英語で「多読」をやる意義とは?6つの意義を詳細に解説

敬天塾の生徒さんからもらった質問への回答をシェア致します☆彡

Q 多読をやる意味が、いまいちピンと来ません。

A 多読をやる意味にはいくつかあります。ざっと6点を挙げてみます。

①頻出テーマに慣れる

②語彙力増強に資する

③コロケーションや前置詞の使い方などが無意識のうちに見えてくる(違和感のある表現を目にすると、これ見たことないぞと経験則的にわかることが多くなる)

④英作文のネタストックにも資する

⑤読んだ英文を耳で聴き、さらに音読をすることで、英語を英語のまま理解する回路が脳に構築されやすくなる。

⑥段落構成など文章構造を掴みやすくなり、情報処理速度が増す。(英文作成者のココロが見えてくる)

以上、6点につき、具体的な内容を以下詳述します。

①頻出テーマに慣れるについて

よく出るテーマというのは矢張りあります。
言語学関連や脳科学の話など、大学の教授が興味を持って出題したくなる文章にはある程度の規則性があるのです。
そうした文章テーマを事前に知っているか否かは、「速読速解」や「文章理解度」に大きく影響を与えるのです。
既知のテーマであれば、文章を読み進める中で予測可能性が高まりますので(もちろん、東大側もそれを予測しワナを埋めてくることはありますが)、テンポよく読み進めることもできますね。

そうした観点に徴して、

●英文読解以前シリーズ5冊
●多読英語長文
●FINAL時事英語2冊
●IELTS英単語
●リンガメタリカ
●東工大や神戸大や北大や慶應経済などの長文多読

などを敬天塾の授業では指示いたしました。

早慶受験生であれば、これらに加え、TIMEやNEWSWEEKやWALL STREET JOURNALなど英文雑誌を5月〜6月から読み込んでいる人もいます。
なぜに、早慶受験生よりも英語学習量が少なくて済むのでしょうか。

②語彙力増強に資するについて

語彙力を増強する場合、ガツガツ日本語と英単語を1対1対応で覚えていく従来からのスタイルが合っている子もいれば、
長文の中で目にする回数に比例して自然と覚えていくのが良い子、
語源など背景知識を説明してもらえた方がしっかりと覚えられる子、
例文やフレーズのようなチャンクと呼ばれる固まりだとスムーズに覚えられる子など、
人それぞれの相性や特性があります。

多読は語彙力増強に資すると言われて久しいですが、幼児教育でやるような海外の本を悠長に読んでいる時間は受験生にはありません。

受験まで残された時間の中で、語彙力増強の効果を高めるために開発されたのが、
速読英単語や速読英熟語といった参考書としての長文教材です。

もちろん、単語を覚えさせるために無理矢理日本人がつくった英文ですから、ネイティヴからすると不自然な文もあります。
つまりは、東大英語で出てくるような英文とは毛色が異なる英文な訳ですが、語彙力増強に力点を置いている以上、初期の多読においては問題ないと思います。

③コロケーションや前置詞の使い方などが無意識のうちに見えてくるについて

これは、私たちが日本語を習得したプロセスを考えてみればイメージしやすいのではないでしょうか。

たとえば、以前ご紹介したウェザーニュースのダンゴムシの話で、「ダンゴムシにも解説をしていただきました」と女性キャスターさんが間違われましたね(^^)

別に、私達は、それを助詞の用法を細かく文法的に考えておかしいと感じたというより、聞いた瞬間、「あれ?この日本語おかしいぞ」と違和感を覚えたから、瞬間的に笑ってしまうわけですよね。

英文シャワーを大量に浴びると、「あれ、この英文は不自然だぞ」と直感的(正確には無意識の経験則的)に理解できるようになり、それは英作文の答案点検で自分の答案をより客観的評価できるようになることも意味します。

また、リスニングでも、英文のリズム(そろそろ関係代名詞ゾーンが始まるんじゃないかetc)が掴みやすくなった結果、ストレスなく聴き取ることができるようになるメリットもありますね。
こうした意味で、多読は総合力醸成に資する言えるわけです。

もちろん、コロケーションや前置詞の使い方に苦手意識があり、早期に完成させなければならない場合は、悠長に多読の中で補強をするよりも、コロケーション対策のプリントや、前置詞関連の練習問題などピンポイントで集中対策することは必要ですね。

