「夏を制す」受験生の夏の過ごし方とは?【地方出身東大生の受験日記・その12】

「夏を制するものは受験を制す」の思い出

最近もう暑くて暑くて仕方ないですね。
冷房を開発してくれたメーカーの方々に最大の感謝を届けたい季節です。

この季節になると、
「夏を制するものは、受験を制す!」
というスローガンをよく耳にしますよね。

どうしてもダラけてしまいがちな夏休みを頑張ったものは、受験で成功する!
だから、暑い夏でもしっかり勉強しよう!!
そんな熱いメッセージがこめられたスローガンですね。

さて、このスローガンですが、僕はあまり好きではありません。

なぜなら、僕の通っていた地方高校では、毎年この季節になると、セミが鳴き出すかのごとく、先生たちが狂ったようにこのスローガンを言い続けていたからです。
どんな時に言うのかというと…

そう、学年集会の時です。

受験日記その6でも紹介しましたが、僕の高校では「何をそんなに話すことがあるんだ」というレベルで頻繁に学年集会が開かれていました。

ただでさえ面倒な学年集会ですが、この時期のものは特にひどかったのです。
何百人もの生徒が、冷房設備のない灼熱の体育館に集合。
そして延々と、
「夏を制するものは受験を制す!だから夏休みも勉強をしっかりしろ!」
といった話をされ続けます。

ほぼ拷問です。

サウナみたいな体育館の中で、これだけたくさん言われ続ければ、どんな名言も嫌いになります…

さて、僕がこのスローガンを好きではない理由はもう一つあります。
それは、この名言に対し僕がある疑問を抱いていたからでした。

「『夏を制する』って、具体的に何をすればいいの?」

そもそも「夏を制しなさい」と言われてどうするのかがわからないのに、この名言だけ言われてもどうしようもないじゃん!と思っていました。

今回は、「夏を制す」ためには具体的に何をすればいいのか、そして、東大に受かるためには夏をどう使えばいいのかを解説していきます!

まずは「ざっくりとした計画」から!

夏休みは長い。
「夏を制そう!」という意気込みだけで無闇に勉強をしても、モチベーションは続きませんし勉強も捗りません。
まずは「夏休み中にこれをやる!」というざっくりとした目標を決めておくことが大事です。

僕の受験期を例に紹介しましょう。

まず、受験日記その11でも話した通り、僕の学校は夏休みに補習がありました。
そのため、8月第1週と第4週は学校に行かねばならず、実質的な休みは8月第2週、第3週の2週間だけでした。
もっと休ませろと言いたいところですが行かなければならなかったので仕方ありません。
その2週間で何をするのかの目標を考えました。

まずは国語
僕は古文や漢文の文法・句法がとても苦手でした。
そのため、夏休みには古文・漢文の文法書を、パラパラ読みでいいので1日数ページずつ読む、という目標を立てました。

次に数学
数学は、昔の東大模試の数学の問題を解き、復習していくことにしました。
東大の過去問演習は平井先生の方から毎週課題をもらっていたので、それとは別に個人的に東大模試の問題を解くことを目標にしました。

そして英語
長文読解の能力を磨くために、過去に解いたことのある英語の長文を改めて熟読する、というトレーニングをしていました。
英語は得意科目ということもあり、他の科目の勉強を優先するため、分量は少なめに設定しました。

最後に日本史世界史
日本史も世界史も、一応通史は個人的に終わらせていましたが、授業ではまだ習っていない部分はかなり不安が残っていました。
そこで、夏休み中に通史をもう一周ずつ勉強する、ということを目標にしました。

と、このようにザックリと科目ごとにどんなことをするか目標を立てました。
「何をして過ごすか?」というのをなんとなくでも決めておくと、手持ち無沙汰になったときに「今日はこれをしよう」とすぐに行動に移すことが出来ますね!

目標を立てるポイントとしては、「今のうちにやっとかないとヤバイな」と思うものを優先的にやる、という点です。
夏休みという期間は、比較的まとまった時間があるので、「今まで時間がなくてできなかった」というような勉強をするチャンスなのです!

ですが、こうして目標を立てていても、その遂行を邪魔してくる存在があります。

そう、夏休みといえばのアレ。

学校の宿題です。

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「課題が多い!」

僕の通っていた高校も、とにかく夏休みの課題が多かったです。
補習もやるくせに、せっかくの自由な時間は課題で潰される。ひどい話です。

せっかく目標を立てても、宿題で時間がなくて実行できない…!となってしまっては、「夏を制す」ことはできません。

高校1年生、2年生の頃は「やりたくないけどやるしかないか…」という気持ちでちゃんと提出していましたが、高校3年生は勝負の年。

ただでさえ短い夏休み、自分のやりたくないことに費やしている時間はありません。
僕は課題をほとんどやらず、自分の決めた目標にしたがって勉強をしました。

補習のように、行かないと親や友達に心配をかけてしまうようなものとは異なり、課題はやらなくても迷惑をかけるのは学校の先生に対してだけです。
受験日記その7で紹介した、「進路指導の先生無視し続け事件」のこともあったので、課題をほとんど出さなくても先生からは特に何も言われませんでした。

ここで僕が主張したいのは、「課題をやらない」ことが大事なのではなく、「自分がやるべきだと思っていること」をすることが大事なのだ、ということです。
出された課題の中には、有用なものもあります。
その課題を解くことが自分のためになるのならば、ちゃんと向き合って解くべきです。
実際に僕も、夏休みに出された古文と漢文の課題は、復習した文法事項を確認し直すためのテストのような感覚で利用していました。
「自分がやるべき」だと思ったらやる、そうでなければやらない。
それくらいの思い切りがあれば、「夏を制す」ことも夢ではありません。

夏休みは受験期最後の「まとまった時間」

「夏を制するものは受験を制す」。
僕はこのスローガンが好きではありませんが、述べていること自体は事実です。
夏休みは、受験期を通してもここしかない貴重な「まとまった時間」です。
こんなに長時間集中して勉強できる期間は他にありません!

ぜひ、ざっくりとでいいので目標を立て、「受験を制す」ためにこの夏できることをじっくり考えていきましょう!

次回に続く…

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