2019年 東大数学 文系第1問 理系第2問(座標と図形、元と式の本数、最大最小)

2019年 東大数学 文系第1問 理系第2問

今日も解説行きましょう。 文系第1問と理系第2問が共通問題だったので、同時に解説してしまいます。   文系の問題はこちら  

理系の問題はこちら

    

共通問題なので、似てますね。しかし、文系と理系で大きく違うわけではありません。というか、理系の問題が文系で出されてもおかしくないような気も。   まずは、この話のカラクリを解説しましょう。

直角にかかわる図形が出たら、座標を設定せよ!

理系の問題を再度ご覧ください。

ただ単に正方形が与えられ、辺の上を点が動いています。 これを図形の問題として解くこともできるのですが、ここで大切なポイントがあります。 それは 「直角関係の図形が登場したら、座標を設定せよ!」   正方形、長方形、直角三角形や立方体など、角度に直角を含むような図形を見かけたら、座標の設定を考えるのです。 これにより、式の処理がとても簡単に済むことが多々あります。   それを踏まえて、文系の問題をみてみましょう。

 

問題文の中に、すでに座標が設定されていますね。 つまり、理系の問題は、「座標の設定ができるか?」という考え方を問われていたわけです。

 

元と式の本数を数えよ!

座標を設定すると、pとqとrの3文字が登場することが分かります。 このように、不明な量(連立方程式の時に登場する文字の数)を元と言います。中2で習ったアレは、2元連立方程式と言ったりしますよね。   これに対して、三角形の面積が1/3という条件が2つ。つまり、等式が2本立つことが分かります。   さて、3つの元に対して、2本の式が立ちますが、この数字が大切です。

解ける連立方程式では、元=式の本数

通常の連立方程式では、元の数と式の本数が等しくなって、全ての元の値が求められます。 例えば、 2x+3y=10 x-y=5 のような連立方程式ならば、2元で2式なので、xとyの値が求められる、といった具合。 このように、元=式の本数 の場合、連立方程式が解けるのです。  

元ー式の本数 で残る文字の数が分かる。

この問題では、3元と2式の問題でしたが、このような時にはどうなるでしょうか? 結論から言ってしまうと、3-2=1と計算して、1文字分の不明量が残ると考えます。 公式化するなら、「元ー式の本数=残る文字の個数」だということです。   今回は、pとqとrの3元でしたが、どれか1つの元だけ残して、他の2つを消去するのです。 すなわち ①pとqを消去して、rを残す ②pとrを消去して、qを残す ③qとrを消去して、pを残す の3方針が立つのです。 どれを採用しても、最後には1文字の問題になります。

文系(1)のカラクリを解き明かそう

これを踏まえて、文系(1)の問題をご覧ください。 「qとrをpで表し」とありますね。これは、上の3方針のうち ③qとrを消去し、pを残す を採用する問題だということですね。   ちなみに、理系ならqを残す方針でも解けますね。お好きな方でどうぞ。  

開始数分でここまで読め!!

そして、求めるのは何でしょうか? 文系では、CR/OQで、理系ではDR/AQとなってますが、文字に直せばどちらもr/qの値です。   しかし、上記の方針から、rもqもpで表すので、結局は 「(何らかのpの式)の最大最小を求めよ」 という問題になります。   さて、ここまで長々と書いてきましたが、ここまでは問題を見て、開始数分で検討すことです。解きながら気づいてはいけません。このような訓練を徹底的に積むと、本番でも容易にできるようになるでしょう。   では、手書きの解答をどうぞ、ご覧ください。

 

結局は3次関数

求めるのが分数式だったのですが、pに統一してしまうと、なんと分母に文字が消えて、ただの3次関数になってしまいます。 ということは、定義域を求めて、増減表を描いて終わり♪   これは、取りたい問題でした(文理ともに)  

敬天塾作成の解説

2019(1)文数 解説

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