2020年東大英語(第4問A 英文法正誤)入試問題の解答(答案例)・解説
目次
【2020-4A所感】来たる2022〜2023に比べれば、なんとも読みやすい文章です・・
2022年度入試は、多くの大問で東大側が本気を出した年でありました。
共通テスト数学の超難化にはじまり、二次試験でも全教科えげつない問題が出題されましたので合格最低点が数十点落ちた伝説の年だとも言われています。
4Aも例外ではありません。
2022年以降、抽象度の高い長文が出されるようになった4Aにあって、今回扱う2020年度はまだ読みやすい文章が題材に選ばれていた時期の問題年でもありました。
とはいえ、このレベルの文章でも意外に点数を取れていない受験生が多くいます。
高得点を取れる受験生がいる一方で、4Aで全く点数を取れない受験生がいるのはなぜでしょうか。
それは、目の付け所が違うからです。
本稿を通じて、ぜひ、その極意をマスターしてください。併せて、2021年度〜2023年度4A実況中継解説も参照すると学びが大きいことでしょう。
(編集部注)2021年度〜2023年度4A実況中継解説は映像授業【東大英語 第4問A 英文法正誤】に入っています。
それでは、設問(21)〜(25)の5つの問題を前にして、高得点合格者達はどのような思考プロセスで解いていったのか実況中継風に解説していきたいと思います!
【設問別実況中継】設問の解説だけに終わらない! しっかり学んで4Aを得意にしよう!
設問(21)近年では出題頻度が落ちた「文構造」の間違い探しが求められた設問です。<文構造/文型>
誤った選択肢は(c)
Consequently, their appearance (c)in fantastic stories lively characters 文構造不成立 livelyの前にasがあればOK and magical woodlands strengthens the charming and exotic appeal of a story.
本問は、ここ数年、出題頻度が急減した文構造/文型の間違い探しが求められた設問です。
まず、真っ先に確認すべきは下線部を含んだ一文の分析です。
すると、文全体の主語がtheir appearanceで、それを受けたメインの動詞がstrengthensだとわかります。
では、この下線部(c)のどこに問題があるのでしょうか。
それは、名詞が二連続で来ていることにあります。私達が中学高校で学ぶ英文法のうち、名詞が二連続で来ても良いケースは、主に3つあります。
① 連語とみなせるもの(フレーズのようなもの)
→たとえば、seat beltsやmath teachersやflower shopsやshoe storesなどが挙げられます。細かく言えば、名詞の形容詞的用法といった文法事項に絡む話ですが、ここでは、1セットと考えても違和感のないものと捉えれば十分です。
② 関係代名詞の省略
これは、英文読解でも重要な視点ですね。something (that) the dog wantsや、the book (that) your friend gave meといったように、目的格の関係代名詞が省略された場合、文章中で不自然に名詞が連続することになります。
これは文構造的におかしいぞ、もしや関係代名詞が省略されているのでは? と気付けなくてはいけません。
③ 第4文型や第5文型の目的語
たとえば、I bought my mother this shirt. や Please call the dog Kate.といったように、第4文型〜第5文型を取る数少ない動詞の目的語として名詞が2連続で来るケースもあります。
さて、以上を元に、下線部(c)を精査してみるとしましょう。
まず、fantastic storiesという名詞のカタマリ(形容詞+名詞)と、lively charactersという名詞のカタマリ(形容詞+名詞)が並列しています。
普通に考えて「ありえない」ことが起きています。
beautiful girls cool boysといっているようなものです。andで結ぶならまだしも。
ですが、私達は上で名詞が2連続で来るパターンについて学びました。
下線部(c)がいずれかに当てはまれば正解の選択肢になるはずですね。
まず、下線部(c)を含む一文には動詞がstrengthensの1つしかなく、下線部(c)のだいぶ後ろの方にあります。
ということは、fantastic storiesやlively charactersが、何かの動詞の目的語として並列している線は消えましたので③はありえなさそうです。
受動態でもあれば動詞の前に目的語が来ても問題はありませんが下線部前後には見当たりません。
次に、関係代名詞の省略を疑わねばですが、仮にfantastic stories の後に関係代名詞が省略されていたなら、strengthensが関係代名詞内の動詞となります。
ですが、それだと、下線部(c)を含む一文全体の中核をなすメインの動詞が存在しないことになってしまいます。
さらには、strengthensには三単現のsがついているところ、lively characters and magical woodlandsを関係代名詞内の主語と仮定するなら、三単現のsはつけてはいけないはずです。
