質より量?量より質?
勉強において、
「質より量が大事だ」という人と、
「量より質が大事だ」という人がいますね。
それぞれ、
質を優先すれば1つの問題に時間をかけ過ぎる…
量を優先すればそれで良いかも不安…
といったデメリットもあると思います。
では、量と質の関係はどのように考えたら良いでしょうか?
結論
結論から言いますと、
そのために、「質を意識しながら、量をこなす」ことが重要です!
どっちもかいっ!てツッコミたい方、
まずは理由を読んでください。
最近は、「量をこなせば質が上がる!【量質転化(りょうしつてんか)】だ!」という主張をよく見かけます。
下のグラフのように、最初は成績が上がらないけれど、大量にやっていたら、ググっと成績が向上するタイミングがやってくるというものです。
「だから、成績が上がらないのは量が足りないからだ!」と言われがちです。
確かに量をこなすことで質が上がるタイプの人もいるでしょう。
しかし、本当に誰もが、量をこなせば必ず質が上がるのでしょうか?
量質転化しない人
多くの受験生と触れ合う中で、「量をこなしている割に、成長していない」タイプの方と出会うことがあります。
「量をこなして質が上がる人」と、
「量をこなしても質が上がらない人」の違いは何でしょうか?
それは、「質を向上させようと意識しているかどうか」です。
質を向上させようと意識している人は、
・分野ごとに、完璧に、覚えたり理解しようしたりします。
・演習の度に、ミスした原因と対策を考えます。
・自分の課題を「数学の通過領域、特に線形計画法が苦手」と細かく認識し、そのための対策であることを意識しながら勉強します。
逆に、質を向上させようと意識していない人は、
・「覚えらんないなぁ。ま、何回もやったら、そのうち覚えるかな」と量に逃げている傾向があります。
・演習では、解答を見てミスした問題は赤字で正答を書き込んで終わり。あまり分析しません。
・自分の課題を「数学がにがてー」と大雑把にとらえて、人に薦められた問題集をとりあえずこなそうとします。
このHPの読者の多くは東大受験生だと思われるので、質を向上させようと意識していると思いますが、
科目によっては、量でなんとかしようとしていないでしょうか?
量も大事
また、質にばっかりこだわって、遅々たる歩みで「量」を疎かにしてしまうのも良くありません!
「1回アウトプットで覚えて本番でも使えるようになるよ」という天才肌の方以外は、何回もアウトプットすることで、記憶が定着したり、使いこなせたりできるようになるものです。
また、人は自分の身の回りの人と何でも比べがちなので、
「このくらいの量をやれば、十分だろう」という基準は、
自分が身を置いている環境によって大きく異なります。
東大合格者がほぼいない高校と、
多数の東大合格者を輩出している高校では、
「あたりまえ」としている量が驚くほど異なります。
自分の量の基準が甘すぎないかも、気にしていただきたいところです。
質が目的で、量が手段
そもそも受験勉強は、入試本番で解ける力を身につけるためにやっているはずです。
なので、解ける力の水準まで自分を向上させること、
つまり「質(の向上)」が目的です。
量はその手段です。
質の向上を意識せずに量をこなすと、どうしても遠回りになってしまいます。
皆さんが余計な遠回りをせずに済むように、敬天塾ではノウハウや考え方を今後も発信してまいりますので、どうぞご利用くださいませ。
おまけ
ちなみに塾長が「勉強量以外」で成績を上げる方法について語る約30分の動画があります。
学力が原因のケース2つ・学力以外が原因のケース5つをご紹介しています。
勉強量を増やしているのに成績が上がらない方はぜひ、ご覧ください。
【約30分の限定動画】TAWASHIに学ぶ共通テスト数学の対策法「勉強量」以外のアプローチ