2020年東大数学を当日解いたので、所感を書いてみた。【理系】

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2020年東大数学 理系第1問

ここ数年、理系第1問は話題性がある問題が出ますが、それに比べると「普通」の問題ですね。
特に2018年の第1問には衝撃でしたが。。。
さて、この問題。大まかな方針としては、背理法を多用する問題です。
どこからそれが分かるかというと、最大のキーワードは「少なくとも」と「全て」でしょう。
受験数学界の標準的な指導として「少なくとも」を見たら否定をしろというのがありますが、まさにこれです。
(1)は、「全て0以上」を否定し、「a<0」と仮定すると(背理法)、矛盾が生じます。
この矛盾の示し方は、いくつかありますが、その辺りは解説記事に任せます。
(2)も、(1)を利用して、「全て正」と仮定すると矛盾します。
(3)は、(2)までの結論を利用し、例えばa=0などと仮定して、条件の式を変形していくと示せます。

2020年東大数学 理系第2問

これは、面白い問題ですね。
何が珍しいって、△ABCの形が与えられてないところです。
答えは一定値になるんですが、つまり△ABCの形によらないわけです。
さて、ABCの形によらず、点Xの通過領域を求めるとなって、何を連想するでしょう?
ここで思い出してほしいのは、ベクトルです。(ベクトルの考え方を使わなくても解けるのですが、おススメやヒントとしてベクトルが有効でしょう)
まず、大前提として、私はここ数年の傾向で毎年ベクトルの通過領域が登場していたので、「いつ出るんだ?」と構えていました。
これが過去問を解き、分析する意義です。
まるでお化け屋敷でお化けが出てくるのを警戒しているように、ベクトルに警戒しているのです。
そこへ、図形の問題登場ですから、気付かないわけはありません。
また、△ABCの形が明記されていません。ということは、ABベクトルと、ACベクトルなどを定義すれば、位置ベクトルとして領域図示に持ち込めます。
ベクトルの解法に「斜交座標」という考えがあるのはご存じでしょうか?これを知っていると、もっと理解しやすいでしょうね。
また、2 ≦ (3つの△の和) ≦ 3の条件の使い方ですが、ここのポイントは「対称性」です。
今回、点ABCについて対称性がありますから、求める通過領域は3方向に対称性があるような図形になるはず。
ということは、点Aからみて向こう側(遠い側)だけに注目して図示すればよいということです。
東大は「複数の動くもの(点、直線など)」があるときは、固定せよ!」というポイントを使う問題が大好きです。
今年はここに登場しました。

2020年東大数学 理系第3問

恐らく、今年一番、受験生が手を出したくなった問題でしょうね。
何しろ、(1)や(2)は、微分さえすれば答えが出そうな雰囲気が、すぐにわかります。
こういうとき、手を出すと痛い目を合う問題(計算が面倒で、最後までいかない)も多いのですが、これは正解♪
微分すると、難なく解けるので、手を出してよい問題でした。
ちなみに、微分の問題ではないですが、こういうのがワナの問題です。(2019年理系第1問
「あ!!積分するだけ!!」と飛びついて、計算をして、解けずに時間だけ浪費した人が多いであろう問題です。気を付けましょう。
(3)は回転した図形の面積です。
面積計算ですから、面倒になるのは必至。しかし、回転したときに欲しくなる「中心からの最大距離」が(2)で求められてます。
これに気付けば、少なくともインテグラルの立式くらいはしておいてよいでしょう。
計算は多少面倒ですが、東大の過去の問題からすると、それほどではないと思います。しかし(1)と(2)があることを踏まえると、やや計算量が多いと言えると思います。

2020年東大数学 理系第4問

文系と共通問題(今回唯一)でした。
といっても、すごく簡単な問題というわけでもありません。(3)までの小問構成にしては、(1)から難しい問題です。
文系の所感でも書きましたが、ちなみに、こういう整数や数列が絡んだ問題が登場したら、即考えることがいくつかあります。
1つは、小さな値や具体的な値で試し、法則を探ること
もう一つは、数学的帰納法で証明を試みることです。
今回は(1)の方が、強い効果がありましたかね。(2)なんかは、証明できなくても、結論だけ分かった人も多かったでしょう。
証明法に関しても、一ひねりありそうですし、nとkの2文字が動くと混乱しやすいですから、慎重に解く必要があります。

2020年東大数学 理系第5問

東大が大好き、体積の問題です。
線分の通過領域ということで、私は2016年の問題を思い出しながら解きました。
問題としては、(1)が簡単!
でも、分かってる人からしてみると邪魔な問題です。
だって、初めからz=tでの切断面から図示し始めたいからです。
また、この問題は、点Pの動く範囲が(1)と(2)で変わるのがちょっとしたポイント。
(1)では底面だけしか動きませんが(2)では円錐全体を動きます。
切断面での面積もそれほど難しくなく、積分計算もそれほどではないので、みかけ倒し感すらある問題でした。

2020年東大数学 理系第6問

 

まず、(1)と(2)でテーマが全く違う問題ですから、明らかな誘導問題だと分かります。
(1)の三角関数の結論で解が4個あると証明しますが、(2)では点が4つ存在するとのこと。解の個数を、点の個数に置き換える典型問題です。

 

さて、(1)ですが、グラフを描くと明らかにそうなるのですが、証明しようとすると、やや難しい。
A>1の条件をどう使うか、αの扱いをどうするかで、意外と(抽象的すぎて)難しい問題だったかもしれません。

(2)は、点Pが領域D内にあり、曲線Cの接線と直交すると言われているので、法線を思いつくとスムーズでした。
曲線Cの接線の式を経てると、割と自然に(1)の条件が使えそうな形が出てきて、あとはrの範囲だけ調整すれば解けるようです。
25分で解き終われる人は少ないかもしれませんが(特に(1)の記述が難しい)、誘導の乗り方くらいは辿り着けるレベルだと思います。

全体講評

ツイッターなどで噂になってますが、かなり難化したと。
これは言い過ぎだと思いますね。2019年の第6問もとっつきづらい問題でしたし、第3問も難しかった。
むしろ、全く手が付けられない問題がなくなったという意味では、時間いっぱい使って、全部の問題から部分点をもぎ取ろうとした受験生が多かったのだろうと思います。

一方で、とても簡単な問題もなくなりました。
2019年は第2問が簡単でしたが、今年は20点マルマルもらえるような簡単な問題はないのかなという印象。
ということで、現時点では、やや難化と結論づけたいと思います。
1問ずつの詳しい解説記事は、追って更新します。

 

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