2015年東大理系数学(第3問)入試問題の解答(答案例)・解説(微分、積分、共有点の個数、体積、回転体)

 

いきなり余談

先日、私のHPを見て東大に入学したという方とお話したんですが、印象に残ってる記事として、本シリーズを挙げてくれました。 この、東大入試数学の解説を書くのって手間がかかるんですよね。 東大入試を解きなおして 問題の解法やポイントを整理し直して ブログの本文の部分と手書きの解答に書く部分を決めて 手書きの解答を作って(これが一番大変) それをスキャンして と、一つの記事を書くのに3~4時間かかるので、余裕のある時にしか出来ないのです。見知らぬ誰かのためになっていると知れて、非常に救われましたね。 他の塾や予備校の数学の解説とは、意識的に差別化して書いていますので、そういうポイントに注目してもらえると非常に有り難いと思うのですが、皆さんお分かりでしょうか? ・一問ずつの解答(技術、戦術レベル)だけではなく、その年の問題を全て解説する。(先生は、解説出来る問題しか解説したくないという心理があるので) ・同じ年度の問題を横に並べて比較検討し時間配分や、点数配分に言及する(作戦レベル) ・解答の流れだけではなくて、どうしたらその解答が思いつくかという、発想の得方に力点を置く。 ・あっと驚く(つまり、先生だけが思いつくような)素晴らしい解答ではなく、教科書の勉強を地道に積んだ生徒が書きやすい解答を優先する。 などなど、僕なりに気を遣って書いてました。 あんまり同業者に見られたくないポイントもあるんですけど(笑)、まあそういうところも含めて楽しんで読んでもらえれば良いかなと思いますね。 では、前置きが長くなりましたが、2015年の第三問です。

2015年 東大数学 理系第3問の解説(微分、積分、共有点の個数、体積、回転体)

2015年 東大入試数学 理系第3問 解答解説

一読して最後まで予想がつく

読んだ第一印象として、あまり悩まず、最後の方まで予想が付く問題。 だって、グラフが接する条件を求めて、定数の値を出すのが(1)。んでもって(2)で求積して、(3)で特定の値の時に限定するわけです。 しかも、回転体の体積って、中学受験とか、高校受験じゃないんだからと。 教科書の章末問題でも、同じ流れの問題が出るんじゃないかというくらい、非常にスタンダードな流れの問題。

解く上で考えること その①必ず部分点を取る

こういう問題に出くわしたら、少なくとも2つの事は思いましょう。 1つは、必ず部分点を取るべき問題だということ。 この問題のレベルで、全く手が付かないようでは、かなりマズイでしょうね。計算が煩雑で手がストップしてしまうことはあるかもしれませんが、方針が立たなくてストップするのは非常にマズイです。 計算が面倒でなければ、満点を狙ってもおかしくない問題ですから。

解く上で考えること その①計算が面倒になることを警戒せよ

もう一つは、計算が面倒になるかもな、と警戒すること。 いや、もちろん解いてみなければ分からないんですよ。積分の計算過程まで、問題文から予想出来なくても良いですし、する必要はあまりないと思います。 しかし、東大入試って煩雑な計算をさせることも多いですし、このシンプルな問題で計算が簡単で終わる事はないだろうと、少なくとも警戒はしましょう。 逆に、物凄く計算が簡単になるように、数字が設定されているとしたら、絶対に高得点を取らなくてはならない問題になります。取らなきゃ死亡、取っても差を付けられる問題ではないというくらいに思って良いでしょう。

2曲線の共有点が1つになる条件

では、一つ一つ見ていきますと、(1)は「2曲線の共有点が1点のみになる条件」を求める問題。 これが、二次関数と直線だったら、判別式が0だけで終わりなんですけどね。 残念ながら極値や凹凸、漸近線などを知らない(という振りをして)解かなければならない問題です。 logの方に関しては、教科書に書いてあるグラフですから、グラフの凹凸や漸近線など知ってる前提で進めて良いですが、 ax^pの方は、(どうせ、あんな形になるだろう)とほとんどわかっているにも関わらず、ちゃんと調べなきゃいけない曲線です。 さて、2つの関数の共有点の個数を調べる時には、別々にグラフを書いて調べたりしませんね。 差を取った関数のグラフを書くのが定石です。 差を取って、微分して、増減表を書いてみると、一度だけ極小値を取って、両端は単調増加になる関数だと判明しますね。 あとは、両端の極限を取ってみると、どちらも正の無限大に発散。ということは、極小値でx軸に接するしかないという結論になります。 以上、回り道したように思えますが、予想通り接する条件になりました。めでたしめでたし。 細かくは、手書きの解答で確認して下さい。

積分計算して終わり♪

次に(2)ですが、(1)で得た情報をもとにグラフを書いて、該当する部分を確認して、積分計算をすれば終わりですね。 そこで、やはり出ましたよ。(log)^2の積分計算!これは面倒ですね。 さて、僕が常日頃言ってる事ですが、面倒な計算は罠(の可能性が高い)です! 面倒な計算は、やたらと時間がかかる割に、計算ミスの可能性が高い。 つまり無暗に時間を使って、1点も得られない可能性があるわけです。 こんな問題に優先的に時間を使うのは下策だと思うのですが、受験生はマジメですから、生じた問題には手を出してしまうんですよね。 「落としてはならない城がある」と言う言葉を、よく覚えておいてください。

等式を解いて終わり♪♪♪

但し、この問題に関しては(3)があります。 しかも、(3)は非常に計算が簡単な可能性が高い!(2)の計算結果を、=2πとするだけですからね。 ということは、(2)で正解出来れば(3)も正解出来るわけです。 「(2)は罠だから時間をかけすぎるな」と言いましたが、(2)さえ解ければ(3)までの点数がもらえる。そのメリットを見越して、あえて(2)以降に時間を多めにかけるなら、作戦としてアリでしょう。 以上、手書きの解答以外で必要な部分は触れました。あとは下の画像を見ながら、細かい計算の仕方を確認しておいてください。 
2015年東大数学 理系第3問_000100

まとめ

計算は、やはり結構面倒ですね。 相当慎重にやらないと、失敗する可能性は高いでしょう。 過去問演習って言うのは、レベル感のチェックや、時間配分の検討、過去の出題傾向を把握するなんて、当たり前中の当たり前です。やって当然。 この問題では、是非とも面倒な計算にかかる時間のチェックをしてほしいですね。 そして、自分は本番の緊張状態の中、この複雑な計算を正確に当てられるのだろうかとも、考えてほしいと思います。

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