2023年東大文系数学(第2問)入試問題の解答(答案例)・解説

2023年東京大学 文系数学 第2問

 

(1)見事な練習問題の連続!

こちらも、第1問と同様、サクッと終わらせていきましょう!

まず、C上の点Pと直線lの距離ですから、点と直線の距離の公式を利用。すぐにf(t)の正体が出ます。

この時大事なのが、f(t)の分子の絶対値は外れないこと。Cとlのグラフを描いてみると分かりますが、Cとlの上下関係は点Pの場所によって逆転します。

0と2の間なら直線lが上、0と2より外側にあると放物線Cが上です。このように上下が逆転するときには、絶対値は外せません。(どうしても外したければ、場合分けが必要になります。)

ここまでは、公式を使っただけの教科書例題レベル。

次に、この絶対値つきのf(t)をインテグラルの中に入れて積分するのがg(a)です。
絶対値がついたグラフの定積分と言えば、これまた教科書の例題でよく見るタイプ。

f(t)は絶対値がついていますから、グラフで書くと横軸より下の部分がひっくり返って上になるわけですが、この時グラフの式が変更されます。

0と2の間は上に凸ですから、絶対値の中身をマイナスで外した場合で、0と2の外側は、下に凸ですから、プラスで外した場合の値です。

今回の積分区間は、ー1≦t≦a。左端のー1は固定されているから良いとして、右端のaは動きます。つまり、aがf(t)の「折れ目」を超えるかどうかで場合分け。

よって、
(ⅰ)ー1≦a<0の場合
(ⅱ)0≦a≦2の場合

という2通りの場合分けになります。

あとは、g(a)を計算して終わりです。結局、教科書の例題を2問といているだけのような問題でした。

 

(2)これも教科書例題の連続

では、(2)へ行きましょう。

(2)では0≦a≦2と指定されているので、先ほどの(ⅰ)は無視。(ⅱ)の場合の計算結果のみを使います。

計算するのは、g(a)ーf(a)ですが、(1)で登場したのはf(t)。カッコの中身が違いますが、単にtにaを代入するだけなので、困らないように。

さて、tにaを代入してみると、0≦a≦2ということで、絶対値が外れてしまいます。fの絶対値は0と2の間にあるか、外側にあるかで外れるという話でしたから、外してしまいましょう!

よって、g(a)ーf(a)の値が絶対値ナシで明確になりました。

あとは、これの最大値、最小値を求めるだけ。
3次関数なので、微分して増減表を書いて、終わり!

計算ミスに気を付けて進めてください!

最後に、a=2ー√2を代入するところがありますが、割り算を利用したり、次数を下げたりして工夫できるので、下の手書きのプリントで解き方を確認しておいてください!

2023(2)文数 解説

 

第1問につづき、これも取りやすい問題でした!
振り返ってみると、(1)も(2)も結局は基本の連続のみ。しかも教科書の例題レベルが連続して襲ってくるような問題でした。

計算ミスしやすいポイントがいくつかありましたが、ここでも「敵は計算ミス」の精神で慎重に進めてください!

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