2021年東大国語(現代文・古文・漢文)を当日解いたので、所感を書いてみた。

タイトル通りです。
先に全体を見ていきましょう。

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全体講評

私としては、やや難程度だろうと思います。

難易度 やや難

特徴としては3つ。
①コロナを意識した?

第一問で医療に、第四問で死に関する問題が出題されました。
詳細は各問の講評に記載します。

背景知識が必要な問題が増えた

例えば、第一問冒頭の「近代化をするということは、いろんなひとに徐々に市民権を与えてきた流れがある」ということの背景知識は、
理系の子は知らない子多いだろうなと思われます。

第四問も正岡子規と夏目漱石の友情関係も、リード文に説明はあるけれど、知識があった方が有利だろうなと思われます。

③日本史選択有利

元々、国語は日本史選択の方が有利(詳しくは日本史、世界史、地理のうち、どれを選択すべきか)。
今年は特に、珍しくそうでした。
こちらも詳細は各問の講評に記載します。

 

2021年東大国語第一問(現代文)松嶋健「ケアと共同性-個人主義を超えて」

さて、第一問は医療に関する問題。

難易度 標準

設問形式・設問数も論述4問、漢字問題と例年通り。
論理の流れも非常にスムーズで、読みやすいですね。
設問すべてが「どういうことか」を問うもので、変わった設問は特に見られませんでした。

一方で、少し気になったのは、背景知識を知らないと不利に働く部分があったこと。

例えば、本文の序盤に述べられている、近代化から市民権拡張の流れなんて、世界史選択の受験生にはなじみがあるでしょうが、理系の受験生は知らない子も多いだろうな、と感じました。

この傾向は、第一問だけではなく、他の第二問~第四問にも見られます。
東大が受験生に求めるものが、ちょっと変わったかな、という印象を全体的に受けました。

本文の内容をざっと説明しますと、
「タイのHIV感染者が、国家や公的医療サービス、さらに家族などの既存のコミュニティから隔絶され、次第に彼らが非感染者も巻き込んだ独自の自助グループを形成する」
といった内容です。

心温まる素敵な文章ですね。
読みながらほっこりした受験生も多いのではないでしょうか。

さて。
実は、東大で医療に関する文章が出題されるのは、なかなか珍しいです。

当日受験した方の中には、「おっ!」と思った方もいらっしゃったと思いますが、
今年の東大の国語は、明らかにコロナを意識していますね。

今後の医療体制のモデル・理想形を提案したこの文章の出題意図としては、
「コロナ感染者と社会の関わりには、新たな可能性があるよ」
という東大からのメッセージと捉えるべきでしょう。

丁寧に論理の流れを追いながら、確実に得点したい設問といえます。

 

2021年東大国語第二問(古文)『落窪物語』

難易度 やや難

「落窪物語」からの出題。主人公と敵側の対立のシーンが描かれています。

文章量はそれほど長くはないのですが、主語を読み取るのが難しいです。
「これは主人公側の行動?それとも敵側?」と、混乱した受験生もいたかもしれません。

また、今回の文章には注釈が多く付いていて、一見優しそうに見えるのですが、実はその注釈で説明しきれていないんですね。
斎院、御達、一条の大路、蔵人、先払いなどは、注釈を読んでも「なんじゃこりゃ」となってしまった方もいるのではないでしょうか。

古文常識の重要さを痛感する問題でした。

また、「領(りゃう)ず=領有する、所有する」という日本史選択であればわかる言葉が設問に絡んでいたりして、日本史選択には嬉しい問題設定だったかもしれません。

 

2021年東大国語第三問(漢文)井上金峨『霞城講義』

難易度 やや難

ちょっと長めで、注釈が少ない問題でした。

著者の井上金峨は、江戸時代中期の日本の儒学者。
すごく論理的な政治論を書いた人です。
「どういう政治が良いか」はなんとなくわかるけど、論理を読み取るのが難しい印象を受けました。

設問で問われているのはわりと普通の内容。

例えば、為や所などの重要な漢字が設問に絡むのはいつもと同じなんですが、
漢字の語彙の知識があると少し有利でしょう。
服、矯、便の意味とか。

「擾乱」という言葉は、日本史選択の人にはなじみあることばだったのではないでしょうか。

一般的に見聞きする言葉ではないですが、日本史には「観応の擾乱」という南北朝時代の戦乱があるので、しっちゃかめっちゃかな戦乱状態であることがわかります。

また、日本史選択優位の説が立証されてしまいました。

 

2021年東大国語第四問(現代文)夏目漱石「子規の画」

今回一番苦戦した人が多かったんじゃないかな、という問題。

難易度 激ムズ

設問数は例年と同じ。

正岡子規の死に寄せて、夏目漱石が書いたエッセーが出題されてます。

この文章のテーマとしては、「正岡子規と夏目漱石の友情」なんですが、そもそも正岡子規と夏目漱石の関係性を全く知らない受験生は、それに気づけない可能性があります。

東大の国語は、例年日本史選択が知識的な面で若干有利なのですが、それでも全体を通してここまで顕著な年は珍しいですね。

さらに、エッセーということで、論理の流れというものは全くありません。
かたい文体で、しかもどの表現もかなり抽象的。
本文自体を正しく理解するのが、なかなか難しいでしょうね。

さらに、今年の第四問は、心情説明の問題が、なんと2つも出題されています。
心情説明は難しすぎるので、東大で出題されることはめったになかったのですが、方向転換でもしたのでしょうか。

今回の心情説明も、例にもれず難しいです。
本文中に、心情を表す直接的な描写、根拠が少ないので、結局は受験生が自分で推察して書くしかなさそうです。
ここまで受験生に解釈を委ねる問題は、めったにないと思います。

また、東大を受ける高校生にとって、友だちが亡くなる心情を忖度できるか?
ことばを巧みに扱う文学者の気持ちを、正しく理解できるか?ということにも、少し疑問が残ります。

とても難しい問題でした。

 

まとめ

全体としては、求められている能力が変わったと感じました。

一つ目、いつもより知識が重視されていること。
背景知識や日本史の知識があると読みやすい問題でした。

二つ目、第4問で、受験生に解釈を委ねる割合が高いこと。

速報なので分析が甘いかもしれません。
ちゃんとした講評は3月初めの知恵の館(予告はこちら)をご覧あれ。

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