2021年東大英語(第4問A 英文法正誤)入試問題の解答(答案例)・解説

【2021-4A所感】来たる2022〜2023に比べれば、なんとも読みやすい文章です・・

2022年度入試は、多くの大問で東大側が本気を出した年でありました。
共通テスト数学の超難化にはじまり、二次試験でも全教科えげつない問題が出題されましたので合格最低点が数十点落ちた伝説の年だとも言われています。

東大足切りライン考察に役立つデータ集

4Aも例外ではありません。
2022年以降、抽象度の高い長文が出されるようになった4Aにあって、今回扱う2021年度は読みやすい文章が題材に選ばれた最後の年でもありました。
とはいえ、このレベルの文章でも意外に点数を取れていない受験生が多くいます。
高得点を取れる受験生がいる一方で、4Aで全く点数を取れない受験生がいるのはなぜでしょうか。
それは、目の付け所が違うからです。
本稿を通じて、ぜひ、その極意をマスターしてください。併せて、2022年度〜2023年度4A実況中継解説も参照すると学びが大きいことでしょう。

(編集部注)2021年度〜2023年度4A実況中継解説は映像授業【東大英語 第4問A 英文法正誤】に入っています。

それでは、設問(21)〜(25)の5つの問題を前にして、高得点合格者達はどのような思考プロセスで解いていったのか実況中継風に解説していきたいと思います!

【設問別実況中継】設問の解説だけに終わらない! しっかり学んで4Aを得意にしよう!

設問(21)2021〜2023と3年連続で文意に絡む設問が初っ端で登場!<文意(語法)>

誤った選択肢は(e)

But some say that before we domesticated any of them, we first (e)had little 削除 to domesticate ourselves.

本問は、2021年度4Aで苦戦した受験生の多い一問です。
一読したときに、明らかな間違いが見つけられなかった受験生も多いことでしょう。
入試では難易度順に設問が並んでいるわけではないので、悩んだら一旦飛ばして、確実に取れる問題を取りこぼさないようにする姿勢も合格ポイントです。
その上で、本問についてみていくとしましょう。

まず、語法知識から攻めてみると、東大4Aでは動詞の語法絡みで設問がつくられることが多いことは、他年度の敬天塾過去問実況中継でも詳述しているところです。
この点、設問(21)では、下線部(a)〜(e)のいずれにも動詞が含まれているので、この時点で、動詞の語法や時制あたりの知識を問うているのだと推察しました。

そうして、各下線部の動詞群を概観していくと、すぐに下線部(e)のhad little toという見慣れぬ表現に目が止まりました。
我々が高校で学ぶ程度の熟語知識で、have ●● to関連の語句といえば、「have something to do with(〜と関係がある)」の派生で、have nothing to do withhave little to do withあたりに限られてくるはずでしょう。
have little toというのは正直見たことがありません。
また、文法的にも、littleto不定詞以下の動詞の目的語となっていなければおかしいところ、domesticate ourselvesで完結しており、littledomesticateの目的語として入り込む余地がないわけです。
この点からして、下線部(e)が誤答だとも評価できましょう。

ですが、このような語法知識を説明されたところで、「知らなきゃ解けない問題なのかよ、実況中継というからには、もっと本格的な解説をしろよ」と思われた受験生もいらっしゃるかもしれません。
そこで、文脈から捉える解法もご紹介いたします。
既に申し上げたように今年度の問題は、2022〜2023に比べれば「ダントツ」に読みやすい文章ですので、この程度は速読してもらいたいところです。
仮に残り時間の関係で、本文全体を読む時間がなかったとしても、せめて下線を含む一文はちゃんと読むべきです。

下線部(e)を含む一文を概観してみると、before we domesticated any of them(動物たちを家畜化する「前に」)、we first had little to domesticate ourselves(我々はまず自分たち自身を家畜化することはほとんどない?)となっていますね。
ですが、これでは、正直何を言っているか全くわかりません。
動物たちを家畜化する「前」にやることがあると言っているわけですから、littlenotに近いニュアンスを出してしまっては、結局やることは何もないと言っていることとなり、論理的におかしな話となってしまいます。
なお、notに近い意味を持つ、littleseldomといった準否定や否定の副詞の語句については東大4Aで頻出なので、しっかりと確認をしておきましょう(2023実況中継設問(23)の解説参照)。

話を戻すとします。
仮に下線部(e)でlittleを温存したとしても、次の段落に視点をうつすと、第2段落冒頭でいきなりthe idea of human domesticationと出てきます。
つまり、人間を家畜化すると言っているわけです。
1B文挿入の実況中継でも述べた通り、段落同士は密接に連関しているのが常なわけですから、howeverなどの逆接の接続詞も登場していないなか、いきなり話の流れが180度転換することは原則ありえません。
このことからしても、第1段落の最後で、domesticate ourselveslittleで否定することは文脈上も不適だと評価できるわけです。

以上、ざっと書いてみましたが、この空所(21)は、2021年度の4Aの中では、空所(25)とともに気付きづらい選択肢であったかもしれません。
このような問題に本番で出くわしたら、一旦、別の選択肢を先に吟味する駆け引きも重要です。
冷静さを維持できた人が、事務処理能力テストと揶揄されることの多い東大英語で勝利できることを肝に銘じなければなりません。

ちなみに、2023年4A(21)の難易度も高かったです。
最初の設問に難問を投下して受験生の冷静な思考を奪おうとするのが、近年の東大英語部会の戦略なのかもしれません。
やはり、こうした時ほど、冷静に、取れる問題から、キッチリ得点していくことを心がけたいものです。
時間制約の厳しい東大英語だからこそ、「1分で1点を稼ぐ」スタンスを貫きましょう!

設問(22)出ました!東大頻出の並列・比較のパターン!!<並列/比較関係> 

誤った選択肢は(d)

(c)Not only could this explain some long-standing mysterie − (d)but also 削除including why our brains are strangely smaller than those of our Stonee Age ancestors − (中略)

 

詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。

設問(23)これは瞬殺で正誤判断すべきサービス問題です!<動詞(語法)>

誤った選択肢は(c)

In each new generation, he chose the most cooperative animals and (c)encouraged them to mating mate.

 

詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。

設問(24)これもサービス問題! 過去問探究をした人は報われる1問です!<並列/比較関係>

誤った選択肢は(c)

Rabbits, dogs, and pigs often have patches of white hair and folded ears, for instance,

and their brains (c)are generally smaller like than those of their wild relatives.

 

詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。

設問(25)基本的な単語ほど奥深いことを再認識させてくれる一問です!<動詞(語法)>

誤った選択肢は(d)

And like many domesticated species, young humans (d)are also programmed to learn learn from their peers for an unusually long time.

 

詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。

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映像授業【東大英語 第4問A 英文法正誤】
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