東大国語は、ツーパターンのみ!
前回までは、東大英語の過去問研究を行ってきた、本シリーズですが、今回からは国語に行きましょう!
東大国語の特徴
東大は、理系でも二次試験に国語の問題があるという事で有名です。
逆に言うと、理系の受験生は二次試験で国語を使うことはレアケース。つまりセンターで人生の国語の勉強は終わりというのが普通です。(さらに、私大専願の場合は、国語の試験は一切ありません)
しかし東大では、昔から理系の学生にも国語の記述式の問題を解かせます。
という事は、東大は理系学生にも、国語の読解力や記述力が必要だと考えているのでしょう。
平均点が低く、あまり対策をしない理系の受験生が多いのも、これまた有名ですが、私は理系でも国語の対策をしっかり行うべきだという考えです。
と言っても、理系と文系では、国語の配点や解答時間が違います。
簡単にまとめてみましたので、どうぞ。
理系は文系の問題の簡易版と言うのか、文系は理系の問題の強化版と言うのか、どちらが正確かは分かりませんが、ほとんど同じ問題です。
が、文系は4問構成で、第一問が評論文、第二問が古文、第三問が漢文、第四問が現代文(エッセイ風の場合が多い)となっています。
理系は文系の第四問がなく、全体で3問構成です。
2016年の問題を比較してみましょう。
すると分かるのが、理系は文系の設問をカットされているだけです。
つまり、設問がひねられているとか、聞き方が難しくなっているわけではなく、単純に設問数が減らされているだけ。
つまり、文系にだけ存在する問題は、比較的難しい問題、もしくは時間がかかる問題という事になるでしょう。
具体的に言うと、
文系の古文の(三)と(四)をカットして、文系の漢文の(一)の現代語訳の一つと、(三)をカットしたのが理系の古文でした。
さらに、設問の内容を見てみましょう。
(もちろん、本シリーズの主旨なので、問題を解く必要はありません。眺めるだけです。)
これは、2016年の国語の第一問の設問部分ですが、お気づきでしょうか?
まず、漢字の書き取り以外は、全て記述問題であること、
そして、全て「どういうことか、説明せよ。」という問題であることが、非常に特徴的です。
2016年はたまたま「どういうことか」ばかりでしたが、もう一つのパターンとして「なぜか、説明せよ。」というのもあります。
東大入試は、ずっと昔から「どういうことか」と「なぜか」という問題が出題され続けているそうです。
また、最後の設問以外に字数指定がありません。
その代わりに、(上の画像からは判断出来ませんが)行数指定があります。
40字程度が書ける枠が2行与えられる場合が多く、つまり80字程度でまとめる力が必要です。(字数は、その人が書く字の大きさによります)
一方、最後の設問は、いわゆる120字問題と言って字数指定です。解答用紙にはマス目が与えられています。
と、色々書いてきましたが、今日は全体像をお話しました。
東大の問題はひたすら記述ばかりで、出題パターンが2パターンしかなく、理系と文系がほとんど同じ問題である、というようなポイントは、問題を広げて眺めてみれば、誰でもわかると思います。
こういう事が低学年のうちに分かっていれば、国語の記述力を付ける訓練をしようとか、古文も漢文も真面目に勉強しようという、戦略が立てられます。
やはり、
分析が基本だということです。