時間制約が日本一厳しい東大英語制覇の鍵は国語力

東大の英語は、何が難しいのだろう。読解という点で言えば、京都大学や大阪大学の方が遥かに歯ごたえはあるし、英作文の難易度では一橋大学が、リスニングの難易度では東京外国語大学の方が遥かに難しい。

では、東京大学の英語は何が厳しいのだろう。それは、「時間」である。

東大英語は、英文要約・段落整序・英作文・リスニング・正誤判定・英文和訳・物語文という多種多様な形式の問題を120分という時間制約の中で解く「事務処理能力テスト」と揶揄されることがある。

正直に言って、問題そのもののクオリティは上述したように京大や阪大の方が遥かに高く、語彙レベルに至っては早慶の足元にも及ばない。

しかしながら、適切な訓練をせねば、なかなか解き終わらないのが東大英語なのである。1問1問じっくり熟考するだけの時間的ゆとりがないのが東大英語の難しさなのだ。

そのため、速読速解が重要だと多くの先生方は仰るわけだが、それは間違いない。ただし、それだけでは東大英語に太刀打ちはできない。実のところ、英語以前の問題なのである。

ズバリ「国語力」なのだ。

1Aの英文要約や1Bの文挿入、あるいは4Bや5の英文和訳を例にとると、これらは本文の大意をスピーディーに掴み取り、頭で理解したことをすぐさま適切に日本語に落とし込む能力があれば、然程時間がかからない。

実は、1Aや4Bで手こずっている人は、英語力というよりも「要約力」と「記述慣れ」によるところも大きい。添削指導を頻繁に受けていれば、「記述慣れ」は実現できるが、大意を瞬時につかむ訓練(最近ではスキミングなどと言われたりもするが)をしている受験生は極めて少ない。

英単語をいくら覚えても、英語の予備校講座をどんなにたくさん取っても、なかなか東大英語の点数が上がらないと嘆かれる人は、十分な量の添削指導を受けているか、大意を掴み取る訓練をしているか確認されたい。そこに、東大英語における得点率を爆発的に引き上げるコツが隠されているやもしれない。

なお、要約力を上げるには、背景知識のストック量も重要になってくる。そのため、『速読英単語』や『リンガメタリカ』『多読英語長文』『FINAL時事英語』などの受験参考書をはじめとし、多くの書籍を敬天塾では生徒たちにご紹介している。

原子力発電所というワードを聞いたことがない人に、原発賛成か反対を問う長文を読ませてもスピーディーな大意把握など出来はしない。

話を戻すと、論述が主体の東大入試にあって英語に限らず、国語力は合格の要をなす。だが、国語力の醸成は一朝一夕にはいかない。理系であれば、数学や物理化学に逃げることもできるだろうが、文系であれば、いずれの教科でも国語力が付いてまわる。もっといえば、数学でさえ国語力(読解力や論理構成能力や表現力)が実は大きな要となっているし、物理や化学や生物でさえ問われているお題を見抜く国語力は高度に求められるのだ。

東大合格を勝ち獲りたくば、国語力を磨くことが大切なのだ。そして、最も醸成が難しいのも国語力なのである。だが、ここに実はチャンスも隠されているのである。

知恵の館記事の中で多くの「ワザ」をご紹介する予定である。ご期待ください!

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