以上より、②の線も消えました。
最後に、連語とみなせるかどうかですが、形容詞(fantastic) 名詞(stories) 形容詞(lively) 名詞(characters)という順番で4つの単語が連語になっているようなフレーズは見たことがありませんし、どういう文構造なのか全くもって理解できません。
このことから、①の可能性も消えました。
以上より、下線部(c)は、文構造的にありえない形となっているので誤りだと判断せねばなりません。英作文でもこのようなミスを犯す人は多く、東大教授は本問を通じて注意喚起を促しているのかもしれませんね。
設問(22)正誤問題でよく出る受動態で注意すべき鉄則4つを確認しましょう!<動詞(語法)>
誤った選択肢は(c)
As the sacred ” upside-down tree”, whose roots were in the sky and branches reached the earth, it (c)was 削除 functioned also as a representation of the universe.
東大頻出の動詞(語法)の登場です。動詞の切り口については、2023年度4A実況中継(22)と(24)や、2022年度(24)と(25)、2021年度(23)と(25)の実況中継解説でも詳述していますので、併せてご確認いただけると幸いです。
さて、本問では、受動態に絡めて動詞の語法知識を問うてきています。
実は、受動態というのは正誤問題を作る側からすると非常にありがたい文法分野なのです。
なぜなら、教授が仕掛けた罠に受験生が次々とかかってくれるからです。
逆に言えば、受動態に絡めて大学教授陣がどのような切り口で問題を作っているのか事前に知っておけば、スピーディーに誤答を見つけられるようにもなりましょう。
ここで、正誤問題における受動態関連の鉄則を4つご案内いたします。
(鉄則その1)受動態をみたら、直ちに他動詞か自動詞かを疑え。その際、能動態に戻して考えると気付きやすい。
ここから先の詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
設問(23)分詞がらみの出題率は極めて高いので要チェックです!<動詞(分詞)>
誤った選択肢は(b)
While some writers of fantasy fiction use fantastic trees and forests only (c)as important elements of their world-building, numerous others have recognized (b)the potential locking locked in the image of myths and fairy tales.
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
設問(24)これはサービス問題! 瞬殺できなかった方は、基礎固めを進めましょう!<動詞(語法)>
誤った選択肢は(e)
…, but also we are slowly “migrating” into the cyberspace (e)where we are easy to easily forget about our connection with the rest of the living world.
映像授業でご紹介したbe easy to構文です。
通称、「タフ構文」と呼ばれるもので英作文でも誤用している受験生が多くいます。
この構文で重要なのは、This question is easy to solve.のように、to不定詞の中にある動詞の目的語が文の主語になっているということです。
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設問(25)これは高校受験レベルのサービス問題です。熟語力強化を!<動詞(語法/熟語)>
誤った選択肢は(b)
Fortunately, fantasy fictionー(a)the heir to the traditions of myths and fairy talesー may still (b)remind us the spiritual value of nature. ofをtheの前に挿入
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
いかがでしたでしょうか。東大4Aは、コツをつかめば、ほんのちょっとの労力で3問は確実に正解できる「おいしい」問題です。
今年度の問題で言えば、(21)(24)(25)は瞬時に気づいて欲しかった設問でした。
ぜひ、過去問探究や敬天塾の映像授業などを通じて、ノウハウを学び取っていただき、東大英語で高得点を奪取していただければ、この上ない幸せです。
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映像授業【東大英語 第4問A 英文法正誤】
過去問に対して、これでもかと噛み砕いて説明した《実況中継》の解説もございます。
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