④英作文のネタストックにも資するについて

様々な英文に触れるなかで、人の思考は定まっていきます。
ネタストック用である以上、読みやすいものを読んでいったほうが良いですね。
こうした点から

●OPINION1100
●英文読解以前シリーズ5冊
●リンガメタリカの中の補充解説
●ファイナル時事英語2冊
●英語名言集

などを敬天塾の授業ではオススメしました。

たとえば、2021年に慶應経済で自動運転の話が出ました。
ファイナル時事英語では触れられているところでしたので、書くネタも思いつきやすかったと思います。
2020年に東京大学では「言語が人を操るのか、人が言語を操るのか」といったテーマで自由英作文が出されました。
英文読解以前シリーズで言語論などの頻出テーマを学んでいれば、書きやすかったかもしれませんね。
また、人生訓についてのお題は東大や京大ではしばしば好んで出されますが、偉人たちの英語名言をストックしていればそのまま援用できるものも多くありますね。

⑤読んだ英文を耳で聴き、さらに音読をすることで、英語を英語のまま理解する回路が脳に構築されやすくなるについて

一読目は、わからない単語があっても前後から推測しながら、
まずは全文を終えることに力点を置くのが多読の基本だと言われています。

ただ、それだけで終わらせると、読みっぱなしになってしまいますので、音声教材があれば耳からもエッセンスを吸収し、音声教材がなくても音読をすることで(ただし、正しい発音が身につけられていない人は、音読の前段階で発音矯正などをすべき)、英語のまま英文を理解することにもなります。
こうした直読直解能力が身につくと、英文の処理速度も上がりますので、時間制約の厳しい東大入試において極めて有利になるわけです。

リスニング能力醸成に寄与させるという意味では、安河内の『生きろ!』や『霊感少女リサ』といったマイルドな題材から始めるのも良いでしょうね。
興味のあるものを多く読んだり聴いたりすることは重要です。
英語で考えることに資するからです。
世界史の教科書の英語バージョンを読んでみれば、世界史の復習にもなり一石二鳥ですね。
いまは山川出版社や東京書籍からも英語版の世界史教科書が出されています。
その他、興味のあるものからどんどん読んでいくことも重要です!

⑥段落構成など文章構造を掴みやすくなり、情報処理速度が増すについて

パラグラフリーディングディスコースマーカーといったものを読解に際して意識すると、文章の速読速解に資すると言われていますね。ここを集中的に対策したければ

●ディスコースマーカー英文読解(z会)
●パラグラフリーディングのストラテジー(河合出版)

といった市販書籍もあります。
ただ、それらで方法論を学んでも、実践しなければ体得などできはしません
それが多読なのです。
英語特有の論理展開や文章構造に慣れてくると、英作文の論理構成能力リスニングの聴き取り能力増強にも寄与します。
これは、事務処理能力テストの性格を呈する近年の東大英語制覇にあたって極めて重要な資質だと感じています。

以上を、総括すると、多読は有効ではあるけれども、全身トレーニング的なところがあり、ピンポイントで鍛えたいところがあれば、多読とは別個に補充対策を実施することが重要でといったところでしょうか。

多読だけ漫然としていれば1年という時間で最大の効果をもたらすのは難しいと言えます。

敬天塾では前置詞道場などの補助教材を通じて生徒の弱点炙り出しに日頃お役立ていただいておりますが、読者の皆様におかれましても是非、テストなどを通じて自分を客観視して、弱点補強に努めつつ、多読に精を出していただければと切に願っております!

Q 多読に関するご説明ありがとうございました!
同じ題材を何周もするのと、どんどん違うものを読み漁るのはどちらが良いでしょうか。
また、同じ英文を何度も読むことには英作文ネタストック以外に、どんなメリットがあるのでしょうか。

A 題材次第ですかね。
多読目的に応じて、何周も読むかを判断すると思います。

私なら英文読解以前シリーズは何度も読みますが、
速読英単語程度の文章は1周しか読まないと思います。

山川世界史の英語版なら世界史の学習にもなるので何周も読むかもですね。
ファイナル時事英語はネタストックに使いたいので何周も読みます。

何回も読むことの効果ですが、

●同じ文章なので内容はわかっている分、文章構造の把握や細かなコロケーションなどに目配りしやすくなる

●反復している分、脳に刷り込みしやすくなる(刷り込むだけの価値ある文かも重要)

音読しやすい

といったところでしょうかね。

また、1回目に読んだ時の精度にもよるでしょうね。
1回目をフワッとした感じで読んでいたならば、十分にエッセンスをつかめているとは言えないので、
2読目は少し丁寧に読み進め、
3読目はスピード重視でという感じでしょうか。
ですが、これも絶対的なものではありません。

一生懸命に自分の時間の有効活用法を考える姿勢は素晴らしいですね!

Q 熟語や単語を覚える目的で多読をするなら、速読英単語などでも何周もして良いのでしょうか

Aその通りですね!
多読目的に応じて、その時々で臨機応変に自分に合ったやり方を模索しましょう!

 

(編集部より)上記の記事を執筆したおかべぇ先生のオープン授業【東大英語】もぜひご活用くださいませ。
特に、最後の文章構造については
オープン授業【東大英語 情報構造BASIC】で詳しく解説しています。

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