2023年東大英語(第4問A 英文法正誤)入試問題の解答(答案例)・解説
(編集部注)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。
2023年東京大学 英語 第4問A 英文法正誤
設問(21) 文意(語法)
誤った選択肢は(d)
(d)The English has(⇒ is) no exception to these social realities although (e)its often unquestioned status as a global lingua franca might make it seem to be such.
英文の主役は動詞である。
動詞を制する者、英語を制すると言っても過言ではない。
東大4Aにおいても、様々な切り口から、動詞に絡めて出題されている。
そこで、受験生諸君は、以下のようなチェック項目(鉄則)を構築すると良い。
●動詞が来たら時制に注意せよ。(過去形や完了形など)
●動詞が来たら三単現のsに問題がないかチェックせよ。
特に主語が関係代名詞や長ったらしい語句で修飾されている時ほど、下線を引かれた動詞に対応する真の主語が見えづらくなる。
東大教授だったら、どこに下線を引くのか意識してみると良い。
この意識の差が、英作文におけるポカミス発見率の差につながる。
また、many a 単数形や、a lot of 不可算名詞や、one of 複数形の名詞や、Both A and B / Either A or B、the number of/the amount of、主語が動名詞やto不定詞といったものなどが絡む場合には、三単現のsの要否判断で戸惑うことが多いから注意せよ。
関係代名詞に下線が引っ張られていた場合、先行詞と関係詞節の中の動詞内の関係にも注意。
●下線の引かれた動詞は他動詞か自動詞かチェックせよ。
自動詞なら、前置詞のサポートが必要なはずだから、laugh atなど熟語表現を形作ることが多い。
この場合、受験生が熟語の存在を忘れやすいように本文を受動態にして受験生を撹乱しようとすることが多い。
他動詞であれば、目的語の存在に注意せよ。
目的語が主語である場合、本来受動態にせねばならないところ、be動詞を省略して受験生を撹乱しようとする。
be動詞はサブキャラのように捉える人が多く、多くの受験生にとっての盲点となりやすいが、正誤問題ではメインキャラになることが多いから気をつけよ。
また、Vpp(過去分詞形)を見たら、その動詞が自動詞か他動詞かを反射的に確認せよ。
●Ving(動名詞や現在分詞)やVp/Vpp(過去形や過去分詞)の直前にあるbe動詞は本当に必要なのか吟味せよ
●動詞 to〜(want toやdecide toなど) / 動詞〜ing(enjoy~ingやpractice~ingやavoid~ing)の語法は英作文でも正誤問題でも頻出。
丸暗記せずとも、toが元来未来志向でプラスイメージの前置詞であることを元に整理すると丸暗記量はググッと減る。
たとえば、want toやdecide toやexpect toであれば、いずれもこれからしたいことを表している。
その他にも、原義に着目することで丸暗記量を減らす方法はいくつもある。
●正誤問題では、普段の英文読解の時以上に、SVOやSVCやSVOOやSVOCを意識せよ。
●文章の中盤以降に動詞がto不定詞も伴わずに不意に来た場合、関係代名詞の存在を疑え。
●時や条件の副詞節が出てきたら「反射的に」動詞の時制を確認せよ。
●分詞構文を見かけたら、意味上の主語をチェックせよ。
以上、ざっと書いてみたが、普段からこのような点検項目を脳内でテンプレ化していれば、英作文におけるポカミスも大幅に少なくできるだろうし、4Aの正答率も上がることだろう。
さて、本題に戻ると、この設問(21)であれば、have no exceptionなんていう表現はあまり聞いたことがないから×と判断できた人も少数ながらいただろうが、haveの原義を考えた時、英語という言語が、例外を持っていないというのは何事か?と読んでて突っ込められると良かった。
文脈からみても、英語そのものは例外なんかではないと捉えるべきであり、English = no exception to these social realtiesというS=CのSVC構造を取っていることがわかるから、SVCを取れる動詞(be動詞など)でなければならないと判断し、hasが不適と判断することもできただろう。
ただし、この空所(21)は、2023年度の4Aの中では、最も気付きづらい選択肢であったため、本番で出くわした場合、一旦、別の選択肢を先に吟味する駆け引きも重要である。
冷静さを維持できた人が、東大英語で勝利できることを肝に銘じなければならない。
設問(22) 動詞
誤った選択肢は(a)
(a)English as a lingua franca has often (been) portrayed as a ‘neutral’ medium between people who speak a different first language.
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
設問(23) 形容詞・副詞
誤った選択肢は(d)
For linguistic anthropologists (c)there is a benefit in observing these ambivalent positions and ambiguous dimensions by paying more attention to (d)inconsistencies and seeming(⇒ seemingly) contradictory positions.
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
設問(24) 動詞
誤った選択肢は(b)
The coexistence of such a Standard English alongside non-Standard and lingua franca forms (b)create(⇒ creates) complex power dynamics which are often racialized.
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
設問(25) 前置詞
誤った選択肢は(b)
My argument is (a) essentially, but not only, about power and ideology because these concepts have (b) a fundamental impact to(⇒ on) the politics of language.
詳細はこちらのページでは省略しております。映像授業【東大英語第4問A 英文法正誤】に入れております。
いかがでしたでしょうか。
東大4Aは、コツをつかめば、ほんのちょっとの労力で3問は確実に正解できる「おいしい」問題です。
今年度の問題で言えば、(22)(24)(25)は瞬時に気づいて欲しかった設問でした。
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