2021年 東大国語 第2問 『落窪物語』現代語訳など

2021年東大国語第2問 古文『落窪物語』人物関係図

スタッフKです。リード文と注記にあります人物をまとめました。
※帯刀が道頼の乳兄弟という情報はありませんでしたが、『落窪物語』は有名作品なのであらすじと以下の人物くらいは知っておいていただきたいです。

注記にあります「(帯刀が)道頼と落窪の君の結婚に尽力した。」という文言は(東大古文の注記文、しかも二文目にしては珍しく)設問の解答に使用しない情報でした。

これは東大から「これくらいの有名作品はおさえておいてね」というメッセージなのかなと、私は受け取りました。

「マンガ日本の古典」シリーズにも『落窪物語』はあります!図書館に置いてくれているところもあります。受験まで時間の余裕のある方は、ぜひ読みましょう♪
その他、東大古文の読解を有利にする方法、参考書レビュー一覧付も、よろしければご覧ください。

現代語訳

 こうして、「今年の葵祭は、たいそう趣があるだろう」と(道頼の従者(※世間の人々という説もアリ)が)言うので、衛門督殿(=道頼)は、「物足りない時節なので、女房達に(葵祭を)見物させよう」と言って、予め御牛車を新調し、人々の衣装もお与えになって、「(祭見物の支度を見た目が)悪くないようにしなさい」と仰って、見物の準備をして、当日になって、一条大路に(場所取りのための)打杭を打たせなさったので、(道頼の従者が)「今は(もうそろそろ出かける時間でしょう)」と言うけれども、「(急がなくとも)どれほどの者が見物場所を横取りするだろうか。いや、誰もするまい」とお思いになって、のんびりとお出かけになる。

 御牛車五輌ほどに、大人が二十人、二輌には、童が四人と下仕えが四人乗っている。道頼がお連れになっているので、御先導には、四位・五位の者が、たいそう多い。道頼の弟で、侍従だった人は今では少将に、童でいらっしゃった人は兵衛佐に(それぞれ昇進していたが)、「(兄である道頼と)一緒に見よう」と申し上げなさったので、(弟たちとその従者)皆が乗っていらっしゃった車までもが加わったので、二十輌余りの牛車が続いて、「皆、身分の順に整然と(見物場所に)立ち並んだな」と、(道頼が)ご覧になっていると、自分達が杭を打った所の向かい側に、古めかしい檳榔毛(びりょうげ)の牛車が一輌と、網代(あじろ)車が一台停まっている。

 お車を停める際、(道頼が)「男車の配置も、疎遠な人ではない(ので)、親しく面と向かって停めて、視界に入る北側と南側に停めよ」とおっしゃるので、「この向かいにある車、移動しなさい。お車を停めさせるつもりだ」と(道頼の従者が)言うと、(相手は)強情な様子で聞き入れないので、(道頼が)「誰の車だ」と尋ねさせなさると、「源中納言殿(の車です)」と申し上げるので、道頼が「中納言の牛車であっても、大納言の牛車であっても、これほど(停める場所が他にも)多くある所に、どうして「この打杭がある」と目にしながら(牛車を)停めたのか。少し移動させよ」とおっしゃるので、(道頼側の)雑色たちが近づいて(源中納言家の)牛車に手をかけると、(源中納言の)車の人が出て来て、「どうして、またあなたたちはこんなことをするのか。ひどく勇み立った雑色だなぁ。権門らしく振舞う自分たちの主人も、(こちらと同じ)中納言でいらっしゃるのではないか。一条大路もすべてご領有なさるおつもりか。横暴だ」と笑う。「西から東へ向かって、(葵祭で一条大路をお通りになる)斎院も(あなたたちの横暴さに)恐れて、(一条大路を)避けた道を選んでお通りになるに違いないそうだ」と、ロの悪い男がまた言うと、「同じ中納言だと、(我々の)主人を(お前達の主人と)一緒くたに言うな」など口論をして、すぐに移動させられないので、道頼たちの御牛車が、まだ停められない。道頼は、御先導の人である左衛門の蔵人をお呼びになり、「あれを、指図して、少し遠に移動させろ」とおっしゃるので、(源中納言の車に)近って、無理矢理にすっかり移動させる。(源中納言側は)従者たちが少なくて、簡単に止めさせられない。(源中納言側の)御先導は三、西人いたけれども、「(逆らうのは)無益だ。今回の件は、きっと(大きな)口論となってしまいそうだ。ともかく、今の太政大臣の尻を蹴ったとしても、こちらの御主人の牛飼いに手を触れることはできるだろうか、いや、できない」と言って、(牛車から離れて、)よその家の門に入って立っている。目をわずかに出して(大路を)見ている。

 (道頼はこのエピソードによって)少し気が短く恐ろしい者だと世間では思われてなさっているけれども、実際の御心は、とても親しみやすく、穏やかでいらっしゃった。

主語把握に自信が持てるようになる細かい解説や記述のポイント解説

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