先生に「東大は諦めろ」と言われたらどうする?【地方出身東大生の受験日記・その17】

「私、東大受けるのやめることにしたんだ…」

悲しげな表情。
僕と同じクラスのある女の子は、東大を諦め、もう少し低いランクの大学を目指すことを打ち明けてくれました。

彼女はそれまで、僕と同様、東京大学の文科三類を受験する予定だったのですが、進路指導の先生との面談を受けてから、志望校を変えてしまったのです…。

いよいよ12月。
来月には共通テストが待ち受けており、追い込みが必要な時期ですね。

受験直前期になると、多くの受験生が自分の志望に対して不安感を覚え始めます
そして、彼女のように志望校を変えてしまう人も少なくありません

今回の受験日記では、直前期に志望校を変えてしまった友達の話と、「なぜ彼女は東大を諦めてしまったのか」、そして、東大志望の人々はこの直前期にどうすべきか、といったことについて書いていきたいと思います!

自称進学校の先生は「実績」がほしい!

受験日記その1でも書いたように、地方の自称進学校では、「東大」は神格化されています。
実際に僕も、進路指導の先生に

「東大は天才しかいけないんだから、浪人する覚悟がないとダメだ!」

といったことを何度も言われました。

そのため、よっぽど成績が良い人でなければ、高校の先生たちは東大受験を諦めさせてこようとしてきたのです。

それもそのはず。
自称進学校の先生が求めているのは、「教え子が大学入試で合格した」という実績だからです。

例えば、僕の住んでいた岡山県には、岡山大学があります。
岡山以外の県にお住まいの方はあまりピンとこないかもしれませんが、岡山で「岡山大学に通っている」と言えば、とても優秀な学生だという扱いを受けます。

そうです。
うちの学校の先生は、
「東京大学に落ちる」くらいなら、「確実に岡山大学に現役で受かる」方が良いと考えていた
のです。

「東大は諦めろ」と言われた友達

冒頭で話した同じクラスの女の子は、普段の成績はそこまで悪くなかったものの、東大模試の結果はD判定でした。
受験日記その5でも書いた通り、模試の判定は参考程度に考えれば良いので、D判定だったからと言って諦める理由にはなりません

ですが、進路指導の先生はその成績を見て、彼女にこう言ったそうです。

「正直、今の段階でD判定だったら東大は厳しいんじゃないか?
志望校のレベルを下げた方が、確実に現役で合格できると思うぞ。
東大は諦めた方がいい。」

受験も間近で、辛い日々が続く中、進路指導の先生からこんな風に言われたらどうでしょう?
「絶対に東大に行くぞ!」という意思を持っている人でも、少し心が揺らいでしまうのではないでしょうか

彼女の場合、東大を目指していたものの、この時期は
「本当に私が行けるのかな?」
と不安に思っていたようです。

そんな中このようなセリフを言われてしまい、彼女の心は大きく揺らいでしまいました。

そして、最終的に、彼女は東大を諦めてしまいました

現在彼女は、別の国立大学に通っていますが、
「もし東大に受かってたら全く違う大学生活だったんだろうな…」
とこぼしていました。

「先生からのアドバイス」はどこまで信用すべき?

皆さんも、学校の先生にこうしたアドバイスを受けた経験はありませんか?

学校の先生からの「志望校を変えろ」というアドバイスをどれくらい信用するか、という点には大きな議論の余地があります。
なんといっても相手は「先生」です。
今までにたくさんの生徒の受験を目にしてきた人々です。
普通に考えたら、先生のアドバイスを聞いた方が、自分の受験のためになると思いますよね。

でもよく考えてみてください。

「〇〇大学に合格したい!」と思ってこれまで頑張ってきたのに、受験直前になってそれを変えてしまうのって、結構リスキーじゃないですか?

東大を目指している人は、それまで東大合格に向けて過去問演習をしたり、東大入試について分析したりしてきたのに、直前期の短い期間の判断で別の大学の対策に切り替える、というのはかなりもったいないと思います。

それに、これは受験日記の中で何度も繰り返して言っていることですが、
模試の判定は気にし過ぎない方が良いです!
東大模試でA判定でなくても受かっている東大生は山ほどいますし、仮に今の段階で模試の結果が悪くても、直前期にしっかり対策すればここから力をつけることは可能です!

志望校のレベルを下げれば、今の段階の学力があれば余裕で合格できるかもしれません。
でも、冷静に考えてください。

あなたが合格した大学は、これから4年間通うことになる大学です。
これからの人生の貴重な4年間を、受験の直前期の先生のアドバイスだけを頼りに変えた大学で過ごすことになってしまいます。

志望校を変えるか、変えないかの判断は、あなたの人生を大きく左右する問題なのです。

もちろん先生が的確なアドバイスをしてくださった時に、しっかり聞くことは重要です。
ですが、受験に不安を覚えているような時期に、「志望校を変えた方が良い」と言われて、果たして正常な判断ができるでしょうか。

「先生のアドバイスはちゃんと聞く、でも信用し過ぎない」、ということをしっかりと胸に留めておくことをお勧めします。

アドバイスはちゃんと聞く、でも信用し過ぎるな!

「志望校を変えた方が良い」というようなアドバイスは、僕も過去にされたことがあります。
でも、結局それを聞かずに志望校を変えずに受験し、結果、東京大学に現役合格をすることができました。

「東大は諦めろ」
そう言われて、この時期に諦めてしまった人は過去に何人もいたと思います。
そしてその中には、実際に受験をしていたら受かっていたかもしれない人々もたくさんいると思います
全員とはいいませんが、自称進学校の先生の中には合格実績を欲しがっている人も多いので、そうした人々のために志望校を諦めてしまうのは非常にもったいないです!

志望校をどうするか、というのは思っている以上に大きな選択です。
受験期は、精神的にも不安定になってしまう時期です。
そうした時期に、先生のアドバイスだけをもとに判断してしまうには、大き過ぎる選択です。

「先生のアドバイスはちゃんと聞く、でも信用し過ぎない」ことが重要です!

次回に続く…

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