2018年 東大理系数学 第6問の解説(空間図形、2次不等式、積分、切断面)

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2018年 東大理系数学 第6問の解説(空間図形、2次不等式、積分、切断面)

まずはいつも通り問題をどうぞ。
東大理系では昔から空間図形が頻出だと言われています。そして、たまに物凄い難問が含まれます。(一方で、易しい問題もありますが。)
その点で、この問題は実に東大らしい問題だと思いますね。
・空間図形の共通部分
・単なる積分計算で終わらない。
・小問構成。
・基本の組み合わせで解ける。
・空間図形ばかりでなく、別単元の考えも用いる
などなど、よく練られた問題だと思いました。
入試で出題されたら、得点し辛いような気もしますが、これからの受験生にとって練習問題として非常におススメ。
まだ解いていない方は、ぜひチャレンジしてみて下さい。

(1)切断=次元下がる、移動=次元上がる

では(1)から見ていこうと思いますが、(1)は図形が共通する条件。実は、この問題が一番重たかったりします。
空間図形の超重要な定石の手段として「切断して平面図形にする」というのがありますが、ここでも非常に効果的です。ちなみに、座標を一つ固定するとか、z=tの平面で考えるとか、全て切断してるのと同じです。

空間図形を切断すると平面図形になりますから、グッと解きやすくなるということです。
 
ちなみに、切断すると次元が一つ下がり、移動すると次元が上がります。言い換えれば、切断は次元を一つ下げる行為で、移動は次元を一つ上げる行為なのです。
この問題は、球が移動しているので4次元になるかと思いきや、4時限目の時間は固定されている(別に時間の前後を意識しなくて良い)ので、結局3次元の問題です。

xyzどこの軸で切断する?

次にどの軸で切断するかの判断なのですが、皆さんは何を基準に判断してますか?
今回はV1とV3の共通部分の体積を求めるのですが、ポイントはどの軸に対して動いているか、を考えること。すなわちV1とV3の移動に関係ないy軸方向で切断するのが良いyのです。

y軸で切断するということで、y=tを代入してみると、その切断面が円になります。
そりゃそうです。球を切断したら、必ず円になりますから。
 
最終的に求めるのはV1とV3の共通部分ですが、いきなりでは難しいので別々に書いて考えるのも良いでしょう。
空間図形は紙に図示するのが難しいからと言って、頭の中で空間図形をイメージして取り組む人が多いですが、紙に描いた方が圧倒的に解きやすくなります。
というか、空間図形の問題の解答力は、紙に書く力とかなり相関があるような気がしますね。
 

半径で場合分け

さて、y=tの切断面には円が二つ登場するわけですが、同一平面上に書こうとすると半径の大きさが気になるはず。
そこで、半径を場合分けして図を描けば、(1)が解けます。
では、手書きの解答をどうぞ。

(2)円が図形を含む条件=中心から遠いところを探す

(2)は、(1)の延長の問題です。今度はV2が登場しますので、先ほどの図にV2を書き込もうとすれば、方針が立ちます。
V2が、V1かつV3を含むということで、先ほどの共通部分の中で、中心から最も遠い場所を探せば答えが出ます。
円は中心からの距離が等しい点の集合ですから、図形的な処理をする場合、中心からの距離を考えるのがセオリーです。

常に+不等式=最大最小問題

さて、ここでは2次不等式が出ますが、2次不等式が常に成り立つ条件ですね。これは最大最小問題にすり替えて解きます。
例えば、「クラス全員が赤点ではない」条件は、「クラスの最低点が赤点ではない」と言い換えられます。
これと同じで、「f(x)≧0が常に成り立つ」条件は、「f(x)の最小値≧0」と同値なのです。

この言い換えは、かなり使えます。頻出ですので、ぜひ知っておきましょう。

(1)よりは解きやすいような気がしますが、突然の2次不等式に驚かないように。
 

(3)珍しい! 空間図形×ド・モルガンの法則

次に(3)ですが、結論から言うとド・モルガンの法則を使います。
しかし、この発想が中々出ない方も多いのではないでしょうか?空間図形と絡める問題は非常に珍しいですので、個人的にはとても興味深いと思いました。
 
どこから連想するかと言えば、やはりSとTの定義からでしょうか。
SはV1の体積で、TはV1かつV2の体積ですが、これだけで全体の体積を求めるということは、V2の体積とかV3の体積、それらの共通部分など、難しいところもSとTを使って求められるはず。
この辺りから、集合を発想するのでしょうね。でも難しいなぁ
 
では、手書きの解答です。
 

(4)計算のみ!

最後の(4)ですが、(3)まで解けてしまったら、(4)はもらったようなものでしょう。
SとTを求めれば答えが出ます。きっと興奮して手が止まらないのではないでしょうか?
 
Sは簡単に求められます。
TはV1とV2の共通部分ですが、これも慣れていれば簡単。とは言っても、Tを求めるだけでもそこそこ難しい問題なんですけどね。(1)と同じように、切断してから図を描けば解けるでしょう。
 
最後に計算をして終わり。計算ミスが誘発されそうな雰囲気ですので、ご注意を。
 

まとめ

さて、さいごに一言ですが、ここまで読んできて(1)や(2)が解けなくても、(3)と(4)が解けるのに気づいたでしょうか?
東大は、小問構成の場合が多く、それらが誘導問題になっています。
しかし、(1)が解けなくても(2)が解ける場合も見受けられます。
 
いつも言っていますが、ペンを持つ前に問題文を最後まで読むこと!
(1)から取り組んで0点だった人も、(3)と(4)で10点くらいもらえるかもしれません。
(特に(4)のSを求めるところなら、カンタン!)
 
こういう、作戦面も含めて練習に良い問題でした。
東大理系を目指すなら、今後必須の問題でしょう。

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