国語9月②2014年漢文
こんにちは、スタッフAです。
今回は、2014年の漢文を扱いました。
事前に問題を解いて提出し、生徒同士の答案を比較して、誤りや良い点を指摘しました。
(1)
明帝の意を問われた問題です。文末を反語で訳すか疑問で訳すか悩む問題でした。授業内では、どちらでも良いのではないかという意見が多かったように感じます。一般的に、反語を使って会話をすることはほとんどありませんが、この問の答案としてはどちらでも問題ないと感じました。
「豈ニ」「ンヤ」は反語になり易い表現です。
(2)
「礼儀」の訳し方について、意見が分かれました。現代語訳にそのまま「礼儀」を用いる生徒、現代語の「礼儀」と違いがあるため「人としての正しい道」と訳した生徒、現代語の「礼儀」との違いを示しつつ「礼儀の故事」として生徒などがいました。「礼儀の故事」という表現いいですね。達者な書き方だと感じました。
また、「見て」とするか「聞いて」とするかで答案が分かれました。どちらでも問題ないという前提に立った上で、傍線部以前に「入りて告ぐ」とあるので、明帝は空間的に移動し、言葉を発していると考えて、「聞いて」がより良いと、個人的には思いました。僅かな差異ですが、生徒同士で意見を交わした時間は、とても有意義でした。
文末を「分かりました」と「知りました」どちらで訳すかについても意見が別れました。こちらも同様に、どちらでも問題ないとしつつ、「その故を知らず」を「その理由が分からなかった」と訳すならば、「分かりました」が良いと思いました。
(3)
文末を過去形にするか現在形にするかで、意見が分かれました。漢文には、文法上の時制がないので、作問者の設定した送り仮名に従うのが良いという意見を聞き、納得しました。ただし、「終に/遂に/竟に(ついに)」や「嘗て(かつて)」などの表現は存在します。また、漢文には敬語表現がないことも、この時知りました。
「況シテ」の比較についても、生徒同士で異なる表現がありました。臣下は、一般的には君主と近いため、本文中に「疎遠」とあることから、皇后との比較を入れるべきという意見がありました。個人的には、支持します。
(4)
「反論してきたと思い込み、立腹したから」など、怒ったことまで言及する答案が2つありました。これについては、「設問に、太宗が怒って、とあるので不要」との意見が出され、みな納得していたように思います。設問を確認してから答案を作成しますが、検討中に忘れてしまい、不要なことを記述してしまうことはよくあります。最後に、設問をもう一度見る習慣を身につけたいと思います。
次回は、漢詩を扱います。