを学び取っていただき、東大英語で高得点を奪取していただければ、この上ない幸せです。

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