2019年 東大数学 文系第2問 (絶対値の外し方、領域図示、傾きに注目)

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2019年 東大数学 文系第2問

 

今日は、文系第2問です。

なにやら複雑そうな問題ですが、一つ一つ解読していきましょう。

問題文で分かるものは、どんどん求める。

問題文を読むと、不思議な直線lの定義があります。なぜこういう記述をしたかよくわかりませんが、とにかく簡単なので求めてしまいましょう。x+y=4です。

 

次に、条件1において、ベクトルの内積が登場していますが、点Aも点Pも、問題文中に成分が定義されていますから、そのまま計算してしまいましょう。2x+2yですね。

すると、8≦2x+2y≦17ですから、辺々2で割って、直線の帯になる領域が得られます。

 

また、条件2において、点Oと直線lの距離cも簡単に求められちゃいます。

点Oはもちろん(0,0)ですし、直線lはx+y=4ですから、点と直線の距離の公式を遣ったら、c=2√2と求められます。

 

とこのように、なんかよくわからないうちに、色々な値が計算できてしまいます。

このようなものは、正確に計算するだけで部分点が(わずかながらでも)もらえますから、一気に計算してしまいましょう。

このブログでは、「手を動かす前に通読しろ!」という主張をいつもしていますが、このレベルの簡単な値であれば、むしろすぐに求める方が賢いでしょう。

具体的な値が分かった方が、見通しがよくなることが多いからです。

点と直線の距離の絶対値の外し方

さて、具体的に数字がわかる部分は、上で全て計算しましたから、他の部分に行きましょう。

dに関しては、点Pの座標が(p、q)ですから、具体的な数字になるわけがありません。考えても仕方ないので、これも計算してしまいます。

すると、分子に中身が文字式の絶対値が登場します。

 

|p+q-4|ですが、この絶対値の外し方をご存じでしょうか。

一番簡単なのは、右辺ごと2乗してしまうことですね。ただ、この場合は次数が上がってしまうので、常におススメする方法ではありません。

 

他には、場合分けをする方法ですね。当然、中身が正の時はプラスで外し、中身が負の時はマイナスをかけて外します。

これは、必ず外れるので、通常使う方法なのですが、場合分けが出てきて面倒です。

 

最後は、直線と点の位置関係を見る方法です。

点と直線の距離の公式の分子は、点を直線の式に代入したものになっています。

だから、点が直線より上にあるならプラスで外し、点が直線より下ならばマイナスで外す、という方法が有効です。

 

今回の問題は、点Pが直線lより上にあるか、下にあるかは不明なのですが、条件1の結果の式をよく見ると、絶対値の中身が正になる条件が得られます。

つまり、(条件1)かつ(条件2)の論理を考えると、絶対値が外れてしまうのです。

これを深堀して言うと、点Pは常に直線lより上側にあることが、結果的にわかるということですね。

ちなみに、点Pと直線lの位置関係が分かったところで、この問題を解くには不要な情報なのですが、知っておくと得する問題もあります。

領域Dを図示して、面積を計算

分かったところで、領域Dを図示してみましょう。直線と放物線の位置関係を注意して、共有点を求めつつ図示しましょう。

 

また、面積計算は、東大で頻出(というか、ほぼ必ず使う)1/6公式を利用すれ

ば、簡単です。

とりあえず、ここまで手書きの解答をどうぞ。

「cosΘの範囲を求めよ」の背景とは?

さて、(2)に行きましょう。OPとx軸のなす角Θに対して、cosΘのとりうる値の範囲を求めよ、という問題です。

これはsinやtanではダメです。なぜなら、Θの範囲を考えると、0<Θ<πの範囲なので、sinやtanでは、同じ角度が2つ登場してしまうからです。

 

さて、このような場合に考えることは何でしょう。傾きです

このような問題のタイプは「線形計画法」などと言われますが、領域の共有点の問題と見せかけて、「傾きに注目する」問題です。

 

領域Dと共有点を持つような直線を求めて、その時のcosΘを求めるという流れを踏まえれば答えになります。

ということで、手書きの解答はこちら。

まとめ

今年の問題の特徴なのですが、方針自体は簡単に立つのに20点取るために必要な計算量が多い問題が目立ちました。

理系もそのような印象でしたし、計算量が多い問題を求めるのは、今に始まったことではなく、少し前から求められてきた能力です。

 

計算力は、幼少期の訓練が重要。

そうなると、中学受験の相対的位置づけが大事になる気がしますね。

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