2015年 東大文系数学 第1問(真偽判定、常にの不等式、有名不等式)

2015年 東大文系数学 第1問

2015年東大数学 文系第1問 解答解説

珍しく真偽判定の問題

珍しく真偽判定の問題ですね。 命題2つに関して真偽の判定をしろとの事ですが、どうやら二つにあまり関連性はなさそう。つまり、いわゆる誘導になってなさそうですから、出来そうな方から解けば良いでしょう。 ※命題Aは正の整数で、命題Bはただの整数だし、命題Aはnだけに対して、命題Bはnとmが登場するので、ぱっと見で関連性はなさそうだと判断できます。 さて、真偽の判定の仕方ですが、これは「反例が存在するかどうか」です。 反例が存在すれば偽、判例が存在しなければ真です。 これを頭に置いて、命題Aから見ていきましょう。

反例を探す問題は「常に」と言い換えよう

命題Aの不等式は、まさか分母に26を置いたままで計算する人はいないでしょうから、とりあえず分母を払いますね。 すると、n^3-26n^2+2600≧0 となります。 ここで真偽判定のチェックの仕方を思い出してください。反例が一つでもあれば偽で、反例が一つもなければ真です。 この「反例が一つもなければ」という言葉の代わりに「常に」という言葉を使いましょう。 そして「常に」という言葉は超キーワードなのです。

常に + 不等式 は最大最小問題

まずは、ポイントの説明からしましょう。 「常に」と「不等式」の組み合わせを見たら、最大最小問題に切り替わります。 よく数学の先生が使う例えを紹介しますと、 「クラスの最低点が60点以上だ」と言ったら、「クラス全員が60点以上だ」ってわかるのと同じです。 これをこの問題に応用しましょう。 「常に」 n^3-26n^2+2600≧0 が成立するかどうかを問われていますので、左辺の最小値が右辺を超えるかどうかを調べることになります。 左辺の式を見るとnの3次式。3次式の最大最小の求め方は、3次関数と見てグラフを書くのが、これまたセオリーです。(二次式だったら色々と武器があるのですが) という事で、あとは左辺の3次式のグラフを書けば解けるな、という目途が立ちます。

定義域が整数と、定義域が実数の問題は違う

ちなみにnは整数値ですが、3次関数は定義域が実数です。 だから、左辺のグラフを書いた後に、一番近くの整数の点を探さなければならない事に注意して下さいね。 手書きの解答を見ても、最小値はx=52/3の時なんですが、n=52/3を代入することは出来ませんから、一番近くの整数であるn=17で解答を進めています。

偽の証明は反例だけ書けばよい

また、偽の証明は反例を示せば良いので、解答用紙にはあまり色々書かなくて良いです。 「命題Aは偽である。反例はn=17である。」 とだけ書けば良いんでしょうけど、あまりにも簡素過ぎると感じたなら、n=17の時の計算結果を少し書いておけば安心です。 何にしろ、3次関数のグラフの辺りは、解答用紙に書かなくて良いと思います。n=17を導くまでの思考回路では必要ですけどね。 では、手書きの解答をどうぞ。 

 

命題B 文字を減らそう

では、命題Bへ移りましょう。 基本的な考え方は同じですが、変数が多いですね。nとmとlが登場します。 5n+5m+3l=1 の時に 10mn+3ml+3nl<0 を示せという事です。 等式が一本あるので、文字を一文字減らしてしまいましょう。 1式目も2式目も、nとmは対称性があり、lだけ特殊な使われ方をしてますから、lを消去するのが自然でしょう。 1式目を、3l=・・・ の形に直して、2式目の左辺に代入します。 すると、 m‐5m^2+n-5n^2 という、mとnが独立した形になります。 という事は、m-5m^2<0だけ証明すれば、同時にn-5n^2<0も証明されたことになりますから、やはり対称性を保ちつつ変形したのが正解でした。

有名不等式を覚えよう

さて、mと5m^2の大小関係ですが、これは有名な不等式「m≦m^2」が使えそうですね。 もちろん、使える時のmの条件もありますから、この辺りを細かく丁寧にチェックして下さい。上手く使えば、これで解答終わりです。 ちなみに、この不等式の事を知らない受験生も多いと思うので証明や補足も載せましたし、この不等式を思いつかなかった人のための解答も載せましたので、参考にして下さい。 細かい事は、手書きの解答をご覧くださいませ。 

2014年東大数学 文系第1問1_000090
2014年東大数学 文系第1問2_000091

まとめ

整数の最大値、最小値の扱いは、あまりやった事がないかもしれませんが、関数のグラフを書いて、最大値や最小値付近の整数を調べる方法は、東大で過去にも登場しているので押さえておいて欲しいですね。 また、有名不等式もいくつか教科書や参考書に載っていますから、それもこの際、一度まとめて調べておくのも良いでしょう。 特殊な不等式のくくりでは、相加相乗、コーシーシュワルツ、三角不等式、絶対不等式、実数条件・・・と結構いっぱい登場します。

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